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総合評価方式が税金の無駄遣いにつながる20080404日経コンストラクション
総合評価落札方式で高得点を取ろうと、入札参加者が過剰な提案に走るケースは少なくない。過剰品質になれば、受注者に大きな負担となるだけでなく、税金の無駄遣いにもつながる。
そんな一例が、国土交通省中国地方整備局が2007年11月に実施した広島県の尾道・松江自動車道双三トンネル工事の入札だ。
工事で発生する濁水の抑制対策のうち、浮遊物質量(SS)に関する加算点は15点。最も小さいSS値(mg/リットル)を提案した参加者を満点とし、ほかの参加者には提案したSS値に応じて点数を反比例させる算定式を採用した。
入札には14者が参加した。1リットル当たり1mgのSS値を提案した参加者が2者、2mgを提案した参加者は4者あった。そのうち、14億7000万円(税抜き)で札を入れた参加者が、価格では10位だったものの、加算点で1位となり逆転落札した。その参加者は1mgのSS値を提案して、SS値に関する加算点で満点を獲得している。
1リットル当たり2mgのSS値を提案した参加者のなかには、落札価格よりも5500万円低い14億1500万円で入札した会社もあった。もし、その会社がSS値に関する加算点で満点を得ていたら、評価値は落札者を上回る。つまり、1mgの差のためだけに、5500万円も高い会社と契約したわけだ。
濁水を放流する川のSS値は、年間平均で1リットル当たり3mg。高いコストをかけて、放流先の水質よりもきれいに濁水を処理する意味がどれだけあるのだろうか。
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