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経営悪化で建設会社が災害復旧用の資機材を放棄、廃業も2割が検討20080718日経コンストラクション
全国知事会の「公共調達に関するプロジェクトチーム」(座長:埼玉県の上田清司知事)が7月7日に公表した調査結果で、談合防止などを目的として自治体が進めている公共調達改革が、建設会社の経営を圧迫していることがわかった。公共工事の減少で経営が厳しくなったうえに、自治体による公共調達改革が進んで業界内の競争が激化。規模の小さな建設会社の中には、廃業を検討するところも出てきた。
同調査は埼玉県や山形県など4県の建設会社を対象として実施した。各社に対し、総合評価落札方式の導入や一般競争入札の拡大など、公共調達改革への対応や評価、考えなどを尋ねている。
例えば埼玉県内の建設会社に、公共調達改革への対応策について選択形式で尋ねたところ、約6割の建設会社が「民間からの受注を拡大する」や「人材育成を強化するなど技術力を高める」を挙げた。
次いで多かったのは、経費やコストを削減するため、災害復旧など「非常時用の資機材を持たない」と「スリム化して得意分野に特化する」。それぞれ3割程度の建設会社が選択した。「他社と合併し、経営基盤を強化する」を挙げた建設会社はほとんどなかった。
企業規模別の集計結果では、埼玉県内の規模が小さな会社のおよそ2割が「廃業を検討する」と答えている。
総合評価落札方式の件数は「現状維持」が最多
この調査では、各県が進める公共調達改革の方向性についても尋ねている。
例えば、埼玉県は2007年度に214件の工事で総合評価落札方式を採用した。この件数について同県内の建設会社に聞いたところ、「現状維持」が最多で42%。「拡大」と「縮小」を求める回答はそれぞれ約3割だった。
埼玉県が発注する工事の最低制限価格については、78%の建設会社が、現状より「引き上げるべきだ」と答えた。「現状維持」は21%、「引き下げるべきだ」としたのは、わずか1%だった。
同調査は、山形県と埼玉県、岐阜県、佐賀県の4県内に所在し、土木工事業を営む建設会社を対象として2008年5月に実施した。発注標準で1000万〜5000万円の工事、5000万〜1億円の工事、1億円以上の工事のランクに分け、各ランクから約50社ずつを抽出し、アンケート方式で調査した。
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