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11年度会計検査(2) 建設会社に架空の下請け契約を要請20121115日経コンストラクション
会計検査院は2011年度の決算検査報告で、発注していない工事の費用を建設会社に支払うなど、中日本高速道路会社が支出した新東名高速道路の工事費は不当だと指摘した。契約を結んでいない別の会社が一方的に実施した工事に対して、施工を担う建設会社に架空の下請け契約を締結するよう要請。建設会社を通じて工事費を支払っていた。
指摘を受けた工事は、新東名高速道路を建設する一環で、中日本高速道路会社の豊川工事事務所が愛知県豊川市で実施したもの。2007年7月から09年7月までの間に、長さが合計1832mになる2本の工事用道路と3カ所の迂回路、資機材の保管場所となる9530m2のヤードを造成した。工事費は、合計で6億6423万円。
これらのうち、ヤードと1カ所の迂回路を造成するために必要な掘削などは、いずれも当初の契約では実施する予定がなかった。豊川工事事務所は08年12月、これらの工事を追加して施工するよう建設会社に指示。ほかの項目と合わせて設計を変更し、09年7月に変更契約を締結した。
会計検査院が調べると、ヤードなどの追加工事は用地買収などの相手方である音羽開発(株)が一方的に実施したものであることがわかった。同社は豊川工事事務所と協議することなく、自社の敷地内で2008年1月ごろから自ら施工を開始。同事務所が建設会社に同工事を追加するよう指示する前の同年11月ごろには完成しており、建設会社はこれらの工事に全く関与していなかった。
ところが、これらの工事は豊川工事事務所のために行ったものなので費用を支払うよう音羽開発から要求され、同事務所はヤードの使用を決定。音羽開発と架空の下請け契約を締結するよう建設会社に依頼し、建設会社を通して音羽開発に工事費を支払った。しかも、音羽開発から求められた金額に合わせるために、同事務所は図面を改ざんして掘削の数量を増やし、工事費を調整するなどしていた。
さらに、ヤードの使用とそれに伴う費用負担に関して、豊川工事事務所は音羽開発と協定を締結していなかった。このため、会計検査院が実地検査した2012年7月時点でも、ヤードの使用が困難な状況だったという。これら一連の状況に対して、会計検査院は著しく適正を欠いていると指摘。ヤードの造成工事などにかかった費用の4756万8388円は、不当な支出だとした。
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