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送電線工事:公取委、50社を立ち入り 談合の疑い20121127毎日
東京電力と関西電力が発注する送電線設備工事を巡り、業者が談合を繰り返していた疑いが強まったとして、公正取引委員会は27日、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで関電系の大手電気工事会社「きんでん」(大阪市)など東京や大阪の約50社を立ち入り検査した。談合によって不当に引き上げられた工事代金は電気料金に転嫁されているとみられ、相次ぐ電気料金の値上げの動きに影響を与える可能性がある。
他に立ち入り検査を受けているのは「弘電社」(東京都中央区)、「かんでんエンジニアリング」(大阪市)など。送電線工事の市場規模は東電、関電の管内ともに年間200億円前後という。
関係者によると、電力会社の工事発注は「指名競争見積」という方法で行われる。電力会社は工事請負を希望する業者の技術や経営状況などを事前に審査し、合格した業者をリストに登録。発注する際はリストから複数の社を選んで見積もりを依頼し、原則として最低の金額を提示した業者が受注する。
談合の疑いが持たれている各社は、送電線鉄塔の新規建築や建て替えなどの工事を電力会社から発注されると、話し合って受注する業者を決定。他の業者は受注予定業者よりも高い金額を見積書に記載する方法で、談合を繰り返していた疑いがあるという。
電力料金はコストに利益を上乗せする「総括原価方式」で算出されており、談合によって値上がりした工事代金は電気料金に転嫁されたとみられる。東電は9月、厳しいコスト削減を前提に家庭向け電気料金を平均8.46%引き上げ、関電も今月26日に同11.88%の値上げを申請。九電も27日に申請、北海道、四国、東北各電力も続く見通しだが、談合疑惑の発覚で、電力会社にさらなるコスト削減を求める声が上がるのは必至だ。
電力会社を巡っては、東電や中部電力など電力8社が発注する高圧電線の入札で談合を繰り返したとして、電力ケーブルメーカー3社が10年1月、同法違反で総額約6億円の課徴金納付命令を受けている。【古関俊樹】
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