|
暗きょを防護せずクレーン転倒、九州新幹線不通20121130日経コンストラクション
高架橋を施工中のクレーン車が転倒して架線に接触し、九州新幹線が約6時間にわたって運転を見合わせた問題で、JR九州は11月26日、暗きょに防護処置を施さなかったために、クレーン車が暗きょの上で作業をしていたときに上床版が損壊し、地面が陥没したとする調査結果を発表した。
事故は11月12日に熊本市中央区新町4丁目付近で発生した。熊本県を事業主体としてJR九州が進めている「JR鹿児島本線等連続立体交差事業」(延長約7km)の工事現場だ。施工者のハザマ・熊谷組・吉永産業・佐藤産業JVが、JR鹿児島本線の高架化に向けて、基礎を構築する準備作業を進めていた。
転倒したクレーンと暗きょの断面図
雨水排水用の暗きょの上で90tクローラークレーンを使って支持杭の施工に用いる約1tの鋼管をトラックに積み込もうとしていたところ、車体の重量に耐え切れなかった暗きょの上床版が破損して地面が陥没。バランスを崩して転倒したクレーン車のアームが架線に接触して停電を引き起こし、防音壁も損傷した。
コンクリート製の暗きょは、幅1.56m、深さ1.33mで、地下1.05mに埋設されていた。破損した上床版の厚さは14cmだった。暗きょの上にはクレーン車での作業用に鉄板を敷いていたが、適切な防護処置は施していなかった。JR九州は「現場サイドで防護をしなくても大丈夫だと判断したようだ」としている。
JR九州はクレーン作業を伴う工事箇所の緊急点検を実施。施工者に対する講習会を開くなどして地中埋設物への対処を徹底し、再発防止を図るとしている。
この事故では、運転休止が長時間にわたった結果、新幹線で約1万2800人、在来線で約560人に影響があった。利用者への影響が大きかったことなどから、国土交通省九州運輸局は11月12日付で、JR九州に対して警告文書を出した。
|