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自民圧勝! 国土強靱化、新エコポイント創設へ20121217ケンプラッツ
12月16日に投開票された衆院選で、自民党が過半数を大幅に上回る294議席を獲得。政権を民主党から奪還することが決まった。今後、自民党は公明党との連立政権をつくる。日本の建築・土木政策はどう変わるのか。衆院選で自民党が示した総合政策集から読み解く。
自民党が第一に掲げる政策は「復興と防災」。つまり公共事業の拡大だ。事前防災・減災の考え方に基づいて避難路を整備したり、老朽化する道路などのインフラを更新したりする「国土強靱化」を進める。
6月に国会に提出した国土強靱化基本法案では、今後10年間に200兆円を投じる計画を示した。ただし、衆院選の政権公約には金額を明記しなかった。
焦点は財源の確保だ。安倍晋三総裁は衆院選の街頭演説などで、建設国債を発行して財源を賄う考えを示している。また、8月に成立した消費増税法案には、増税で生まれた余裕分を防災などに当てることを認める付則を設けている。
どの政党も、防災対策や老朽化するインフラの維持・更新は必要だとしている。しかし、そのために建設国債を発行したり、消費増税分を当てたりといった財源については合意できていない。自民・公明党は衆院では3分の2を超える議席を獲得したが、参院では両党合わせても過半数に満たない。国土強靱化の事業規模がどの程度になるかは不透明だ。
政権発足後すぐに緊急経済対策
経済政策としてまず、新政権発足後に「第1弾緊急経済対策」を実施する。本格的大型補正予算と2013年度予算とを合わせて、切れ目のない経済対策を実行する考えだ。
このほかの政策として、企業のBCP(事業継続計画)の作成を支援する。さらに、民主党政権が実施した住宅エコポイント制度を拡大し、「緑化版エコポイント制度」や「国産材利用エコポイント制度」を創設するとうたっている。
緑化版エコポイント制度は、民有地の敷地や屋上、壁面を緑化する場合、植栽する樹木の種類や樹齢、樹形などに応じてエコポイントを付与するもの。植栽後に、緑化の割合に応じて毎年、ポイントを付与したり、電気料金などの公共料金をポイント分、減免したりする。
国産材利用エコポイント制度は、国産の木材や瓦、イ草などの使用を促し、和風住宅の普及を図るもの。総合政策集では、ポイントの付与や活用の方法について具体的には書かれていない。また、木造建築基準を見直し、国産材の利用を積極的に促進するとしている。
自民党が掲げる主要政策のうち、建築や土木に関連するものを総合政策集から抜粋して以下に掲載する。なお、文意を変えない程度に用語をケンプラッツの表記に直したり、キーワードを赤字で示したりした。
震災復興と国土強靱化を推進
復興加速
•必要な事業費を財源の制約の名のもとに抑制することなく、国が責任を持って確保する。
•行政経験者を積極的に採用できる仕組みや支援要員などを受け入れる環境の整備、人的支援全体をコーディネートするセクションの設置などについて、国が責任を持って各自治体の対応力を強化するとともに、広域連携の機能的な枠組み作りを進める。
•復興庁の機能を強化するとともに、迅速な復興の推進に資するように復興局や支所の役割を一層明確化しつつ、被災地に寄り添うかたちに復興庁の体制を抜本的に強化する。
•復興交付金の柔軟な運用を図るとともに、必要な復興交付金を確保する。
•ガレキ処理の方策を抜本的に強化し、その早期完了を目指す。
•寸断された道路、鉄道、防潮堤、河川堤防、さらには医療関係施設および社会福祉施設、農地、漁港などの生活インフラなどの整備、下水汚泥処理の体制の構築などを迅速に行う。
•除染の目標値を明らかにし、1兆円近い予算を計上した除染が着実に実施され得る体制を講じる。海底土の除染にも万全を期す。
•東北全体の復興を目指し、広域防災拠点や先端医療拠点の整備、世界のフロントランナーとなる防災研究、エネルギー研究などを国家プロジェクトとして推進する。
国土強靱化
•首都直下地震や東海・東南海・南海地震などに備えるため、事前防災、減災の考え方に基づく「国土強靭化基本法案」「南海トラフ巨大地震対策特別措置法案」「首都直下地震対策特別措置法案」を速やかに成立させ、早急に(今後10 年間)避難路・津波避難施設や救援体制の整備等の減災対策を強力に推進する。特に、今後3年間は集中的な取り組みを展開する。
首都機能などの維持・強化および分散を図るとともに、日本海国土軸など多軸型国土の形成と物流ネットワークの複線化を進め、国土全体の強靭化を図る。さらに、国土強靭化の取り組みを地域経済の中長期的発展の呼び水とするとともに、雇用を創出する。
今後急速に老朽化する橋梁などの道路施設、港湾、河川管理施設、下水道等を計画的に更新し、安全と安心の確保を促進して国民の生命と財産を守る。
国の出先機関の特定広域連合への移管には反対し、出先機関の広域災害対応力の一層の強化を図るとともに、国と地方のあり方と道州制の議論を整理する。
•公共交通インフラなどをはじめ、住宅・建築物の耐震化や密集市街地の解消、広域的な基幹ネットワークの整備・複線化、津波・高潮対策のための避難路・津波避難施設の整備を進める。
ゲリラ豪雨などの集中豪雨に対応するため、河川堤防の整備やダムを活用した治水機能の強化、下水道による都市の浸水対策を緊急的に推進し、特に事業中のダムやスーパー堤防は地元の意見を踏まえながら建設の促進を図る。
市町村に除雪費を臨時に補助する制度を活用するとともに、地域の孤立化を防ぐ緊急防災公共事業を推進する。
基幹的広域防災拠点の整備および運用体制の構築や地震監視機能の強化、緊急地震速報や土砂災害警戒情報の提供など、災害に強いまちづくりを推進するため総合的な対策を推進する。
自転車専用道を整備するなど自転車利用者や歩行者の安全な環境を確保し、環境と健康に配慮した、すべての国民に優しいまちづくり、歩いて暮らせるコンパクトシティーづくりを進める。
事前防災制度の考え方を確立し、まちぐるみで高台移転などの必要がある地域に対して、移転補償費を含み、段階的なまちづくりが可能となる支援制度、税制を創設する。
•大都市の機能(政府機能含む)を守るため、通信ネットワークの確保、帰宅困難者対策、木造住宅密集地域における不燃化・耐震化、コンビナート対策、液状化対策、老朽化した上下水道対策を進めるとともに、ゲリラ豪雨に備えて河川を改修し、地下調節池を整備するとともに排水施設の効果的な整備を進める。
八ッ場ダムを完成させ、沿川地域の洪水被害を防ぐとともに、首都圏の水需要に対応する。
•高速道路のミッシングリンクの解消や4車線化など、国民に約束した国の基幹ネットワークを含む全国の道路網の整備を促進する。高速道路料金については、受益者負担の原則を堅持する。
「命の道」や生活道路・通学路の安全対策など、地域生活に不可欠な道路等については、B/C(費用便益比)にとらわれることなく、積極的に整備を進める。道路は、国民の貴重な資産であり、的確に維持更新する。
•日常的に災害時復旧の優先順位や各インフラの相互依存性の分析などの情報を共有しておく必要がある。積極的に予算投入をして社会の重要インフラ防御体制を整備する。
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