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東京都知事に猪瀬直樹氏/石原路線継承しハード施策推進/木密地域の不燃化加速20121218建設工業
16日の東京都知事選で、前都副知事の猪瀬直樹氏が初当選した。当選確定後の記者会見で猪瀬氏は、石原慎太郎前知事の政策を継承して都政運営に臨む方針をあらためて表明。20年夏季五輪の招致と、築地中央卸売市場の豊洲地区への移転計画を引き続き推進する方針を示した。木造住宅密集(木密)地域の不燃化や、民間資金を活用した発電所の新設・更新にも力を入れる考えを表明した。こうした猪瀬氏の都政運営に建設業界も協力する方針だ。
会見で猪瀬氏は、「日本の心臓部にある東京がさまざまな施策を展開して先進的なモデルを作り、縦割りの官僚制度で硬直した国を変えていきたい」と意欲をみせた。猪瀬氏が公約で掲げた主なハード面の政策は、副知事時代に事業の立ち上げから携わり、国に一石を投じたものが多い。東京湾岸にある老朽火力発電所の更新に向けては、都が国内で初めて設けた官民連携インフラファンドを活用。このスキームの導入は公共施設整備で資金調達の拡大を目指す政府の検討課題にも挙がっている。
エネルギー関係の新たな施策としては、ファンドをつくって島しょ部に太陽光や風力などの自然エネルギー発電所を新設する方針も打ち出した。具体策として、三宅島に大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設する構想を明らかにした。首都直下地震に備えた住宅や老朽インフラの耐震化・更新にも力を入れる。最優先で取り組むのが木密地域の不燃化。13年度から特定地区で建て替え負担を減らす新制度「不燃化特区」を活用して事業のスピードアップを図る。首都高速などの道路や上下水道などの老朽インフラの更新も重要課題との認識を表明。公共事業では新設より維持更新に財源を集中投資すべきだとの考えも示した。
一方、都庁内では猪瀬知事の誕生に期待と不安の声が入り交じっている。インフラ整備を担当する局では「石原都政とほぼ変わらず公共事業に力を入れて取り組むだろう」と期待する声が多い。ただ、庁内全体の政策統括を担当する知事本局のある課長級職員は「心配なのは議会とどううまく付き合うか。本人や側近が根回しが上手とは思えない。13年度予算の承認をめぐりを集中審議する(来年2月の)予算特別委員会が最初のヤマ場になるだろう」との見方を示した。
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