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東証なぜ波乱 ヘッジファンド売りで調整局面20130531産経
先週23日から続く東京金融市場の波乱が1週間を迎えた。30日の700円を超える大幅安を主導したのは、ヘッジファンドと呼ばれる海外投資家の売り圧力とみられ、日本株への投資熱が以前よりも冷めた印象は拭えない。しかし、昨年秋以降、日本株の急ピッチな上昇のきっかけとなった安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」を実現する成長戦略の策定はこれから本格化する。市場では、賞味期限切れによる見限りではなく「海外経済の不安による調整局面」との見方が有力だ。
「また、ヘッジファンドの売りが出た」。市場関係者はため息をついた。外資系金融機関を通じた大口の売り注文が殺到したという。ヘッジファンドなど昨秋から日本株を買ってきた海外投資家の買い越し額は10兆円近くになっていた。23日は中国の経済統計の悪化が手掛かりとなり売り一色になったが、30日も米金融緩和の縮小観測という海外経済情勢が材料となった。同日、東京証券取引所が発表した先週の部門別売買動向によると、海外投資家は3週ぶりに売り越しに転じた。海外投資家の買い越し額のうち、6兆円程度がヘッジファンドとみられており、今後も利益確定のための売りが続く可能性はある。
値動きを大きくさせた原因のひとつに挙げられているのは、コンピューターによる自動売買だ。1千分の1秒単位で売買を繰り返して利ざやを狙う欧米企業の高速取引で、「一定の株価変動で割安になった銘柄を自動的に売り買いするプログラムがある」(大手証券)といわれる。30日の急落でも、大きく下落して取引が中断する「ストップ安」となった銘柄は東証1部でなく、一部の業種に売りが偏ったわけではない。
日本株の上昇を主導してきたアベノミクスへの期待はしぼんだのか。野村証券の伊藤高志エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「政策が失敗したのなら失望も出るが、アベノミクスの真価が問われるのはまさにこれから」と、6月にまとめる成長戦略による期待が反転の手掛かりになるとみている。
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