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大成建設とネットワーク・アライアンス/3PL副産物回収に道筋/東京23区内で継続/他社現場、異業種まで拡大視野20161017建設通信
大成建設とネットワーク・アライアンスは、必要性を指摘する声はあったものの、実現には至っていなかった3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)による建設副産物の現場巡回回収システムの構築に道筋を付けた。小規模現場では廃棄されていた段ボールなどを、3PL事業者が大規模現場も含む特定地域の現場を巡回して回収し、再生資源受入業者に運搬する。21カ月の試行期間での実績を踏まえ、東京都23区内の現場で継続的に実施している。今後、他社の現場や異業種で発生する副産物の回収にまで拡大させる展開も視野に入れている。
3PL事業者は、荷主企業に代わって、荷主と配送先の最も効率的な物流戦略を企画立案して提案し、包括的に受託して実行する。製造業と小売業の間での製品運送などいわゆる“動脈物流”では活用例が増えているものの、副産物の回収・運搬という“静脈物流”では広がっていない。
今回、大成建設が構築したのは、同社と中越通運の共同出資物流企業「ネットワーク・アライアンス」を3PL事業者として、23区内の大成建設の現場を巡回して副産物を回収し、受入業者に運搬するシステム。3PL事業者が、受入業者と再生資源の代行回収契約を結び、現場からの副産物の在庫情報を把握しながら、効率的な回収・運搬計画を立てる。運送会社は、普段、現場に資材を搬入する企業を使い、午前中に資材を搬入して荷台が空いたトラックを、午後に副産物が溜まっている現場に向かわせて回収する。
試行期間の対象副産物は、段ボール、硬質プラスチック、軟質プラスチック、金属くず、電線くずの5品目。東京23区内の20現場(新築15カ所、改修工事5カ所)を現場規模や距離などを勘案して複数地域に分け、2014年7月から16年3月まで試行した。回収回数は計419回で、計1062tを回収した。段ボールや硬質プラスチックは圧縮や破砕で減容化して運搬した。従来の各現場が回収業者を呼ぶ方法に比べ、車両台数を約75%程度削減し、車両の延べ走行距離は東京〜大阪間約20往復分を削減、CO2は約14.8t削減した計算になる。
一層効率的な回収・運搬に向け、巡回回収をサポートするICT(情報通信技術)システムの開発にも既に着手済みで、近く東京23区内で試行運用する考え。簡易な減容化技術の開発のほか、同社以外の現場や同種の副産物が発生する異業種も回収対象に含めることも視野に入れている。実施地域も今後、横浜市など現場数の多い地域から拡大したい考え。
一般的に廃棄物や建設副産物の収集運搬は、現場ごとに収集運搬会社と契約している。段ボールなど1現場当たりの発生量が少ない副産物は、再資源化による対価よりも運搬費が高く、廃棄物として取り扱われることが多かった。現場同士の横のつながりも薄く、特定地域でまとめて回収するための統括管理者がいなかったため、地域内での巡回回収が実現しなかった。
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