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国内投資への影響懸念/米大統領選でトランプ氏勝利/ゼネコンら20161111建設通信
【市場活況の可能性に期待も】
米国の大統領選で共和党候補ドナルド・トランプ氏が勝利し、世界経済への影響が懸念される中で、日本の建設関連企業にも今後の動向を注視する姿勢が広がっている。現時点では新政権の体制が不透明であることから経済混乱を不安視する一方で、新大統領の手腕を期待する声も上がっている。
ゼネコンでは、国内景気への影響が読み切れない現状を踏まえ、「状況を注視する」(竹中工務店)との姿勢が広がる。各社とも株安や円高によって日本経済が低迷し、国内の投資マインドが冷えることへの影響を危惧(きぐ)する見方が大半を占める。
今第2四半期決算では、各社とも円高による為替評価替えで海外受注高の減少が目立つ中で、三井住友建設のように「外貨建債権が多く、為替変動で評価損益が大きく動く。大統領選を受け(工事が多い)東南アジアの通貨と円の関係を中心に今後の動向を注視しなければならない」(管理本部)と身構える企業も少なくない。
メキシコで自動車関連の工場建設に携わる前田建設では「もしメキシコから米国への輸出に何らかの制約が課せられれば、現地の旺盛な投資が減退し、現地事業の将来成長が見込みにくくなる」可能性を危惧する。
戸田建設の今井雅則社長は「わが国の経済環境にも影響が出るだろうが、変化はチャンスでもある。変化の中で実体経済の重要性が高まり、ものづくり産業である建設業にとってプラスとなる展開を期待したい」と、前向きにとらえる見方もある。
建設コンサルタントからは「不透明感はぬぐいきれない」(日本工営)、「予想がつかない」(建設技術研究所)と先行きへの不安感を示し、防衛関係でわが国への負担増を求めた場合の国内公共事業予算への影響に懸念を示す声が相次ぐ。パシフィックコンサルタンツは「新大統領がどういった政策を取るか静観したい」としつつ、「雇用と景気浮揚のために国内投資を加速するとみられる。もともとインフラ整備で国土を強化しており、基本的な路線は変わらないと考えている。むしろ市場は活況となる可能性もある」と期待を示す。
米国経済の影響を強く受けるキャタピラージャパンは「勝利宣言時にもインフラ投資について明言しているため、安心はしている」とし、日立建機も「トランプ氏のリーダーシップのもと、米国経済の回復基調が引き続き堅調に推移することを期待している」と前向きだ。ただし「自由貿易に対する保守主義が懸念材料であり、今後の動向を注視したい」(キャタピラージャパン)との貿易面を不安要素に挙げる企業もある。
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