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戸田建設/担い手確保へ「みらい基金」/16年度助成対象の募集開始20161128建設通信



 戸田建設が出資し、10月3日に設立した「一般財団法人 戸田みらい基金」(今井雅則理事長)の活動が25日、評議員会・理事会開催と今年度助成事業募集の開始によって本格的にスタートした。戸田みらい基金は、専門工事業や団体、女性技能者個人などを対象に、建設産業界で大きな課題となっている将来の担い手育成・確保を目的に、返済不要の給付金を助成するもの。今後3年をめどに、公益財団化を目指す。個別企業が担い手不足という産業全体の課題について基金の枠組みで支援するのは極めて異例だ。

 基金の理事長を務める今井戸田建設社長は、25日に開いた基金活動に関する会見で「当社協力会組織(利友会)加盟企業以外の企業含め産業全体の発展が目的。社会貢献の一環で(基金設立を)きっかけに業界全体に広がってほしい」と若手・女性技能者や外国人技能実習生受け入れなどの助成を通じて、将来の担い手育成・確保の取り組みが着実に進むことに強い期待感を示した。

 専門工事業の技能労働者(職人)確保・育成については、既に大手・準大手ゼネコンなど元請け各社が協力会組織加盟企業に対して、職人確保や資格取得など含めた育成支援に乗り出している。また、建設業振興基金など関係機関や業界団体も離職防止も含めた支援を開始していた。

 今回、戸田建設が設立した戸田みらい基金は、個別企業が行ってきた協力会加盟企業を重点的に支援する枠組みではなく、利友会以外も含めた専門工事業全体や職種別団体など支援対象を拡大して継続的に活動を行うのが特長。

 活動初年度の今年度は、12月28日を期限に、「若手技能者の採用・育成・資格取得に向けた活動」をテーマに助成事業の募集を開始した。1件当たりの上限額は100万円で、初年度助成金は500万円、次年度以降は最大で2000万円程度の助成を予定している。

 来年度からは、女性技能者の継続就労支援のため保育費用など個人に対して助成するほか、外国人技能実習生の初年度受け入れ費用や現地視察費用などを専門工事会社に助成する予定。

〈戸田みらい基金・概要〉
▽理事長=今井雅則戸田建設社長▽理事=遠藤和彦向井建設社長▽同=小野邦久東日本建設業保証相談役▽同=蟹澤宏剛芝浦工大教授
 ▽設立時出資金=4000万円
 ▽所在地=戸田建設本社内
■戸田みらい基金 主な助成事業
(1)若手技能者の採用・育成および資格取得にかかる助成事業
 複合工(多能工)育成プログラムや工業高校生のインターンシップなど、若手の採用・育成・資格取得に効果的かつ先駆性のある活動費用の全額または一部。助成対象は専門工事会社・団体
(2)女性技能者の継続就労に係る助成事業
 子女の認可外保育施設などへの預け入れにかかる費用の一部補助。対象は個人
(3)外国人技能実習生の受け入れにかかる助成事業
 受け入れにかかる諸費用の一部を補助

技術基準を総点検/公共建築発注者の役割再整理自治体への支援強化/国交省20161128建設通信

 国土交通省は、地方自治体など公共建築の発注者に、発注者として果たすべき役割と、その役割を適切に果たすための方策を示す。調査・企画から設計、工事に至るまでの過程で発注者に求められる役割を整理。マンパワー不足などを背景に、その役割を果たすことが難しい市町村など自治体に対する支援に取り組む。実施すべき施策として、技術基準の総点検と必要に応じた改定を打ち出す。

 官房官庁営繕部は、25日の社会資本整備審議会・建築分科会「官公庁施設部会」(部会長・大森文彦東洋大教授、弁護士)に、公共建築工事の発注者が果たすべき役割や、その役割を果たすための方策を盛り込んだ答申(素案)を提示した。

 国の各省庁や都道府県、市町村など、発注者によって人員を含めた体制や技術力にばらつきがある中で、これまで必ずしも十分に整理されていなかった発注者の役割を再整理。発注者のあるべき姿を示すことで、自治体など公共建築の発注者が「適正な予定価格の設定」「適切な工期の設定」「適切な設計変更」など公共工事品質確保促進法(品確法)に規定する発注者の責務を確実に果たしていける環境を築く。

 発注者は設計者や施工者との契約で、そのベースとなる「発注条件」を決定する権限を持つ。事業部局が作成した計画や予算措置の内容に沿って、諸条件の整理(調整)や発注条件のとりまとめを行う発注部局(営繕部局)は、調査・企画の段階から施設管理者(事業部局)や施設利用者、周辺住民、政策的な要請といった多様なニーズを「発注条件」として適切に落とし込んでいく必要がある。

 品質、工期、コストのバランスをとりながら、事業の目的や関係者の要求を満たす「発注条件」を練り上げる能力は公共建築発注者に求められる根幹的な役割の1つ。設計者や施工者の選定と合わせて、発注者の果たすべき普遍的な役割として答申に盛り込む。

 その役割を適切に果たすための方策として示すのが、事業実施のベースとなる技術基準の整備・活用や民間企業を含む外部機関の活用など。実施すべき施策として、技術基準の総点検と改定を行う一方、体制が脆弱(ぜいじゃく)な自治体であっても、その技術基準を使いこなせるように概要やポイントの明示、よくある質問(FAQ)の作成・共有化を進める。

 情報提供の手段として専用のポータルサイトを開設。答申とは別枠で「発注者の役割」に関する解説資料や発注者の業務内容である設計者選定方式の運用に当たっての留意事項、新築や改修など工事内容に応じた発注条件の設定項目、合築やコンバージョンなどの参考事例、発注者支援として活用できる外部機関に関する情報の提供を行う。

 12月16日に開く次回の会合で答申をまとめる見通し。

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