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国交省予算案/4分野に重点配分/安全確保、成長力強化など20161220建設通信

(2016年12月20日1面)




 政府が22日に閣議決定する2017年度予算案のうち、国土交通省と農林水産省関係の概要が19日、明らかになった。このうち国交省関係は安全・安心の確保や生産性向上による成長力強化などの4分野に予算を重点化し、地域での総合的な防災・減災対策、インフラ長寿命化計画を踏まえた老朽化対策などの取り組みを支援する防災・安全交付金に1兆1057億円を計上するほか、社会資本整備総合交付金に8940億円を充てる。建設業や運輸業など同省所管産業の人材確保・育成と物流の生産性向上には34億円を計上する。i−Construction(アイ・コンストラクション)の推進には3億円を配分し、ICT(情報通信技術)に対応できる人材の育成や自治体・中小建設企業への普及加速、維持管理・更新や災害対応など土工以外への導入・拡大に取り組む。

 「被災地の復旧・復興」関係は、東日本大震災被災地の復旧・復興のうちインフラ整備に2833億円を充てる。熊本地震や鳥取地震、相次いだ台風による豪雨からの復旧・復興にも取り組む。

 「安全・安心」関係では、南海トラフ巨大地震・首都直下地震対策に1622億円を配分し、施設の耐震化といった予防的対策などを進める。災害時の人流・物流の確保では、陸上・海上輸送ルートの整備などに取り組むため4517億円を充てる。インフラ老朽化対策は、戦略的な維持管理・更新に4249億円、インフラ用ロボット開発・導入に6000万円を計上する。このほか、密集市街地対策や住宅・建築物の耐震化180億円、戦略的海上保安体制構築548億円なども計上する。

 「生産性向上」関係は、三大都市圏環状道路整備など効率的物流ネットワーク強化に2529億円、都市の国際競争力強化に94億円、首都圏空港などの機能強化に154億円、地方空港・地方航空のネットワーク活性化に415億円、整備新幹線整備に755億円、鉄道ネットワーク充実に188億円、国際コンテナ戦略港湾の機能強化に841億円、地域の基幹産業競争力強化に向けた港湾整備に113億円などをそれぞれ充てる。

 また、民間ビジネス拡大には、PPP・PFI推進277億円、不動産取引・投資環境整備107億円、インフラシステム輸出戦略推進37億円などを計上するとともに、建設業など所管産業の人材確保・育成やi−Con推進などに必要な経費を盛り込む。

 「地域活性化と豊かな暮らしの実現」関係では、コンパクトシティー施策に166億円、地域公共交通ネットワーク再構築に245億円、空き家対策と既存住宅流通・リフォーム市場活性化に80億円、省エネ・住宅・建築物普及に223億円、景観を生かしたまちづくりに339億円、バリアフリー・ユニバーサルデザイン化に27億円などをそれぞれ計上する。

監督・検査にICT/負担軽減、不正行為を抑止/国交省20161220建設通信

【17年度から試行開始】
 国土交通省は、直轄における監督・検査の改善に乗り出す。落橋防止装置の溶接不良や地盤改良工事における施工不良といった近年の不正事案への対応と、監督行為の効率化を目的にした措置。不正行為の抑止と効率化を両立させる監督方法として、ICT(情報通信技術)の導入を図る方針だ。2017年度から用いる技術や機器の信頼性を検証する試行工事の実施に踏み出す。

 19日の「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」で今後の取り組み方針を明らかにした。

 取り組みの柱として示すのは、確認作業の合理化・効率化を図ることができる「ICTの導入」や、確認頻度の軽減につながる「非破壊試験の活用」、不正行為の抑止に効果的とみられる「抜き打ち確認」の実施など。

 特にICTの導入は、確認作業の効率化と不正行為の抑制という両面で、その効果が高い。例えば、自動計測システムによって施工データを自動的に保存しておけば、段階確認(臨場確認)の頻度を軽減することができる。施工データの自動保存によって人的な介在をなくすことができれば、不正行為の抑止にもつながるとみている。

 ボックスカルバートやRC橋脚、PC上部工といったコンクリート構造物への活用など近年、より広範囲かつ詳細に不可視部分(強度や配筋状況)を確認できる状況が整いつつある非破壊試験も有効策の1つに設定。電磁波レーダー法など配筋の状態を外から確認できる非破壊試験を活用することで、施工中における段階確認の頻度を軽減する。使用する技術の精度や汎用性の確認を前提に今後、適用する対象工種を選定。17年度から試行を開始する。

 一方、不正があった落橋防止装置の溶接や地盤改良工事における薬液注入を対象に抜き打ち確認も実施。受注者への事前通告なしで行う抜き打ちでの確認は、性善説に立つ現在の監督・検査の壁を打破するだけでなく、受注者の緊張感を保つなど、副次的な効果も期待できそうだ。

 受注者から提出される書類の確認や現場での立ち会いによって行う監督行為や検査行為は、工事目的物である構造物の品質を確保する上で欠かすことができない。しかし、監督職員の担当する業務は、監督・検査ということ以上に地元との協議や設計変更に関する調整業務といった、いわば対外的な協議・調整が大半を占めているのが実態。その負担の大きさからも確認の項目や頻度を増やすことは現実的に困難とされていた。

 これまでも監督職員の監督行為を補助する「監督支援業務」の導入によって、負担の軽減を図ってきたが、近年の不正事案の発生などを背景に監督行為の一層の充実が必要と判断。信頼性の担保を前提に監督方法の見直しに踏み切ることになる。

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