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キャリアアップシステム/運営主体は振興基金/システム開発 年明け着手/国交省20161222建設通信
技能労働者の経験や技能といった本人情報を業界統一のルールで登録・蓄積する「建設キャリアアップシステム」が実現化へ踏み出す。取り組みを先導してきた官民コンソーシアムは、システムの運営主体(発注主体)を建設業振興基金(内田俊一理事長)に決定した。システムのスペックを示す要件定義書とシステム開発業務の発注に必要となる調達仕様書を固めた。年明けからいよいよシステム開発が動き出すことになる。
国土交通省は21日に「建設キャリアアップシステムの構築に向けた官民コンソーシアム」(座長・野城智也東大生産技術研究所教授)を開催。目的である技能者の処遇の改善へ、システムが持つ公共的な性格やこれまで建設産業の振興に力を注いできた実績などから、求められる条件を満たす基金を運営主体として正式に決定した。
合わせてシステム本体のスペックを示す要件定義書と、実際に業務を発注する際の調達仕様書も決定。システム開発の要件が固まったことで、年明け以降に運営主体である基金を中心に本格的なシステム開発に着手することになる。
技能者にとっての“インフラ”となる建設キャリアアップシステムの構築へ、その取り組みが大きく前進したことで今後の運営体制も変更する。これまで取り組みを主導してきた官民コンソーシアムは、ユーザーである建設業団体などを主体とする「建設キャリアアップシステム運営協議会(仮称)」へと移行する見通しだ。
運営方針などを決定するこの運営協議会の事務局は国交省と運営主体である基金が担当。官民コンソーシアムでの検討の中核を担ってきた学識経験者はアドバイザーという立場から協議会への助言を行う。運営に関する実務を担っていく基金は内部に運営室(仮称)を立ち上げる見込み。
今後のスケジュールによると、年明け1月から調達仕様書に示す「本体開発・運用保守・関連業務調整支援業務および入退場管理システム・安全管理システム・就業履歴登録システム連携認定業務」「就業履歴登録機能開発業務」「コールセンター・ヘルプデスク対応業務」「申請・受付業務」「カード発行・送付業務」というアウトソーシングする5業務の調達に着手。来秋の運用開始へ、 システム本体の開発などを進める。
並行してシステムへの登録手続きや利用方法の周知を行う説明会を継続して開催。夏ごろをめどに行うテスト運用のタイミングに合わせて、システムへの登録申請の受け付けに関する準備を整えていく方針だ。
システムは、技能者(事業者)の申請に基づいて登録される保有スキルや経験あるいは社会保険の加入状況といった技能者情報に、元請企業によるプロジェクト名称や工事内容といった現場情報の登録と、配布されるカードを用いて行う就業履歴情報(技能者の入場管理)をひも付けることで職歴が蓄積されていく仕組み。システムを利用する事業者は登録料(5年間)と利用料の負担が必要となる。
基本的に技能者本人と所属する事業者は技能者情報の閲覧が可能。他の建設事業者は技能者本人や所属事業者が同意した範囲に限定して技能者情報を閲覧できる形だ。技能者に付与されるカードの発行手数料は3000円程度。有効期間は10年とする。
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