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時流自流/JIA会長・六鹿正治氏/資質向上でICT活用へ20160627建設工業
◇ARCASIA大会招致に全力
日本建築家協会(JIA)の会長に、24日の通常総会後の理事会で六鹿正治氏(日本設計取締役会長)が就任した。六鹿新会長は、建築家が社会的責任を果たすための職能開発、資質向上を後押しするICT(情報通信技術)システムの活用推進、建築家の国際展開につながる「ARCASIA(アジア建築家評議会)」大会の日本招致に力を入れると表明。公共工事で採用が増えつつあるデザインビルド(DB)方式に対しては他団体と連携し、「傍観せず動きをつくる」と意気込みを語る。
−−組織をどう活性化する。
「若手会員の増強、活動の活発化、情報の『見える化』が取り組みの3本柱と考えている。高齢化が進めば会員は減る。まずは若い会員を増やすことが重要だ。一人のアクティブな会員に、自らの周りで有望な若手を会員に誘うよう働き掛けてもらう。質も問われる。質とは活動を指す。JIAはそれぞれの思いを持ち、自主的に活動できる団体だ。皆が活動にコミットしようと訴える。もう一つは常に組織の効率と効果をできる限り考えることが重要だ。委員会や研究会の内容、地域間での活動などの情報と情報をつなぐ情報の見える化も推進する」
−−情報の見える化での具体的な動きは。
「昨年からアクションプラン特別委員会で議論しているが、CPD(継続教育)をきちんとネットワーク上で行うシステムができているため、コンテンツの充実を図りたい。例えば、さまざまな組織や会社で行っている社内教育のセミナーやレクチャーの映像を一部提供してもらい、CPDのシステムに載せる。最新の法規、技術情報を常にアップデートすることこそが、建築家が社会での責任を果たすことになる。最新の法規、技術情報、倫理など有効なものを少しずつオープンに提供できればいい。より良くするため、できることは実現したい」
−−国際交流の取り組みは。
「現在、アジア18カ国の建築家団体で組織する『ARCASIA』の2018年大会の日本招致の活動を展開している。来月にARCASIAの事務局に計画書を送付し、9月に香港で行われるARCASIA大会で招致の成否が決まる。成功すれば、11年の『UIA(国際建築家連合)』の日本大会と同様に、建築5団体で協力してアジアの建築家を受け入れ、交流していく」
「ARCASIAに参加する各国の建築家団体の活動は力強く、こうしたエネルギーと活力が増しているアジアの建築家の集まりを招致することは、日本にとっても意義がある。各地で活動できるのが建築家という職種であり、ARCASIAの大会招致を通じてローカルを認識すれば世界中で仕事ができる。日本の成長にとって大事なことだ。アジア各国にとっても日本の知見が役に立つと思う」
−−各地で増えつつあるDB方式への対応は。
「DB方式を含む多様な入札・契約方式の考え方については日本建築士会連合会(士会連合会)、日本建築士事務所協会連合会(日事連)との3会で研究会を立ち上げ、問題点を把握しているところだ。意見が一致する部分はしっかりと発信していく。まとまれるところは傍観せずに動きをつくる」。
(ろくしか・まさはる)73年東大大学院修士課程修了、75年米プリンストン大修士課程修了。エーブレス・シュワルツ都市計画事務所、槇総合計画事務所を経て78年日本設計事務所(現日本設計)入社。01年副社長、06年社長、13年から会長。京都市出身、68歳。
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