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鉄筋工 工期を1割削減/機械式鉄筋定着工法の配筋設計指針/技術検討委20160712建設通信
【コンクリート工 生産性革命第1弾/16年度から直轄土木に適用】
日本建設業連合会(中村満義会長)と国土交通省、建設コンサルタンツ協会(長谷川伸一会長)などが設置した「機械式鉄筋定着工法技術検討委員会」(委員長・久田真東北大大学院工学研究科土木工学専攻教授)は8日、コンクリート工の生産性革命の第1弾となる同工法の配筋設計ガイドラインを策定した。同工法が適切に使われるよう、適用範囲を明確化し、用途に応じた設計時の留意点を盛り込んだ。同省は速やかに各地方整備局に通達を出し、2016年度から直轄土木工事の設計にガイドラインを適用する。あわせて各都道府県、政令市にも参考送付し、活用を促す。
機械式鉄筋定着工法は、鉄筋の端部をプレートなどの定着体に代えることで、配筋作業の効率化を図る。両側にフックがついた鉄筋を使う従来工法で必要だった鉄筋結束の手間が省けるほか、鉄筋を「1本もの」にできるため、使用量が削減できるなどの利点がある。検討委員会の調査では、構造物の規模などによって異なるが、同工法の導入により、鉄筋工数、工期とも平均的に1割程度削減できる。
ガイドラインで対象とする工法は、性能に関して公的認証機関による建設技術審査証明を受けたものとし、7月1日現在での対象として6工法を提示している。今後、新たに技術審査証明を取得した工法などを順次追加していく。
機械式鉄筋定着工法の適用範囲は、せん断補強鉄筋を基本とし、横拘束鉄筋への適用も可能としている。せん断補強鉄筋への適用に当たっては、定着体とコンクリートが一体となって働くように確実に定着され、所定のせん断補強効果が得られる工法を選定するよう求めている。
横拘束鉄筋に適用する場合は、構造物、構造物部位に応じて求められる要求性能や前提とすべき構造細目、使用材料の範囲などについて、適用する設計基準を確認することとし、軸力の影響などを考慮した上で、適用を判断することが望ましいとしている。
設計図面作成上の留意点では、定着体の使用位置を図面上に明示することや、形状、寸法の詳細を鉄筋加工図や鋼材表に示すことなどを求めている。
検討委員会は8日、国交省で会見を開き、ガイドラインの内容などを説明した。冒頭、日建連の秋月敏政土木工事技術委員会コンクリート技術部会主査は、「近年の耐震設計の要請により鉄筋の配筋は一層の高密度配筋になっており、施工効率化の阻害要因になっている。 これまでに約2300件の工事で実績があるが、そのほとんどは受注後の変更で導入してきた。 発注時の設計段階から採用されれば、受発注者ともに変更に伴う負担が軽減する。 ガイドラインが現場打ちコンクリート構造物施工の生産性向上に一層寄与できると確信している」と策定の趣旨を説明した。
続いて、国交省の岩崎福久官房技術調査課建設システム管理企画室室長は「国交省はことしを生産性革命元年と位置付けている。ガイドラインを全国展開することでコンクリート工全体の生産性向上を図っていきたい」と述べた。
同委員会の調査(1998−2014年累計)では、機械式鉄筋定着工法の採用工事件数は約2300件。うち、国交省直轄は674件あるが、採用するためには施工承諾が必要で、その手続きが受発注者双方の負担になっていた。今後はガイドラインに基づき、当初設計に同工法を組み込むことで、施工承諾に伴う手続きなどの大幅な軽減も見込んでいる。
■広い活用を期待
宮本洋一日本建設業連合会副会長・土木本部長のコメント 「機械式鉄筋定着工法は、コンクリート工の効率化に有効であることから、日建連は意見交換会の場などで、積極的な採用を提案してきた。今般のガイドラインが公共工事発注者に周知され、同工法が広く活用されることを期待している。久田委員長を始め、取りまとめにご尽力いただいた検討委員会委員各位に感謝の意を表したい。日建連としても4月に決定した『生産性向上推進要綱』に掲げた取り組みを推進し、建設現場の生産性向上に努めたい」
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