|
日建連が意見書/新たな収益認識 実務負担の増大懸念/完成基準の継続を20160708建設通信
日本建設業連合会(中村満義会長)の会計・税制委員会会計部会(部会長・高田佳明大林組経理部長)は7日、企業会計基準委員会(ASBJ)がIFRS(国際会計基準)に現行の日本の会計基準を合わせるため、検討を進めている「新たな収益認識基準」に対する意見の内容を明らかにした。新たな基準では、工事完成基準の取り扱いなど不明確な部分も多く、日本で導入された場合は各企業の実務負担の増大などが予想されるため、建設業への影響を最小限に抑えるよう配慮を求めている。
日本の会計基準は、売上高が企業会計原則に定められる実現主義によって計上されるが、包括的な収益認識基準はない。ASBJは、2014年5月に国際会計基準審議会(IASB)が公表した収益認識基準「顧客との契約から生じる収益」(IFRS第15号)を踏まえ、日本の収益認識に関する包括的な会計基準の開発に向けた検討を進めている。
導入検討に当たっては各業界に意見を求めており、日建連は6項目の質問に対する回答を5月30日に提出した。高田部会長は「総論では賛成だが、そのまま受け入れると混乱を招く部分もある。意見では日本の商習慣などへの配慮を求めている」と説明する。
日建連は、新たな会計基準に対する意見として、「工事契約に関する会計基準」の取り扱いや工事完成基準の継続適用、日本の建設業の取引実態に適合した会計基準の検討の必要性などを要望。新基準の開発で現行の工事契約に関する会計基準が廃止された場合、IFRS第15号では工事進行基準に関する規定が乏しい上に難解なことから「企業などに多大な実務上の負担がかかる」とし、解釈指針の公表による明確化などを求めている。
工事完成基準については、新たな基準開発後も中小建設会社が簡便な会計処理として継続適用できるよう配慮を求めている。
BOT(建設・譲渡・運営)方式のPFI事業を営むSPC(特定目的会社)の施設整備費の売り上げ計上については、IFRS第15号には割賦基準に関する規定がないことから、新基準で割賦基準を採用するSPCが未受領の割賦元本について収益の一括計上を求められた場合、応募時に想定していた長期事業計画と資金計画に大きな差異が生じ、SPCの経営に多大な影響を及ぼすと指摘している。
ASBJは各業界からの意見を踏まえ、当面の目標として18年1月1日以後に開始する事業年度から新基準の適用を目指している。
|