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社整審・官公庁施設部会/発注者の役割明確化/市区町村支援で議論開始20160805建設通信
国土交通省官房官庁営繕部は、地方自治体など公共建築工事の発注者が果たすべき役割を示す考えだ。人口が少ない市町村を中心に、発注者側のマンパワー不足が顕在化する中、その体制面や技術力といった課題への対応策を探る。4日に検討のフィールドとなる社会資本整備審議会・建築分科会「官公庁施設部会」(部会長・大森文彦東洋大教授、弁護士)を開催。本格的な検討をスタートさせた。
論点となるテーマは「公共建築工事の特徴を踏まえた発注者の役割」と「公共建築工事の多様な発注者が役割を果たしていくための方策」の2点。発注者の役割、すなわち発注者の“あるべき姿”を示すことで、市区町村などの自治体が、いかにして発注者としての役割を果たしていくのか、その方策を導き出す。
年内に4回の会合を予定している。「発注者の役割」を中心とするこの日の議論を出発点に、10月上旬をめどに開催する次回の会合から「役割を果たしていくための方策」に関する意見を交わす。11月中旬をめどに答申(素案)、12月中旬をめどに答申をまとめる見通し。
その9割を民間が占めるなど、土木工事よりも民間市場の影響を受けやすい建築工事(建築市場)の特徴を踏まえながら、公共建築の発注者に求められる役割を提示。特に企画・調査・設計・施工に至る一連のプロセスで最重要ポイントとなる「発注条件の明示」を求められる大きな役割の1つとして抽出した。
というのも、公共建築の発注者は、施設管理者(事業部局)や施設利用者、周辺住民、政策的な要請といったニーズを設計・工事の前提である「発注条件」 に置き換えることが求められるからだ。あらゆるニーズを発注条件に“変換”する、 この作業こそが公共建築の発注者に求められる根幹的な役割だとみている。
実際に「品質」「コスト」「工期」という3大要素のバランスをとりながら、適切に事業の進捗を図っていく上で、この発注条件は、いわば事業の前提条件になる。設計や施工といった段階に進んでいくことを想定しても、発注者はこの発注条件によって、設計図書を作成する建築士の能力を引き出す、あるいはこの発注条件が適切に設計や施工に反映されているかを確認する責務がある。
発注者のあるべき姿を示す(求められる役割を明確化する)ことをメーンに、すべての発注者がその役割を果たすための方策を導く。市区町村など、発注の体制が脆弱(ぜいじゃく)な自治体にとっての受け皿となる発注者支援のあり方をあぶり出すことで、結果として公共建築の品質の確保につなげていく。
【マンパワー不足顕在/発注者支援は不可欠】
■社整審・建築分科会「官 公庁施設部会」
石井啓一国交相が6月に社会資本整備審議会に対して「官公庁施設整備における発注者のあり方について」を諮問したことを受けて、その社会資本整備審議会から付託を受けた建築分科会 「官公庁施設部会」をフィールドに検討を進める。
官公庁施設部会が特定のテーマに絞って議論するのは、2012年に答申をまとめた「大津波などを想定した官庁施設の機能確保のあり方」以来、約4年ぶりとなる。
人口が少ない小規模な市町村を中心に、発注者側のマンパワー不足が顕在化している現状が浮き彫りになったことで、その市町村が改正品確法に示す発注者の責務を果たしていくための発注者支援が不可欠と判断した。発注者の役割を明確化する中で、多様な発注者がその役割と責任を果たしていくための現実的な支援方策を探る。
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