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耐震設計の見直し言及/17年7月めどに方向性/土木学会 熊本地震報告会20160909建設通信
【地盤調査、下部構造設置方法も再考】
土木学会の地震工学委員会は8日、仙台市で開いている全国大会の特別セッションとして仙台国際センターで熊本地震報告会を開き=写真、橋梁構造物被害についての現地調査結果と研究成果を報告した。耐震設計・補強の意図と異なる壊れ方や地盤変状による被災も目立ったことから、設計や地盤調査、下部構造設置方法の見直しが必要とした。学会は特別ワーキンググループで被災した橋梁の被害分析を進めており、2017年7月をめどに耐震設計などについて見直しの方向性をまとめる。
報告会の冒頭、澤田純男地震工学委員長は、「マグニチュード7クラスの地震はいつどこで発生してもおかしくない。熊本地震は教訓になる。報告会を今後の対策に生かしてほしい」とあいさつした。続いて川瀧弘之国土交通省東北地方整備局長が「11日で東日本大震災から5年半が経過する。報告成果を全国に発信していきたい」と述べた。
橋梁構造物の被害については、高橋良和地震被害調査小委員会委員長が報告し、橋梁被害の特徴として、熊本県だけでなく大分県でも発生するなど広範囲にわたり、平野部では高架橋の耐震補強未対策部に甚大な被害が出たことなどを挙げた。また、山岳部では兵庫県南部地震以降に改訂された示方書に基づく複数の橋梁でゴム支承の破断や支承からの桁逸脱などの大きな被害が発生している。
耐震設計・補強の課題としては、速やかに機能を回復できなかった橋梁が10数橋あり、ロッキング橋脚を有する特殊橋の落橋が発生したことから、耐震補強の早期実施が必要とした。
ゴム支承の破断や制震ダンパー取付部の破壊など、耐震設計・補強の意図と異なる壊れ方や落橋防止システムの脆性的な破壊についても重要視し、設計の見直しの必要性について言及した。また、地震動に加えて地盤変状による被災も目立ったことから、地盤調査や下部構造設置方法の見直しも必要との考えを示した。
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