社会人(建設業社員)としての基礎知識

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大成建設/男性の育休取得100%へ/「5日間は有給」に制度拡充/3ヵ月で13人取得20160927建設通信

 大成建設は、男性社員の育児休暇取得率100%を目指す方針を打ち出した。取得促進に向け、7月から育児休業期間中の5日間を「有給」扱いとするよう制度を拡充。従来、男性の育休取得者数が年間数人程度だったが、制度開始以降、約3カ月で13人が取得した。男性の育休取得率100%の目標は「ゼネコンでは初めてだろう」(管理本部人事部)としている。

 同社の育児休業制度では、配偶者の出産から2年間の間に男女ともに育児休業を取得できるようにしていた。ただ、男性の取得者が年間数人程度で、一般企業に比べて取得率が低かった。男性社員にヒアリングしたところ、職場への気づかいと並んで、無給(法律上の育児休業給付金あり)の点が育休取得のハードルとなっていることが分かった。

 そこで、7月1日から、子どもが2歳までの間に取得できる育休のうち、5日間は通常の有給休暇と同様、給与・賞与・退職金を支給するよう制度を拡充した。平日5日間を有給の育休として土日と合わせれば、最大で9日間を有給休暇と同等の条件で育児休業を取得できる。対象期間は、育休取得期間中の1回限り連続5日間。

 同社では、昨秋から育児中の男性社員向けの社内報も作成して、45歳以下の男性社員とその上司に子育ての重要性や取得状況などを定期的に知らせ、男性の育休取得を促している。制度拡充と社内広報を進め、男性社員の育休取得100%を目指す。7月以降、3カ月で13人が新制度を活用し、第1号の取得者は、現場の技術者だった。塩入徹弥管理本部人事部部長兼人材いきいき推進室長は「できるだけ早期に目標を達成したい」としている。

 同社は、女性活躍推進法などに基づく「くるみん認定」をこれまでに4度取得しており、今回の行動計画にも新制度の導入と目標を掲げ、既に申請済みで、5度目の認定を目指している。

 塩入部長は、「事前のアンケートなどで、有給育休制度の必要性を感じた。(無給という)ハードルを下げて、男性が育休を取得する1つのきっかけになれば」と制度拡充の意図を説明し、「まずは取得してもらい、(育休期間中に)育児における男性の役割を認識し、なるべく早く帰宅するなど育休後の働き方の見直しにつなげてほしい」と、残業の削減や職場環境の改善に発展することを期待している。

発注者責任懇/自治体支援、連携強化/情報共有でレベルアップ/国交省20160927建設通信

 国土交通省は、市町村などの各公共発注者が、公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)に基づく発注関係事務の共通ルール「運用指針」に沿った適切な発注関係事務に取り組むための環境整備として、発注者間の連携や自治体支援の強化に乗り出す。意欲的な自治体のレベルアップと、すべての自治体のボトムアップの両面から対策に取り組む方針だ。

 26日の「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」に取り組みの方策を提示した。特に重点的に連携・支援する項目として「適正な予定価格の設定(積算能力の確保・向上)」「適切な設計変更」「施工時期等の平準化」の3点を設定している。

 ベストプラクティスの共有(関心の高い自治体のさらなるレベルアップ)として、東北地方発注者協議会が2013年11月から行っている国、県、市町村などの発注見通しを統合して公表する取り組み(発注見通しとりまとめ版)や、近畿ブロック発注者協議会などが行っている基準類の標準化への取り組み(アンケート調査で実態や課題を把握する取り組み)などを紹介。

 受注する建設企業にとって、技術者の配置計画や労務、資材の手配に役立つ発注見通しの統合は、発注者にとっても計画的な発注や不調・不落の回避、平準化の推進にもつながることから、他の地域への拡大が必要とみる。

 一方、近畿ブロック発注者協議会による調査結果によると、実に7割もの自治体が国の基準を「標準化・共有化したい、またはしていくべき」と回答。このニーズの大きさを踏まえれば、標準化に向けた情報共有や連携への支援に取り組む必要があると判断した。

 これにそれぞれの自治体が相対的な“立ち位置”を把握することができる全国統一の「指標」を使って、各発注者に改善への意識を喚起し、すべての自治体のボトムアップにつなげる。

 指標は、受発注者の双方にとって重点的な取り組みが求められる、最新の積算基準の適用状況や単価の更新頻度などをみる「適正な予定価格の設定」、設計変更ガイドラインの策定・活用状況や設計変更の実施率をみる「適切な設計変更」、閑散期となることが多い4−6月の平均稼働件数・金額を年度の平均稼働件数・金額で除すことで“平準化率”を導き出す「施工時期等の平準化」の3項目(5指標)で構成。

 既に各地域発注者協議会に指標(案)として情報を提供済みとなっている。現在、この指標(案)に対する各発注者協議会からの意見が寄せられている段階にある。今後、この指標が正式に決定すれば、実施状況や取り組みの熟度といった立ち位置を各発注者が客観的な数値として把握することができる。それを1つの目安に、各発注者が主体的に取り組んでいくことで、全体としての底上げにつなげていくことになる。

監督・検査にICT/体制強化で不正行為抑止/発注者懇で国交省20160927建設通信

 国土交通省は、工事の品質確保を目的に発注者の責務である監督・検査のあり方にメスを入れる。落橋防止装置の溶接不良や地盤改良工事における施工不良といった近年の不正事案の発生を受けた措置。不正行為の抑制につながる方法の1つとして、ICT(情報通信技術)の導入を見据える一方、施工状況(品質の確認)へのより積極的な関与を打ち出すなど、監督・検査の体制強化に踏み出す方針だ。

 26日の「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」に今後の検討の方向性を提示した。

 取り組みの柱として示すのは、確認作業の合理化・効率化を図ることができる「ICTの導入」や、確認頻度の軽減につながる「非破壊試験の活用」、不正行為の抑止に効果的とみられる「抜き打ち確認」の実施など。

 特にICTの導入は、確認作業の効率化と不正行為の抑制に効果があるとみている。例えば、ビデオ撮影によって施工状況を映像として記録・保存しておけば、現場にいなくても不可視部分の施工状況を確認することができる。施工データなどの情報を現場だけでなく、事務所・支社、本社とリアルタイムに共有することができるクラウド管理を組み合わせれば、不正行為の抑止にもつながる。

 コンクリート構造物への活用など近年、より広範囲かつ詳細に不可視部分を確認できる状況が整いつつある非破壊試験も有効策の1つとみている。電磁波レーダー法など配筋の状態を外から確認できる非破壊試験を完成検査に活用することで、施工中における段階確認の頻度を軽減する。使用する技術の精度や汎用性の確認を前提に、コンクリート構造物以外の他工種への拡大も視野に検討を進める方針だ。

 受注者が不正を働かずに施工するという性善説に立つ現在の監督・検査の壁を解消する抜き打ち確認の実施も検討課題の1つに設定。仕様書に定められた段階確認だけでなく、受注者への事前通告なしでの抜き打ち確認は、受注者の緊張感を保つなど、不正行為の抑止に効果があるとみている。

 これらの方法論とは別に、より確実に工事の品質を確保する確認体制の強化も検討課題として提案。焦点となるのは、これまで受注者による確認に高いウエートが置かれてきた品質確認の充実だ。

 具体策として、より発注者の確認頻度を高める発注者の関与の増加、受発注者以外の第三者による確認、受注企業(一般土木Cランク)の約6割以上が取得しているという品質管理マネジメントの認証資格(ISO9001)の活用の3点を提起した。

 発注者の関与を高めていく取り組みは、マンパワーの観点から導入範囲が限定的になってしまう可能性があるが、品質証明員など受発注者以外の第三者による確認や、ISO認証による受注者側における確認の“質”を重視する取り組みは、近年の施工不良や不正事案への対応として、より確実に工事の品質を確認する体制の強化として有効とみている。

 委員からは「(受注者・発注者・第三者の)いずれが検査したとしてもデータを蓄積して残すことが重要。将来、問題になった際にさかのぼって確認できることが不正の抑止につながる」といった意見が出された。

安藤ハザマ/厚幌ダムのCSG打設完了/混合装置導入、8・5カ月で36万立米打設20160926建設工業

 安藤ハザマは23日、北海道厚真町で施工中の国内3例目となる台形CSGダム「厚幌ダム」で、15年6月12日〜16年7月4日(冬期休工15年11月20日〜16年3月14日)の実施工期約8・5カ月という短期間に、約36万立方メートルのCSG打設を完了したと発表した。CSG製造に独自の混合システムを導入し、品質の確保と大量施工を実現。この間の1カ月当たりの堤体打設量は最大7万4000立方メートルに上るという。

 北海道胆振総合振興局が発注した「厚幌ダム建設事業ダム本体工事」で、施工は安藤ハザマ・岩田地崎建設・田中組JVが担当。工期は14年10月8日〜18年3月20日。ダムは堤高47・2メートル、堤頂長516・0メートル、堤体積48・1万立方メートルの規模となる。

 CSGは、現場近くの岩石質材料などにセメントと水を添加して製造する土木構造物の築堤材。台形CSGダムは、コンクリートダムと比べ、簡易な設備と汎用機械での施工が可能なため、省力化や工期短縮、環境保全、コスト縮減などのメリットがあり、採用の増加が見込まれている。

 台形CSGの高速施工には、大量のCSG製造が欠かせない。今回の混合設備は、上部の重力を利用した自由落下式のDKミキサーと下部のDKP−IIミキサ−(2軸強制連続ミキサ−)を組み合わせた。

 上部のDKミキサーは撹拌(かくはん)板を取り付けたミキサーユニットを5段重ねた筒状の装置で、上部からCSG材とセメントを投入する。投入された材料は自由落下しながら撹拌板で混合されるため、電力など動力を必要としない。ドライ混合されたCSG材とセメントはその下部にあるDKP−IIミキサーに落下・投入される。

 DKP−II内に特殊ノズルを設け、ミキサー内に噴霧状に給水することで、所要の品質を満たす均質なCSGの製造を可能にした。混合設備を3セット配置することで、1時間当たり345立方メートルの連続大量混合を実現したという。

 今後は、堤体上部の保護・構造コンクリートの打設や洪水吐き部の天端橋梁の施工を進める。

Tranzax/電子記録債権担保融資、信用保証付与へ調整/金融機関のリスク軽減20160926建設工業

 電子記録債権を担保にした中小・小規模企業向け融資で、信用保証協会による保証を付与する調整が進められている。7月に金融庁の指定を受けて開業したTranzax(東京都港区、小倉隆志社長)が、来春以降の始動を計画している新たな中小企業向けファイナンスに取り入れようとしているもので、現在、同社と中小企業庁、全国信用保証協会連合会の3者で事務的な詰めを行っている。融資スキームに信用保証を組みこむことで、金融機関も低リスクの融資が可能になる。

 同社が来春以降に開始予定の「POファイナンス」は、中小企業が大手企業などから工事請負や製造を受注した段階で電子記録債権を発生させ、金融機関に譲渡。これを担保に融資を受けることを可能にする。

 建設会社がPOファイナンスを利用した場合、受注した工事が前払金のない民間発注の工事であっても、公共工事の前払金のような形で着工の初期段階から必要な資金を調達することができるようになる。
 信用保証協会による公的な保証を受けることができれば、受注額の2分の1程度の資金を初期段階から調達し、残額を完成後に取得することが可能になるとみられる。

 電子記録債権を担保にした中小企業の資金調達をめぐっては、大阪府が11年7月に国に提出した要望書の中で、「金融機関から資金調達を行う際、信用保証協会が保証を行う」ように制度を改めることを求めていた。こうした要望を契機に改正された中小企業信用保険法施行規則では、契約に基づき発生した電子記録債権に限定して保証できる規定が設けられた。

 同社は制度改正を踏まえ、POファイナンスの実施に向けたスキームに信用保証を付与することについて、同ファイナンスの実施を金融庁の認可を受ける作業と並行し、関係者間での調整を進めていくことにした。

 今月6日に地方銀行向けに開いたセミナーでは、参加者のほぼ半数がPOファイナンスに関心を示したという。同社は「信用保証を組みこむことで、地銀にとっても一段と利用しやすい条件が整うことになるだろう」(小倉社長)としている。


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