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働き方改革へ方向性示す/技能者守る環境実現/国交省 建設産業政策会議20170127建設通信
【労働の平準化推進】
人口減少と高齢化を背景に建設産業にとって最重要課題となっている「担い手の確保・育成」と、労働力人口の減少という難題への対応策として求められる産業全体の「生産性の向上」。国土交通省は、この両者を包含した「働き方改革」に向き合う。26日に第3回「建設産業政策会議」(座長・石原邦夫東京海上日動火災保険相談役)を開催。10年後の建設産業が目指すべき「働き方」の方向性を提示した。
製造業など他の産業と比較しても就業者の高齢化が進行している建設産業にとって、担い手の確保(入職者の確保と離職の防止)や、労働力人口の減少をカバーする産業全体の生産性の向上は必須の課題。雇用の安定(正社員としての雇用)や、他産業に見劣りしない賃金水準や休日の確保など、将来の担い手である若年層が持つ“労働観”にフィットした一層の対応が求められていることは言うまでもない。
特に2007年度と比較して、ほとんど変わっていない総労働時間 (07年度が2065時間、15年度が2056時間)や出勤日数(07年度が256日、 15年度が251日)の多さといった現状は、若手を中心に産業に「人」が定着しない要因の1つ。休日の確保(週休2日制の実現)や長時間労働の是正といった“働き方改革” の必要性はデータからも明らかになっている。
10年後を見据えた「働き方改革」への視点となるのが、発注や施工の平準化を軸にした「正社員化・安定雇用の促進」と、今秋の稼働を予定している建設キャリアアップシステムによる「技能労働者の処遇の改善」、建設企業の自助努力によって進める「閑散期における仕事の創出(労働の平準化)」など。
着眼点として、建設企業(元請企業、下請企業)や業界団体、発注者、行政(産業行政)といった生産システムを構成する各プレーヤーが取り組むべきポイントを整理。建設企業(業界団体)に、社員化や月給制、週休2日の実現に向けた自主的な行動計画の作成(業界横断的な共通ルールの作成)を求める一方、発注者の役割として、週休2日を前提にした約款の整備など、受発注者間のルールによって“工期ダンピング”を防ぐ仕組みづくりも検討項目の1つに設定した。
メインのターゲットとなる技能労働者は、現行の建設業法の中で、その位置付けが必ずしも明確になっていない。
委員から「建設業におけるインフラサービスの根幹はものづくり。現場の最前線でものづくりを担う技能者を守る労働環境をどう実現していくかが重要になる」という意見があるように、その対策は必至だ。
実際に「一定の仕事量が確保できていた時代は協力会社やグループというある意味“ウエットな関係”で人材を育成してきた。(建設投資の減少で)その仕組みが崩れたいま、新しい仕組みをどう用意するかが重要」との声も。
繁閑調整を含めた“労働の平準化”として、合法的に職人を融通する厚生労働省の『建設業務労働者就業機会確保事業』も念頭に「(複数の企業が)正規に労働力を融通する仕組みをより生かす時代に入っている」といった意見も出た。
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