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政策会議/地域建設業ワーキンググループ始動/国交省20170214建設通信
【格差解消 窮状打開へ/10年後の将来像探る】
地域インフラの“守り手”として重要な役割を担う「地域建設業」。その維持や安定的な確保は、地域社会を支える意味で欠かすことができない。国土交通省は、13日に建設産業政策会議の「地域建設業ワーキンググループ」(WG、座長・大橋弘東京大学大学院経済学研究科教授)を開催。これからの地域建設業に求められる役割や目指すべき方向性を改めて問い直す、いわば産業政策の根幹とも言える議論がスタートを切った。
経済活動を支えるインフラの整備や維持管理、災害対応など「地域の守り手」である地域建設業が果たすべき役割は大きい。雇用という側面でみれば、地域経済にとっても、その存在は欠かすことができない。
そもそも都市部に比べて建設工事あるいは建設市場に占める公共工事の割合が高い地方部の建設企業は、公共投資の規模や増減に大きく左右される傾向が強い。ここ数年、全体として持ち直しつつある地域建設業の経営状況は、緩やかに増加を続けるなど、堅調な推移を見せる公共投資に支えられている。公共投資の減少が続いていた10年前の状況を振り返れば、その“依存度”の高さは火を見るよりも明らかだ。
しかし、公共投資の減少に歯止めがかかったと言っていい現状であっても、地方の建設業界を中心に、地域間格差を始めとする窮状を訴える声は根強い。i−Construction(アイ・コンストラクション) に代表される建設現場の生産性革命やICT (情報通信技術)化の波に乗り切れない実情も地方業界の不安を大きくしている。
人口減少や高齢化を背景に中長期的にみれば、確実視される国内需要の減少や、新設から維持管理へと大きく軸足を移す建設市場そのものの“質”の変化に業態としてどう対応していくか。地域建設業として、その答えとなる将来像や先行きに明確な展望を描き切れていないことが、その根底にある。
経営体力の弱体化や、後継者難による休廃業の増加といった直面する課題にいかに対応していくか、あるいは建設企業数の減少によってインフラの維持管理や災害対応に支障を来す地域が生まれることに産業政策としてどう手を打っていくか。
10年後の地域建設業のあるべき姿を探る「地域建設業WG」の議論に求められるのは、地域建設業が目指すべき将来像と、その将来像を実現する仕組みや環境整備の方向性ということになる。
経営基盤の強化を図るための企業間連携の取り組みや、メンテナンス時代の到来といった市場の変化にフィットした企業形態・業態のあり方など、産業政策としてどういった答えを導き出すのか、今後の検討に注目が集まる。
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