社会人(建設業社員)としての基礎知識

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ニッコン建設経営通信

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経営計画の作成

**ニッコン e-建設経営通信 【第176号】**

■ Question 

 現在当社では今後3年間の経営計画を作成しています。その中で受注・完工高等の数値目標についてなかなか合意形成ができずに困っています。妥当な目標を設定する方法はあるのでしょうか?

■ Answer 

 「目標はがんばって何とか達成できそうな程度がいい」と言われています。「何とか」を「50%」と言い換えているケースもあります。これほど正しいものでありながら、あいまいな言葉もありません。がんばることも結局は千差万別、「何とか」も「50%」も客観性を持ちえません。しかし、やはり目標の妥当性はこの言葉に尽きるのではないでしょうか。

 数年間の受注目標を決めるために、経済動向や市場環境を調査しても、結局はそれらも不確定要素をはらんだものに過ぎません。営業拠点があれば地域のミクロ経済を考慮しなくてはいけませんが、こちらはマクロ経済よりはるかに変動要素が大きくなります。公共工事が多ければ年度ごとの受注の波があり、目標設定に合理的な根拠を求めることは不可能に近いと言わざるをえません。

 ご質問の場合は、まず経営者が求める経常利益目標から設定してはいかがでしょうか。その上で、それを実現するための受注や完工、粗利益、原価などの各部門で持つべき目標数値をまず機械的に設定してください。ただそれを一方的に各組織に押し付けても、達成のための意欲がそがれるだけですから、組織の代表者と話し合って、目標水準の調整や修正を図ってください。
もちろん、組織間の力関係や代表者の個性によって目標の水準が左右されるリスクはあります。しかし社員の生活水準の維持に必要な目標水準を明らかにしておけば、そのリスクも最小限に抑えられます。

 目標の妥当性を突き詰めすぎても、合意形成が遅れ、向上のための行動を取れなくなるだけです。時間を制限して話し合い、最終的には社長決済で目標を決定してください。そしてその目標達成のために必要な施策・行動を検討することに時間を使ったほうがはるかに有意義です

入札制度改革

**ニッコン e-建設経営通信 【第175号】**

■ Question 

 国土交通省をはじめ主な公共工事発注者が、最近、不落随契の原則廃止を実施してきていますが、不落随契を原則廃止することは、受注者である建設業者側として、なにか影響があるでしょうか。当社の担当者に聞いてもあまりはっきりしません。

■ Answer 

 不落随契の原則廃止の運用徹底は、実際には受注者にとって急速に大きな影響を及ぼしています。そもそも不落随契とは、国の工事であれば予決令99条の2により、入札を実施しても予定価格内での入札者がない場合(この場合を不落といいます)、随意契約で契約の相手を決定することができるという仕組みです。
 そして、通常は予定価格に一番近い入札価格を提示した者、つまり入札者の中ではもっとも安い価格の入札者と、随意契約の協議をしていました。この場合、随意契約が成立するのは、ほとんどが予定価格と同額です(形の上では、入札参加者が入札価格を予定価格までダウンさせたことになります)。
 しかし、平成14年頃には不落随契が全体に占める割合が10%を超えるまでに増加してきました。また、ある公共工事発注者の行った入札において、入札参加者が談合して、意図的に不落随契に持ち込み、予定価格と同額で契約の相手方となっていたことが判明した事例もありました。
 このため、公共工事発注者は、会計法令の規定では、不落の場合は「随契によることができる」と規定されていることから、むしろ、不落の場合は、指名替えや設計図書を変更して再入札などの措置をとることとしたのです。指名替えは従来は全くの例外で、ほとんどが不落随契でしたから、原則と例外を180度ひっくり返したのです。これにより、今後は、不落になると指名替えなどになるため、最初の入札参加者が落札する機会はほとんどなくなってしまいますから、入札参加者にとってはこれまで以上に慎重な見積りが求められているところです。
 ちなみに、国土交通省直轄工事で不落随契を廃止する運用をしだしたところ、不落自体が激減している状況にあるようです。


■ Question 

 ある公共工事発注者の入札公告に、「今回の入札では、混合入札を認める」旨の記載がありましたが、混合入札とはどういうものですか。また、それはなにを狙いとして実施されているのでしょうか。


■ Answer 

 混合入札とは、入札参加者が特定JVだけであった工事の入札に、単体企業での入札参加も認めるという制度です。
 従来は、特定JVは単体企業では施工できないような工事を対象として結成させるものであって、そのような工事に単体企業を入札参加させることは、相矛盾するとして認められていませんでした。しかし、平成6年3月の中央建設業審議会建議による共同企業体運用準則の改定時に、混合入札が認められるようになりました。
 運用準則の改定によりますと、特定JVを結成しなければ適正な施工が確保されない大規模かつ技術的難度が高い工事に限り、依然特定JVだけで入札を行いますが、それ以外で特定JVによる施工が認められる工事については、競争性を高めるため、単体企業での入札参加を認めました。
 これにより、ある工事においては、特定JVと単体企業とが同一入札に参加するという混合入札が実現することになりました。ただし、特定JVの構成員である建設業者が、同一入札に単独企業としても参加するというは認められていません。
 今後は、この混合入札を認める範囲が拡大される方向で運用されていくものと思われます。

**ニッコン e-建設経営通信 【第174号】**

■ Question 

 ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)はISO9001やISO14001と同じPDCAモデルに基づいているということですが、どちらかの認証登録をしているとそれが活用できますか。

■ Answer 

 ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)はBS7799がベースになっていて、ISO9001がBS5750、ISO14001がBS7750をベースとしています。
 ISMSは情報セキュリティが対象で、ISO9001は品質・顧客満足、ISO14001は環境が対象で、それぞれの規格の対象は異なるが、同じPDCAモデルに基づく共通部分をもったマネジメントシステムです。

 ISMS認証基準は、JIS Q 9001:2000「品質マネジメントシステム-要求事項」が引用規格になっており、他の規格の認証登録をしている企業は、共通して活用できる部分(例えば、教育訓練、文書管理、記録の管理、内部監査、マネジメントレビュー、是正処置・予防処置など)があります。これは、ISO9001とISO14001の統合と同様です。

 ISMSの構築の段階では、ISO14001の方が参考になります。ISO14001の環境レビューと同様な手順で、情報資産を洗い出し、リスクアセスメントを行い、取組みの優先順位をつける。ISO14001の「緊急事態への準備及び対応」も、情報セキュリティの準備及び事故の手順作成として応用することができます。

 一方、実施すべき情報セキュリティ対策を現場に落とし込むには、ISO9001のプロセス・アプローチの考え方が参考になります。事業活動の流れの中で情報は漏えいするのだから、事業活動のフローの中に、守るべきルールを手順に落とし込むことが必要になります。ISO9001で策定した手順(プロセス)に情報セキュリティの対策のポイントも入れると良いです。

 規格の策定では、相互の整合性に配慮されています。対象の異なる規格を採用した場合に、それぞれが別々に構築するのではなく、使いやすいように統合されることを意図しています。別々に同じような規定があれば、使う人は両方を見なければならないし(実際には相互を参照することは少ないだろう)、時間と共に整合性がとれなくなり混乱してきます。
 運用する人の立場を考慮してシステムは構築すべきであり、運用する人が理解しにくいシステムであれば、うまくいかないのは当然の結果です。既存の文書と統合して活用できるところは活用し、シンプルになるように構築することが肝要です。

**ニッコン e-建設経営通信 【第173号】**

■ Question 

 社長から教育制度を見直すように指示がありました。当社には10年ほど前に作成した詳細な教育体系があるのですが、どうもそれが効果を出していないと考えての指示のようです。
 教育効果があがる教育制度・体系はどのように構築すればいいのでしょうか。

■ Answer 

 最近、教育制度を見直したいと考える企業が増えています。成果や実績を前面に押し出した人事制度を導入した結果、成果を出す力のばらつきが明らかになったことがきっかけになっているようです。
 企業を発展させるためには成果そのものの他に、成果を出すための方法論の明確化、その中で効率的・効果的に仕事ができる社員が必要であり、そのことが再認識されているのでしょう。

 ご質問の件ですが、教育体系自体は従来どおり階層・職種ごとに教育したい事項を分かりやすくまとめておけば十分でしょう。余裕があればカリキュラムも含めた教育方法も整理しても良いでしょう。ただその運用では改善が必要です。
 教育効果をあげるためには、日常業務の中での支援や指導、仕事の任せ方を工夫することがもっとも重要な点です。顧客や業者との折衝の勘所、施工計画への現場状況の反映の仕方などを、方法論だけではなく、個々の状況を踏まえた実践で教育を行っていくのです。
 教育体系や制度はそれらを行うための指針として認識し、制度に頼りきった教育から脱却することが大事です。もちろん教育する側になる管理者に社員育成を押し付けるのではなく、会社組織として教育方法やコミュニケーション技法等の教育、成功・失敗事例の提供、成果を出すための方法論の検証・レベルアップ等の取り組みを行っていかなければなりません。部下育成に優れた管理者に対する報償も必要でしょう。

 余談ですが、理想を追いすぎて書類作りばかりになった教育制度を抱えている企業もあります。決め事は「足りないぐらいが丁度いい」とも言います。自社の状況や繁閑を踏まえた制度づくり・運用を考えるべきでしょう。
 制度や決め事に終わらない、真の社員育成が行えるようにしてください。

**ニッコン e-建設経営通信 【第172号】**

■ Question 

 私どもの企業は関東近県に本社を置く地場ゼネコンです。売上高は40億円、経常利益は1億円、従業員数は60人です。技術開発については資金面から研究所を設立することが出来ませんが、隙間の市場に対する技術開発を行い、自社独自の技術を保有したいと考えています。
 従いまして、技術開発した成果物の貢献度について、どのような尺度で見ればよいか教えて下さい。

■ Answer 

 貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書を拝見していませんので、御社の投資額の限度について分かりませんが、開発生産性から管理するという観点から判断してみてはいかがでしょうか。開発生産性には下記の1と2がありますので参考にして下さい。

1.開発成果物の生産性
  (1)売上貢献度 売上貢献度=新商品の売上高/売上高
  (2)利益貢献度 利益貢献度=新商品の売上高/粗利益額
  (3)投資効率  投資効率=新商品売上高/投資額
   投下資本利益率=(税引き前当期利益+支払利息)/(有利子負債+自己資本)

2.
(1)開発業務の生産性
   予算に対し、予算内で開発できたか否かを判断する場合に使う。

売上及び利益の貢献があったとしても、当初の予定に対して開発期間や工数、材料費が増となれば、金利負担も予定以上に計上されることになります。
 金利上昇局面であり今後の経営環境の変化も予想して、社員間で金利に対する意識を高めて技術開発業務にあたることも忘れてはなりません。


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