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**ニッコン e-建設経営通信 【第207号】**
■ Question 1
非専任の主任技術者は、工事を請け負った企業との直接的かつ恒常的な雇用関係が3ヶ月以上必要でしょうか。
※ある自治体では非専任の主任技術者については期間を問わないとQ&A集に載せていました。
■ Answer 1
監理技術者制度運用マニュアルによると、「工事を請け負った企業との直接的かつ恒常的な雇用関係が3ヶ月以上必要な技術者」は、専任義務を課された監理技術者等と述べられていますから、その趣旨からは非専任の主任技術者には、「3ヶ月以上」という雇用期間要件は求められていません。
しかし、発注者において、独自に特記仕様書等で配置する主任技術者の要件を別途厳格化している場合があるので、注意が必要です。
■ Question 2
当社は東北で土木建築工事業を営んでいます。
資本金3千万円、従業員21名の地場の建設業です。
先日、親会社の財務部から「内部統制を行う必要があるので、営業、施工、購買、経理と給与計算支払業務のフロー図を送ってください。また、フロー図に使われる帳票類(請負契約書、発注関係、実行予算、工事台帳などの書式)も一覧表にして提出してください。」といわれました。
当社に100%出資の東証一部上場の親会社とはいえ東京に本社を置く親会社と当社は全くの別会社、その全く別の親会社財務部の仕事に振り回されるのも腑に落ちませんが、そもそも内部統制というのはどのようなことなのでしょうか。
■ Answer 2
一般的には「内部統制」といわれますが、もう少し丁寧に言うと「財務報告に係る内部統制」という言い方になります。
当時はニュースで騒がれましたから記憶にあるかも知れませんが、平成13年にはアメリカの電力など先物販売のエンロンという会社が、巨額粉飾事件で破綻しました。
その翌年にはやはりアメリカで通信業のワールドコムがエンロンと同様の粉飾事件で破綻しました。
国内では平成16年に西部鉄道が有価証券報告書虚偽記載で上場廃止に追い込まれました。
最近では、平成18年1月にライブドアの証券取引法違反容疑が発覚しております。
このような事件発生を受けて、「適正な決算書を作成するための管理体制を、会社の経営者は構築してその管理体制が確実であるように確認しなさい」ということが「制度化」されました。
つまり、偽りのない決算書を作成するように管理するということが内部統制ということになります。
先ほど、内部統制が「制度化」されたといいましたが、このことは法律で義務付けられたということです。
内部統制に関する法律といいますと、平成18年6月に成立した日本版SOX法といわれる「金融商品取引法」が注目されますが、内部統制を義務付けた法律は、これももう少し丁寧にいいますと「金融商品取引法並びに会社法は、財務報告に係る内部統制を義務付けた」という表現になります。
ここでは紙面の都合もありますので、それぞれの法律が求める内部統制に係るところを次に要約します。
1)金融商品取引法(証券取引法等の一部を改正する法律など)が求める内部統制
(1)上場企業に内部統制システムの整備を義務付ける。
(2)上場企業に内部統制報告書を提出することを義務付ける。
(3)企業が有価証券届出書の虚偽記載を行った場合、10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金を科す。
2)会社法が求める内部統制(会社法:平成17年7月26日法律第86号 平成18年5月1日施行)
(1)大会社については、内部統制システム構築の会社としての基本方針決定を義務付ける。
(2)内部統制とは、取締役の職務執行が法令・定款に適合することなど、会社業務の適切性を確保するための体制をいう。
(3)大会社とは、資本金5億円ないし負債総額200億円以上の企業をいう。
(負債総額200億円というのは借金だらけという意味ではありません。それだけの資金を調達して、手広く事業展開をしている社会的影響が比較的大きい大会社という意味です。)
いずれの法律もディスクロージャー(企業内容開示)を財務報告に関して義務付けており、平成21年3月期決算書から適用される見通しです。
このように見てきますと上場会社でなければ、また、大会社でなければ内部統制とは縁遠い気がしますが、実はそうでもないのです。
例えば、子会社の売上高あるいは完工高を親会社の売上に付け替えてしまうなどといったことがあると、正しい企業内容開示にはつながりません。
そこで法律は「内部統制システムの構築と実行」を、上場会社や大会社だけではなく、上場会社や大会社の関連子会社の内部統制も管理してくださいとしています。
以上のことから、お問い合わせのような親会社財務部からの依頼ということになったのでしょう。
内部統制のもう少し詳しい解説は、このメルマガの別の機会があれば行いたいと思います。
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