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久しぶりにチューナーの修理です。 この機体はブロ友のツイスターすがさんから修理依頼されたものです。(というか、自分から引き受けました) F-X9は上に置いてある表示が賑やかな方です。 ユニークなアナログ時計を倣ったFL表示が独特です。 見ての通り、ミニコンポ プライベートのチューナーであります。 内部は、何せ21cmと奥行きがないため無理やり詰めている感があります。 基板を斜めに固定したり普通ではしないような事が行われています。 ですので、メンテナンス性は悪いです。 裏から基板にアクセス出来ないので部品交換する場合は非常に面倒です。 パイオニアの製品はこのような作りが多いですね。 目視で点検していると電源部のコンデンサが膨れておりました。 過電圧が掛かったとは思えないのでレギュレータTrの放熱でやられたのかもしれません。 ここからが本題です。 部品交換後、調整に入ります。 最初は受信感度もガタガタに落ちておりましたが再調整にてかなり改善しました。 しかし、FM受信時の音声がモノ・ステレオ関係なく小さいのです。 他のチューナーと比べても明らかに音が小さいのです。 AMの音声は大きく聞こえますのでアンプ系の問題でもないようです。 本機のFM回路には三菱のM51533LというIF-検波-MPXまで入ったオールインワンの専用ICを使用しています。 元々カーステレオやラジカセを想定して作られたICだと思います。 性能よりもコストを意識したものでしょう。 以下に他の製品の回路図を参考に示します。 FMの検波方式はクワドラチャ検波で、IFTと呼べるものはT1のコイルしかありません。 このICを使用した製品のサービスマニュアルを見ると、T1のコイルを一番音量が大きくなる点にコアを調整しろと指示があります。 しかし、コアを調整しても音がAM受信時と同じぐらいに大きくなる事はありませんでした。 よって、このコイルに並列についている共振用コンデンサが容量抜けしているのではないかと考えました。 IFTを外してみます。 裏に問題のコンデンサが内蔵されています。 セラミックの筒に銀メッキを施し、コンデンサとして機能するように作られていますが 経年変化で銀メッキが硫化して剥がれ落ち、その機能が失われてしまっています。 (容量抜けの状態です) 本来はIFTごと交換なのでしょうが、入手は当然不可ですので外付けでコンデンサをパラ付けして補うことにしました。 この部分の最適容量は分かりませんのでカットアンドトライで決定します。 トリマコンデンサを付けて最適な容量を探っても良いと思います。 色々と試し、1.5pFのセラコンを付けたらコア調整で音量の大きくなる点に追い込めたのでこれでいきます。 部品箱にあった普通のセラコンを付けていますが、本当は温度補償用のセラコンが理想的です。 これにてFM部は完全復帰しました。 セパレーションはせいぜい35db前後といったところでしょうか。 はっきり言って性能は高くありません。 でも普通にFM放送をBGM的に聞くには十分に良い音に聞こえます。 〜まとめ〜 古いFMチューナーのIFTのコンデンサ抜けは、私が見た中でも年数が経つにつれ多く見かけるようになりました。 再調整で回復しない場合はこういった部品の劣化(寿命)を迎えているケースがあります。 かくいう私もパイオニアのF-120を調整して使用しておりましたが、次第に同調点がズレていき、再調整も範囲内に収まらなくなり使用できなくなりました。 これも同様にIFT内のコンデンサ容量抜けです。 古いチューナーを使い続ける上で、これから容量抜け対策を避けては通れなくなるかと思います。 |
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FM検波回路が不正常だと、音圧が下がりますよね。
クワードラチャー検波用のIFTの修理方法は、参考になりました。この種のIFTは、もはや市場では調達できないので完成度の高い修復ができず、悩むところですね。
[ **o****g*00*0 ]
2016/11/20(日) 午前 11:07
xt400さん、こんばんは。
メーカーに見放された後も、あの手この手で延命の方法を探す、
これもアマチュア修理のなせる技でしょう(笑)
色々な所が劣化して、これからどんどん創意工夫が求められると思います。
知恵を出し合って、ビンテージオーディオの可動品を少しでも多く残していきたいですね。
[ 岩ちゃん ]
2016/11/20(日) 午後 9:32
**o*ing*00*0さん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
チューナーのIFTの不良は意外と多く何とかならないかと考えていました。
現存数が減り、部品取りで気軽に潰すわけにもいかないですので、部品自体の修理が可能ならそれに越したことはありません。
[ 岩ちゃん ]
2016/11/20(日) 午後 9:40
こんばんは。
時々お邪魔させてもらっています。
私もカセットのMPXフィルターの故障で数日悩んでいました。
今日、IFTみたいな部品が悪かったんだと気づき、交換しました。どこが劣化しているのかわからなかったのですが、この記事を見て目から鱗です。
確かにフィルターのコンデンサ、こんな模様になっていました。基板洗浄して症状が悪化した理由が分かりました。剥離していたんですね。
いい勉強になりました。
[ 田舎のおっちゃん ]
2016/11/21(月) 午後 10:25
田舎のおっちゃんさん、はじめまして。
当ブログをご覧になっていただきありがとうございます。
私も貴方様のブログを時折拝見させてもらっています。
MPXフィルターの記事、執念の原因究明という感じでお見事でした。
予想もつかない所の故障で私の方も良い勉強になりました。
銀メッキされた部品はトランジスタもそうですが、硫化でまっ黒けになって良くトラブルを起こしています。
部品の老朽化が進んでいる事を実感します。
今後ともよろしくお願いします。
[ 岩ちゃん ]
2016/11/22(火) 午前 0:41
こんにちは。
こんなところに不良があるなんて、パッと見ただけではサッパリ分かりませんね...
今ジャンクで転がっているチューナーたちも、ここら辺に不具合を抱えていると考えると、中々気軽に買えなくなってきますね〜
難しい作業をしていただいて、本当にありがとうございました。
これにてプライベートがフルセットで組めそうです!
[ ツイスターすが ]
2016/11/22(火) 午後 1:15
ツイスターすがさん、こんばんは。
中々厄介な故障でした。
いくら調整しても良くならない・・・部品が劣化していた訳ですね。
ジャンクチューナーも再調整で簡単に直らない年式になてきたと感じます。
調整でごまかしてもすぐにズレてきたりしますから(笑)
私のF-120 一号機も同じような方法で直してみたいと思います。
プライベート フルセット復活、あとはPL-X9だけですね!
[ 岩ちゃん ]
2016/11/24(木) 午後 11:07
こんばんは。
当時は温泉地のアナログTV音声が出なくなる故障が有り、調べたらFM音声検波用IFT不良で良く交換してました。
その時の不良も硫黄による部品腐食でしたね。
今となっては懐かしい(^^;。
[ トラネコQ3 ]
2016/11/24(木) 午後 11:28
トラネコQ3さん、こんばんは。
温泉地は家電製品の故障率がケタ違いに多いと聞いたことがあります。
やはり空気中の硫黄成分が濃いので硫化が進み、接点や半導体などが侵されやすいのは想像できます。
銀メッキ部品は数年で尽くダメになりそうです。
[ 岩ちゃん ]
2016/11/25(金) 午後 11:45
岩ちゃんさん
こんにちは\(^-^)/
私のブログに立ち寄って頂き、またナイスまで頂きありがとうございます\(^-^)/
私のいい加減な修理に比べ岩ちゃんさんの中味の濃い内容、素晴らしいですね(^_^;)
今後ともよろしくお願いします。
ではでは
[ Yさん ]
2017/8/12(土) 午後 4:28
Yさんです さん、こんばんは。
いえいえ、お褒めいただく程のものではございません。
自分の修理は所詮アマチュアーですのでプロが見たら笑われるようなこともしています(笑)
それでも誰かの役に立てたのなら嬉しい限りです。
こちらこそ今後とも宜しくお願いいたします。
[ 岩ちゃん ]
2017/8/13(日) 午後 10:04
私も岩ちゃんです。
私のブログを見ていただいたので岩ちゃんのブログを拝見させていただきました。
修理で必ず目をつける点がありますね。異常な部品はまずは眺めることから始めます。コンデンサの外観は私も気にして見るところです。FMの同じモノコイルのチタコンは私もサンスイのチューナで経験しました。このコンデンサの不良はなかなか見つけにくい不良ですね。このコンデンサは不良が多いようです。
まずは修理完了おめでとうございます。
古い製品は完了後の動作連続試験は必要です。あちこち劣化していますので、私は依頼者にお返しする前に5日くらいエージングしております。すぐに壊れて返却は信用がなくなりますからね。笑
また見させていただきます。楽しく修理されて下さい。
[ iwa*aka**jp ]
2017/9/16(土) 午前 7:57
iwa*aka**jpさん、初めまして。
ご訪問ありがとうございます。
修理にも五感をフルに使う事は大切ですね。
第一に目視、臭い、聴覚(異音)触診(発熱)でしょうか(笑)
連鎖破壊を恐れて電源を入れる前に開腹する事も多いです。
チタコンの不良は多いですね、トランス等に内蔵されている上、容量が書いていない事が修理を厄介にしています。
再調整しても同調点が極端にドリフトするなどの場合はこの不良が疑われます。
修理後の動作確認には私も念を入れて行っています。
自分のものなら壊れたらまた開ければイイヤと気楽に構えていられるのですが(笑)依頼品の場合はそうは行きませんから責任重大です。
しばらく経ってからも問題なく動作を続けているとの報告を聞くと安心します。
今後とも宜しくお願い致します。
[ 岩ちゃん ]
2017/9/17(日) 午後 10:36
ブログを拝見させていただきました。
私の保有しているDATウォークマン TCD-D8を久しぶりに起動させたところ、ロードをすると電源が一度切れ再度電源が入る状態になってしまいます。
ERRORは表示されていません。
デープは正常に認識し、開閉なども問題ありません。
原因などお分かりでしたら返信お願いします。
[ にゃんこ ]
2017/9/20(水) 午後 5:29
にゃんこさん、初めまして。
ご訪問ありがとうございます。
TCD-D8の電源が再起動する症状ですが、当方も以前、同機種で経験があります。
その時はローターリーエンコーダー(モード切替側)の接点清掃を行い、症状はなくなりました。
接点が汚れてくるとエラーは出なくても電源リセットが発症するようです。
[ 岩ちゃん ]
2017/9/21(木) 午後 10:56
はじめまして。いつも拝見させて頂いております。
素晴らしいスキルで羨ましいです。
当方日本にはあまりいないと思われるFUNAI好きなのですが(笑)90年代に発売されたビデオデッキを以前フナイサービスで修理したのですが、最近また同じ症状になり開腹した所、中のゴムベルトが劣化し、びちゃびちゃになっていました、電話で確認した所修理不可といわれたのですが、このようなサイズも分からないベルト類も新品で入手し、修理は可能なんでしょうか??
[ gog***** ]
2017/12/22(金) 午前 5:01
こんにちは。このシリーズのフロントローディングのレコードプレーヤーが大好きです。PL-X9、PL-X50など、、(#^.^#)
[ きぼりん ]
2017/12/22(金) 午後 2:59
gog*****さん、初めまして。
FUNAIのマニアですか??
船井と言えば北米でのシェアは相当なものと聞きますが、国内では安物のイメージばかりが付きまといます。
船井のビデオデッキは古いモデルを何台か触った事がありますが
結構遅くまでキャプスタンをベルトで駆動していて設計の古いメカだと感じました。(日立もそうでしたが)
ベルトが溶けるのは定番のトラブルで、これの掃除に時間を食います。
秋葉原の千石電商などで扱っていますので同等サイズを探してみてはどうでしょうか。
[ 岩ちゃん ]
2017/12/22(金) 午後 9:15
きぼりんさん、初めまして。
私もPL-X50を使っています。
場所を食わない超小型サイズが魅力ですね。
未だにベルトが手に入るのも驚きましたが、唯一のネックは交換針です。
こればかりはどうにもなりません、デットストックを探してキープしています。
[ 岩ちゃん ]
2017/12/22(金) 午後 9:20
> 岩ちゃんさん
ご返事ありがとうございます。それがですね〜もう原型がない状態でして・・長さがわからないのです(涙)
千石電商さんに問い合わせて送ってもらうしかなさそうですね・・・
[ gog***** ]
2017/12/22(金) 午後 10:05