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下野新聞(11月1日付)読書欄に、新刊「めぐりあう者ども」〈幻戯書房刊)の書評が掲載されました。 ある日の昼下がり、都会のビルの谷間で「私」は「鋭い視線」に射抜かれる。不思議なオーラに導かれるように、その主である世にも麗しき獣医師「まがみ」と出会う。
「ケモノの匂いが好き」。冒頭、「まがみ」が発した言葉に単なる恋愛ものではないストーリーを予感させる。そして体内に光る「玉」を宿し、食事中ジビエである鹿肉に驚くべき反応を示す彼女。親しくなるにつれて明らかになる秘密。「私」自身もその系譜に属するものであることに気付く。 後半は異界への境界、聖地としてオオカミを眷属(けんぞく)として祭る秩父のとある神社に舞台を移す。民俗学的要素も散りばめながら2人の正体が明らかになっていく。 秩父は古くからニホンオオカミの生息地として知られ、江戸期にはオオカミ信仰も盛んだったとされる。100年以上前に絶滅したとされるニホンオオカミへのオマージュとして本作を構想した。 著者は宇都宮市出身。敬愛するノーベル賞作家ガルシア・マルケスに代表される現実と幻想(魔術)世界を融合させたマジックリアリズム小説、フランスの耽美小説に薫陶を受けた。前作「アルバトロスの羽根」(鳥影社)から2年を費やし書き下ろした幻想的恋愛小説だ。 |
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