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ベートーヴェンの愛すべき第6交響曲=「田園」をいろいろ聴いてみることにしよう。
情景描写か感情表現か、それとも純音楽なのか・・・
第1楽章「田舎に到着したときの晴れやかな気分」 Allegro ma non troppo ヘ長調 2/4拍子
第2楽章「小川のほとりの情景」 Andante molto mosso 変ロ長調 12/8拍子
第3楽章「農民達の楽しい集い」 Allegro ヘ長調 3/4拍子(トリオ部は2/4拍子)
第4楽章「雷雨、嵐」 Allegro ヘ短調 4/4拍子
第5楽章「牧人の歌−嵐の後の喜ばしく感謝に満ちた気分」 Allegretto ヘ長調 6/8拍子
ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調OP.68『田園』
エフゲニ・ムラヴィンスキー指揮
レニングラードフィル
1982年
どこをとっても究極のサウンド。
これぞプロ中のプロの仕事だ!
第1楽章のヴァイオリンの全音符の美しさ、
第2楽章の木管中心の清冽なサウンド、
第4楽章、嵐の圧倒的な威力
に身じろぎもできない。
特に印象的なのが、第1楽章の練習記号DとE。
ここは、24小節間かけて徐々に息の長いクレッシェンドをしていく
難しいところ。pからffまで見通しの良い設計が求められる。
ムラヴィンスキーは、4小節ごとに交代で現れる、第1・第2ヴァイオリンの
4小節続く全音符でこのクレッシェンドを表現していく。
この楽章は主に4小節単位で音楽ができており、
24小節を4小節×6に分けて膨らませていくのは
まことに鮮烈で説得力のある方法である。
ムラヴィンスキーで聴くと、スコアに明記されていないが、
音楽がどこに向かって進み、どこから鎮まっていくのかが実に良く分かる。
特に鎮まっていく部分の音量コントロール、バランスが完璧で、
寒気すらおぼえるほどの響きを聴かせる。
他の指揮者では絶対に聴くことができない。
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