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今日からは第五十三回「仏像観て歩き」で訪問した山梨県の国指定の重要文化財の仏像を紹介致します。
放光寺 甲州市塩山藤木2438
愛染明王坐像 像高89cm 木造、彩色 ヒノキ 平安時代 重文
「解説」
愛染明王は、愛欲の煩悩を変じて悟りの境地に至らしめる仏といわれる。本像はこの愛染明王の中でも、最上段の二臂で弓と矢をつがえて天に向けて射ようとする天弓愛染像と呼ばれる像である。天弓愛染像は作例が少なく、現在本像と同じく平安時代後期の制作である京都・神童寺像、和歌山・金剛峰寺像の二像が知られるに過ぎない。
本像は、愛染明王像の通例の通り一面三目六臂という姿に表わされ、額左右の髪を逆立て顔には怒りの表情を浮かべる。しかし、そうした異形の姿は強調されることなく、六本の腕の動きもごく穏やかにまとめられており、怒りの表現も穏やかである。顔は大日如来坐像と同じく頬のふっくらとした輪郭に小さめの目鼻立ちを刻み、口を開けて上下の歯をのぞかせたものの、その怒りの表情は静かである。頭上に戴く獅子冠の獅子も大きく口を開けて歯を見せているが、丸い目を見開いたこの獅子にはなんとなくユーモラスな雰囲気もある。下半身に着ける裳や左肩から斜めに胸前に着ける条帛と呼ばれる布は、大日如来像のそれと同じように薄く柔らかい布の質感をよく表している。王朝の忿怒像の気品と優雅な雰囲気が伝わって来るような像である。
本像も材質は桧材で、寄木造の技法による造立である。像高89cm。造立当初は華麗な彩色が施されていた。大日如来像と同じく台座は、元禄二年に松尾円道により補われた。
「真言宗 智山派 放光寺」より 2011年
「私の想い」
愛染明王像の持物で五鈷鈴と五鈷杵は必需品です。弓と矢も別々に持つのも多い。弓に矢を番えるのも珍しい。更にその目標が天というのも、もっと珍しい。
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