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〜 独逸W杯金言集 〜
【ヒデに電話するよ】
ドイツW杯の閉幕から10日余りが過ぎようとしており、ジダンの頭突き事件の真相も、日本サッカー協会の責任問題も明らかにされないままに、一ヶ月にわたる激闘は、人々の記憶の彼方に向かいつつある。かく申すこの行者も【くまぇり】事件のことが気になって、ジーコJAPANの総括どころではないのが、正直なところである。
が、しかしこのドイツW杯には、忘れてはならない、名場面、名言があった。【W杯狂想曲・珠玉の金言集】、最後のエントリは、「ヒデに電話するよ」を取り上げさせていただきます。「ヒデに電話するよ」、と言ったは、欧州の名門ユベントスに在籍するイタリア代表選手、A・デルピエロ選手である。この発言は、日本代表・中田英寿選手の現役引退の報を受けた時のもので、「君は未だ若い、老け込む年齢ではない」との意見を旧知の間柄であるナカタに電話で伝えるという趣旨のものであった。
その後、実際にデルピエロ選手が、中田選手に電話したのかは不明である。案外とW杯決勝トーナメントや、友人のお見舞いなんかで忙しくて、未だ電話していないのかもしれない。ナカタにばったり出会ったらなんて言い訳しようか、などと悩んでいるデルピエロ選手を想像できないではない。が、いずれにしてもこの発言は、デルピエロ選手だからこそ重みがある。
というのも、フットボールファンの諸兄はご記憶のことと思うが、デルピエロ選手は早熟の天才として、あのR・バッジョ選手(元イタリア代表)の後継者として彗星のようにセリエAに登場し、卓越した技量と甘いマスクでイタリアの、いや世界のファンの注目を一身に集めた。が、キャリアを重ねる中でケガ、スランプに悩み、代表のエースの座もトッティに奪われてしまった。押し出しの弱いキャラクターはファンにも定着したのか、ある雑誌では「Q.彼に今必要なものは? A.友人」などといった、ほとんどお節介でしかないような忠告を受けることもあった。そして今回のドイツW杯では主力としてではなく、控えメンバーとして召集されたのである。
途中出場でピッチに現れた彼は、長年「逆風」にさらされたのか、巻き毛の長髪は見るも無残な状態になっており、「ヒデに電話する」前に、「ヘアチェックに電話しなよ!」と諫言申し上げたくなった次第だ。紅顔の天才少年は、もうそこにはいなかったのである。が、デルピエロ選手はドイツ戦で貴重な得点をし、脇役ながらもイタリア代表の24年ぶり4回目の優勝に貢献したのである。そして、来季も現役を続ける。不正問題で2部に降格したユベントスでプロ15年目のシーズンを迎えるのだ。そんな彼だからこそナカタへの「未だ早い」という言葉に説得力を感じるのである。天才肌の苦労人が今後いっそう活躍することを期待するものである。
(補記)今回この記事を書くに当たってネットをググるとなんと衝撃の真実が!どこか影の薄いアレックス(デルピエロの愛称ね)は、この行者同様に日本プロレス界の未遂王・ドラゴン藤波辰爾の大ファンだったのだ!いやはや同類相憐れむというか何というか、シビれたよ!
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