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日本でこれを読んでる美術かんけーの人々は結構経験あるかもしれませんが、外でスケッチブックを抱えてスケッチしてる時に一番先に疲労が蓄積されるのは、ペンや筆を持つ右手でもなく、腰でもなく、ものを見てる目でもなく、スケッチブックを長時間支えてる左腕だったりします。数百グラムの重さだと侮るなかれ、抱え上げた状態をキープして、二時間も三時間も同じ姿勢で持ち続けると、確実に上腕何とか筋がプルプルときてしまいます。
まー、一日限りならそれもありなのですが、3日もおんなじことしてると、確実に筋肉痛の方向へ事態は悪化の一途をたどってしまう訳なのですね。これが実におもしろくない。右手も足腰もたいした疲労は溜まっていないにもかかわらず、スケッチブックを支える左手の故障で、スケッチするにも集中できなくなってしまうのです。
これが日本だとですね、スケッチするにしても、その辺に腰掛けて描いてみたり色々姿勢の変化をもたせる事ができるので、割りと長持ちするのですが…。まぁ、タイでもそうでしょう。例えば田園地帯なんかだったら6時間でも7時間でも平気でしょう。けどね、市場の中はちょっと勝手が違うんですよね…。
タイの市場、道端。田舎に行くとそうでもないかもれないけど、バンコクのそこは、あらゆる場所が商売の場と化しているのであります。隙間があれば誰かがものを広げだす。敷物を敷いて、パンツ一枚10バーツだの、ちっちゃい人形一体20バーツだの商売やっちゃうわけです。もう少し広い場所があると、そこには敷物商売より大型の屋台が進出し、焼きバナナとかクレープとか売り出しちゃう。まるで、縄張りを争う野生動物のごとくなのです。まぁ、そうは言うものの、そんな光景を見ているのは楽しいので、それ自体になんら不快感はないんですが、問題なのは、そんな状況でスケッチしてやろうとした場合…。
道端はもちろん、市場の中ほとんどは、そんな状態な訳で、そこにはもう、商売するスペースと、客が行き来するスペースしかないのが、バンコク流です。下手に止まってりゃ誰かにぶつかられる。またはデッカイ荷車に押しのけられる。客が止まることを許されている空間は、屋台の前のわずかなスペース。後は、人の行きかう空間と、商売の空間に占拠されているのです。つまり、スケッチする人、僕はその僅かなスペースに身を潜め、客が来たら場所を移動し、空いたスペースを探すということをしなくてはならないのです。
客が来ない時なんかは周辺の人々が僕の周りに集結してちっちゃいギャラリーなんかを形成しつつも、所詮はものを買うこともめったに無い、描かしてもらってる身。店の人も客がもちろん第一だし(たまに、わざわざ場所作ってくれる親切おばちゃんとか居るけど)目の前の半分まで描き進んだモチーフが売られていこうと、大きく動かされようと「あ…。あーあ」としか言えないのが現状なのです。。。
で、この情景描写を読んでもらうと、なんとなく分かると思うのですが、僕にはもう、直立し、右手にペンを持ち、左手でスケッチブックを固定する以外の方法は残されていないのです。座るなんてもっての他(新鮮市場の床はだいたいビシャビシャってのもあるし)絵の具を広げるなんて不可能(絵の具売ってるのか?てなるかも)
えー、そんなこんなで、火曜日から木曜まで3日間、そんな風に市場をうろついてたもんで、更に金曜に市場へスケッチに行こうとしたところ、左腕に拒絶されてしまったのでした\(・ー・)/んー。何気に20枚くらい描きにいくつもりだったんですけどね…。金曜日。
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