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ほんまもんサッチーがオフィスの日に当たってのほほんとしてる間に、
フラットさっちぃはバングラへ入った。
タイからやってきたアクセサリーサンプルのサイズを計っていると「電話でーす。ダッカからー。」
なんだなんだ? まだ向こう朝じゃん。
Dhaka ←(Phone)→ Tokyo
◇なっちゃん 「おはよーございますーっ」
◆サッチー ありゃ声近い。「早いねー もう帰ってきたん?」
◇なっちゃん 「なに言ってんですかー。しっかりバングラですよぉ。でー、お願いがー」
◆サッチー なぬ?早速か。「なぁに?忘れもの?」
◇なっちゃん 「あのー、蚊取り線香、3箱送ってくれませんかー」
◆サッチー ・・・ああ、大事な蚊取り線香 忘れちゃったのね。はいはい。
「で、そっちはどうよ?」
◇なっちゃん 「こっち蒸っし風呂ですよぉ。で、あっちゃんの部屋、すごいことに。」
◆サッチー お? もしや、バングラの洗礼か? 「なになに?」
◇なっちゃん 「夜、でっかいゴキブリがごっそりやってきてー、
で、朝見たら 床がベットリ・・・。」
◆サッチー そうかそうか。「だめじゃんー。みんな無傷で捕まえて外に出すんよー」
◇なっちゃん 「え、触るんですかぁ!?」
◆サッチー 「触んなくていいから、コップとハガキうまく使って追い出すんよ。
バングラゴキって噛みつくらしいし、放っとくと危ないよ〜。」
◇なっちゃん 「・・・・・・・。」
◆サッチー うろたえよるわ。(^_^)「フラットの様子、どう?」
◇なっちゃん 「あ、元気ですよぉ。今、テーブルで日光浴ですー。」
◆サッチー 「そー。あっちゃんの部屋には入れんといてよー。がんばってねー」
◇なっちゃん 「はーい がんばりますぅ。」
みんながんばれ。
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私が初めてバングラへ降り立ったのは夜中だった。インドの女性スタッフ、ベルちゃんと私の2人旅。
デリー→カトマンズ→ダッカのルート。
私たちはデリーでパンパンに仕事をして あっという間にバングラデシュへ移動した。
カトマンズ→ダッカの飛行機はあまり大きくない。女性は私たちだけだった。
乗客のほとんどがバングラ人のようだ。・・・男性たちの見る目が冷たい。
「何か私たち見られてるね。」「女性が飛行機乗るなんて、って思ってるのよ。」
やだなぁ、この視線。・・・ふと額に手をやる あ、ティカ。
デリーを離れるとき、ベルちゃんのお母さんから「旅立つ娘たちに」とティカをもらっていた。
ベルちゃんと私の額には真っ赤なティカ。髪の分け目には赤い線。
バングラ人はイスラムだ。このインド式のティカ、まずかったか・・・。
ちょっと身を縮めておとなしく乗る。・・・あぁ つまんない。
何事もなく バングラへ到着。夜11時をまわっていた。
よく分からない空港の中を2人ぐるぐる。
あっちの人、こっちの人に聞きまくって、同じ場所を行ったり来たり。
「なんよぉ、出口くらい分かるようにしとけー」怒りとともに前へ進んだら、ぽっと外に出られた。
バングラ男性があたりを行き交う。
女性は見る限り私たちだけ、東洋人も西洋人も私の他に誰一人いなかった。
バングラの女性は、日が落ちてから外を出歩かない。空港の外はひっそりしていた。
そのうち、ベルちゃんも地元の人に見えてきた。
暑さと湿気、色、におい。
あらゆる濃さにまみれて 自分が押さえ込まれているような気分になってくる。
「ふう・・・」
ため息をついて前方へ目をやると、まあるくて やさしい微笑みを浮かべた女性が1人やってきた。
やー 迎えにきてくれたぁー こんな夜中に 女の人がぁ・・・。
「疲れたでしょ。暑いでしょうね。今日はゆっくりしてね。」
お母さんのような微笑みに しょっぱなから涙が浮かんだ。
宿泊場所へ着く。
そこには 先発隊、先にバングラ入りしたスタッフたちがいた。
「デリー、おつかれさまー。いらっしゃーい。」
急に日本へ逆戻り。気を張ってた分、ちょっと拍子抜け。
「ギャーッッッ!!!!」 部屋からベルちゃんの悲鳴。
「なになに???」
「ごきぶりー! きらいきらい やだー」目の前に2匹の大きなゴキちゃん。
・・・しょうがないなあ。
テーブルに置いてあったカップとハガキで2匹ともすくって 窓の外へぽいっ。
なんだ、のろいじゃん。
ベルちゃんだけでなく スタッフみんなの目が点になってた。
・・・それ以来、バングラ滞在中は部屋中のゴキすくいが私の日課になった。
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バングラのゴキブリは、日本のより2まわりくらい大きくて やや茶色い。
人間を見ても逃げない。
その辺の虫、と思って近寄れば 簡単に捕まえられる。
あっちゃん、どうするかな。
なっちゃんが部屋を代わってくれるとは思えないけど・・・。
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