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■ 仔惑の地球 Solitude Of The Earth2 ■
【惑星だより】 風邪、気をつけてくださいね。ごほっ。 CG by djandyw.com

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◇◆夏の愚者◆◇

イメージ 1


























「もう少し静かに願います〜」


 近くの閲覧席で話をしていた主婦たちに、司書が笑顔で対応する。





「――…、」


 答えを与えられない問いは、舌の裏に引っかかったまま。

 司書の注意に呼応するように、僕は舌を畳んで視線を下ろした。

 白い図書館のテーブルが、窓から入る光を反射して目を焼く。

 

 もしかしたら。

 うまくすると。

 ひょっとしたら。

 もしかしたら……もしかしたら。


 
 幾度も繰り返す、願い。

 この胸に湧き、湧けば自ら沈ませ、けれど次の瞬間には再び、湧く。

 答えは与えられぬまま、夏は僕の願いを焼こうとする。


 胸に渦巻く思いとともにくるりと指で回したシャーペンが、カタン、とテーブルに転がった。

 慌てて追いかけた僕の手に、わずかに重なった指。

 それを見て取ると、触れた中指がびっくりするほど、震えた。


「…へたくそ」


 ぶっきらぼうに投げ出された小さな言葉。

 思わず上げた視界に、不満そうな彼女の顔が映る。

 すると抗議するように、少し離れた白い人差し指が、僕の中指を弾く。

 地味に痛い。

 痛い。


「ばーか。 ばか、ばーか」


 うっすらと染まった彼女の頬。

 それは夏の日差しが移った――んじゃないと信じたい。


 僕はそっと、もう一度問う。

 舌裏に引っ付いた問いを、もう一度。


 もしかしたら。

 もしかしたら…。


 愚者はそうして、胸の内を明かす。









「もう少し静かに願います〜」


 場違いな声の大きさで。

 ◇◆◆

 図書室の一角で。
 どんだけの声量だったんだ、とつっこみたいですが|д゚)
 読んでいただけるとうれしいです♪

  • 顔アイコン

    女の子が居るところ、必ず誰か若者が恋心に囚われる・・・・とは限らないとしても、

    密かな願いは顕かな願いに変える第一歩で叶えられる・・・・・とも限らない。

    [ イカダ ]

    2015/8/15(土) 午後 7:55

  • 顔アイコン

    > イカダさんへ、ありがとうございます。
    いろんな可能、不可能がある中、たどり着くまでに紆余曲折。
    たどり着くとも限らない…。
    苦しいですよね、恋は(笑)。

    hachi

    2015/8/15(土) 午後 11:45

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