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「――じゃあ、どんな夢?」
ベッドの上で目覚めた彼は、まだ夢の中に存在するみたいに白い窓の外を眺めていた。
今にも薄青い空に溶け行ってしまいそう。
「…きみ」
横を向いた彼の白い瞳が、さらに白く光る。
同時に嗄れた声が、病室に響いた。
「きみを、見た」
傍で腰掛けていた丸椅子が、ぎぢっと軋む。
「…もう一度」
私が小さく云うと、開いた窓から風が吹く。
「もう一度、ゆって…」
彼の黒目がゆっくりこちらを見た。
肉の削げた頬がつられて、奇妙な表情になっていた。
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