|
やっと。 でも本当か、と疑心暗鬼。 手垢のついたページの端。 折られ、破られ、消されたそこは わたしのからだ。 血が通い、骨がきしみ、肉が満ちたページ。 終わったよ。 そう告げられた今は まっしろ。 書かれていたはずの文字は うっすらと残された影だけ。 破られたそこは 不器用につながれたテープ。 折り曲げられた線をわたしは ゆっくりと指先で伸ばす。 終わったよ。 告げられた言葉に涙が出るのは なぜ ばかなわたしは理由を欲しがり、 眠れないままの夜を このしろいページに写し取ろうと また鬱々とした作業に入る。 終わったよ。 はやくこのアナウンスが 血に、骨に、肉にしみこめばいい。 そうすればわたしは ようやく、 文字の影がある、無数の線が入った テープだらけのページに あたらしい文字を書こう。 耳をすませば きっと 紙を擦る音と、アナウンスが聞こえるだろう。 |
全体表示


