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ジャッジ札の前に
睨み付けて立つ子ども きみはわめき 腕をふりまわし 口汚くののしる わたしは 札を持つ手を下げたまま 怒鳴りながら立つきみを前に 途方にくれる なぐられた肩が ひりひりと痛み出す ののしられた言葉が 耳にぺたりとはりついた 手放せない札を脇に抱え わたしは 膝を曲げてきみを見るだろう またののしられながら またなぐられながら 世界が敵だと叫ぶきみを前に ジャッジ札が何より怖いきみを前に ガムテープだらけの薄い自分の殻を 必死になって守ろうとするきみを前に わたしは静かに見る じっときみを見る きみはあたためられるべき子どもだよ なでられるべき子どもだよ 敵にまわる世界なんてどこにもない たくさん食べていいんだよ きれいな服をきていいんだ 友だちをほめていいんだよ 自分もちゃんとほめられるから にっこり笑っていいんだよ だれも理不尽に怒鳴らない 世界はきみの味方だよ ときには厳しいかもしれないけど それでもきみがまっすぐ両足踏みしめたら 世界は必ず、迎えてくれる きみを外したりしない ジャッジ札を怖がらずに指標にして わたしは世界の一部 泣かないで 待ってるからね |
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