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真夜中に
ちらばる文字をかき集め 並べる そこには昼間より 少しだけゆるんだネジの螺旋 焦点もどこら揺らいだ 視界の中で にっちもさっちもゆかないと 笑いながら 独り言ちては 人差し指がまったりとして 選び出す だれにも選ばれないことが かなしいのじゃなく だれにも選ばれない自分だと 自覚してしまうことが かなしい 少年時代のヒーローは やっぱり日がな一日働いて 言い難い気だるさを腹にためながら 夜はやっぱり発泡酒を飲んでたり 憧れすぎたお姫様 小鳥とはお話できないまま 森の怖ろしい魔王のかわりに 汚いエプロンをつけて キッチンで怖ろしい魔法をかけ続ける 物語を選べと言った大人たちは 今は誰一人として そのことをほじくり返さない 分かっているから ここまできた我々も それを責めるには遅すぎる 世界はそうやって回る お伽話とかわいた発泡酒 お伽話とさびれたキッチン ネジのゆるんだ螺旋の中で 私は今日も 愚痴る。 やれやれと。 |
唄uta
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詳細
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耳が痛い
ヘッドフォン、当たりが悪い 目だけがぎょろぎょろ よく動く そこまで走るなら早くなさいな 号令と白旗は役に立たない そうでしょう? 頑なに握った手のひらには 何が入ってルの? 白線の上で瞼を下ろすことだけができない 大丈夫、なんていえない 知らないことはいえない 希望的観測は舌を転がり 空へと跳ねる 白線の上で肩を上げ 嗚咽を漏らしながら 瞼を閉じられないあの子ども 閉じた手のひらには 何が入ってルの? ヘッドフォンは何から守る? 誰から誰を隔てる? はしれ 目をかっぴらいて 靴を脱ぎ散らして 両手でヘッドフォンを投げ捨てて 裸足で白線を踏み締めて走り出せ 傷だらけの両足を動かすと その赤い耳には、何が聴こえる? 教えて下さいな ほら はやく |
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口に出せない思いを ずっと抱えていて でもまわりは囲まれ 見事な仮面が一人歩き どこにやろうか この淀み、という名の思い また容易く見つかりそうなところではダメ 暗がりでは不意に上昇するからダメ 消しゴムで消したとしても 圧縮された消しカス残るし ああ、いやだ この思いを告げれば いっそ精々するだろうか それとも 目の前に作り出した己の言霊に 怯えて顔も上げられぬか ようするに 決意すら染められず なきにしもあらず なきにしもあらず 済ませる気なんでしょう? ああ、仮面が ああ、仮面が 足元に散らばる 気がつけば どれが仮面か、どれが決意か まいご まいご まいご まいごです わたし、 まいごなんです いわゆる |






