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甲斐智枝美さんの想い出語りの最終回です。
ブログで彼女をこんな形で取り上げる事になるとは…。
波乱万丈の43年の短い人生でしたが、あなたは私の中で永遠のアイドルです。。。
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'82年春、ホリプロから満を持して、1人のアイドルがデビューしました。
その名は堀ちえみ。
御存知の通り、今も大阪中心に子だくさん・おかんパワーで頑張っている、現役ママドルです。
堀ちえみは、健康的で明るくあどけない表情、どこにでもいる身近な女の子という普通な感じが受け、
デビュー直後から大人気!新人賞レースでも大健闘しました。
勿論、ホリプロも久し振りの大型アイドルの出現に総力を上げて、大プッシュ!!!
これまでは、チエミ=甲斐智枝美だったのに、この公式を崩す人気アイドルの出現。
この人の登場で、智枝美さんの存在感は、まさに“風前の灯火”となってしまいました。
3ヶ月毎にリリースしていた新曲もストップし、智枝美さんの先行きを心配していた矢先、
デビュー満2年にあたる6月21日に待望の8枚目のシングルが発売される事に!!!
さらに、シングル発売と同時に写真集発売も決定★
ひさびさの明るいニュースに心躍らせていた私。
しかし、衝撃的な現実が待っていました…。
写真集は何と!ヌードだったのです。
8枚目のシングル「踊り子」に因んで、わざわざスペインに撮影に行ったらしい。
内容も当時にしては過激なモノで、私は並々ならぬショックを受けました…。
ついこの前まで、笑顔のカワイイ典型的“アイドル”が急にアダルト路線って…。
あんまりだよ、ホリプロさん!!!
それもまだ、デビューして2年しか経っていないのに…。
新曲「踊り子」は、大人の女の香りプンプンのアダルト・ムードの曲。
中学生の私には、どうしても受け入れる事のできない曲でした。
現役アイドルの急な転身は、マスコミにも大きく取り上げられ、
久し振りに話題を提供しました。
あるインタビューで、「思い切りましたね〜。どんな心境の変化ですか?!」という質問に対し、
智枝美さんが「はい、思い切ってやりました。私は会社を信じていますから…。」と
涙を誘う発言をしていました。
“仕事だから…仕方無いから、やるだけやりました。”という彼女の心の声が聞こえてきそう…。
私は、この“イメチェン”がきっかけで、甲斐智枝美ファンを辞めてしまいました。
持っていた切り抜き・ポスター・シール、ファンクラブ会報、買い揃えたEP・LPも全て処分し、
気持ちを切り替えました。
しかし、どうしても、生写真1枚と想い出の直筆サイン入りハンカチは捨てられませんでした。
この後、智枝美さんは歌手廃業、女優へ転身されたのでした。
高校生になり、気が向いて、彼女出演の映画「唐獅子株式会社」を観に行きました。
今でいうVシネマみたいな感じで、故・横山やすしさんとかが出演されていて、
とても厳つい、柄の悪い映画でした。
智枝美さんは水商売の女の人の役、もうアイドルの頃の面影のかけらもなく…
フェロモンたっぷりの濃いメークの彼女が、スクリーンに大きく写し出されていました。
同期の松田聖子を始めとする面々は、相変わらず大活躍し、チャートを賑わせているのに。
智枝美さんを通して、芸能界で生き抜く事の難しさを目の当たりにしました。
一緒に行った友人は、「甲斐智枝美、懐かしいね〜!」と一言。
この時、私の中の智枝美さんへの気持ちは完全に吹っ切れました。
月日は流れ…大学生になった私。
その頃、ゴールデンタイムの大映ドラマが全盛期でした。
「ポニーテールは振り向かない」「乳兄弟」そして「花嫁衣裳は誰が着る」。
人気ドラマ「花嫁衣裳は誰が着る」で数年ぶりに甲斐智枝美さんに再会しました。
役柄は堀ちえみ演じる、主人公・千代をいじめる同僚・西山美子の役。
まさに新旧・ホリプロ★チエミ対決です。
結構、この役、智枝美さんにハマッていて、名脇役ぶりを発揮していました。
私自身、このドラマが好きだったので、話の顛末と同時に彼女の演技も楽しめて、一石二鳥でした。
“智枝美さん、いい女優さんになったなぁ。”って、嬉しく思ったりしながら。
その後、智枝美さんは、よみうりテレビの朝ドラ「見上げればいつも青空」に主演され、
地道に女優活動を続けられました。
残念ながら、私はこのドラマを見る事はできませんでしたが。
大学を卒業し、OLになったばかりで多忙な毎日を送っていた
ある日、小さな新聞記事が目に止まりました。
【甲斐智枝美さん、結婚】元・アイドルの高校の同級生と10年越しの交際を実らせて…
という内容でした。
その頃には、すっかり智枝美さんの事は忘れていました。
久し振りに彼女の近況を知って、“智枝美さん、良かった。幸せになって下さい。”と
心から願った事がつい、この前の事のようです。
その時の会見での幸せそうな智枝美さん、長谷部氏の2ショット。
「二人共、子供が大好きなので、たくさん欲しいです。」
「明るい笑顔が絶えない家庭を築きたい。」
当時のこれらのコメントを思い出すと、胸が痛くなります。
芸能界で輝けなかった分、プライベートでは本当に幸せになって欲しいという
ファン心理を持っていた私。
しかし、残念ながら…彼女は突然、自ら人生に終止符を打ってしまいました。
ワイドショーや週刊誌で智枝美さんの“家庭の事情”等が取り上げられました。
彼女は、周囲の人の評判がすこぶる良く、そこに居るだけでパッと明るくなるような人だったそうです。
私が中学生の時に、彼女を見て感じたイメージと重なります。
アイドル時代の雑誌インタビューで、智枝美さんの真面目で一生懸命な性格を
垣間見る事ができました。
「仕事で落ち込む事があっても、次の仕事場では気持ちを切り替える様にしています。
でも、引きずってしまう事もあって…。これではいけないと思っているんですけど…。」
ヌードの時の「私は会社を信じていますから…。」発言といい、
彼女は常にベストを尽くすために努力する人だった様です。
しかし、仕事面ではなかなか報われず、苦労されました。
家庭でも一生懸命、いつでも全力投球で疲れてしまったのかも知れません。
そして、悲劇的な結末に…。
最近は収入面でいろいろ苦労され、パートの掛け持ちをしたり、
同居する義理の御両親のお世話、サッカーをする子供たちの送迎と一手に引き受け、
休む暇なく頑張っていたという智枝美さん。
不整脈もあり、体調に不安を抱えながらも、かつての職場・芸能界復帰も希望されていた様です。
結局、かなわぬ思いとなってしまいました…。
悩みというのは、勿論その当人にしか、わからないものですが…。
思春期のお子さんを2人持つお母さんの立場だった、智枝美さんには生き抜いて欲しかったです。
長男が母親の亡骸の第一発見者というのは、あまりにも辛すぎます。
収入面で悩んで、毎日不安を抱えながら生活している人は世の中に沢山います。
芸能界の荒波を越えて、女優になった智枝美さんに、この波も越えて欲しかった…。
訃報を聞いた時、“智枝美さん、悲運の人だな。”と思いました。
芸能界で「スタア」になれず、家族を残してこんなに早く旅立つなんて…と。
その後、自殺と判明し、上記の様な心境となりました。
今はただ、彼女の御冥福を祈るばかりです。
甲斐智枝美さん、素敵な笑顔をありがとう。
私はあなたの笑顔を忘れません。。。
【終わり】
画像は、当時文通していた子から貰った、智枝美さんの★ブロマイドしおり★です。
今では考えられない位、センスのかけらもない商品ですが、
'80年代はブロマイド全盛期で、人気アイドルのこのようなベタな商品が
たくさん出回っていました。
智枝美さんの服装も懐かしいです!当時は、皆こんな感じの服を着ていました。
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