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メンツ丸潰れの中国。首脳会談中の米軍事行動にモノ言えぬ習近平 国際2017.04.13 33 by 黄文雄『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』 http://www.mag2.com/p/news/246166?utm_medium=email&utm_source=mag_news_9999&utm_campaign=mag_news_0413 共同記者会見も開かれないどころか会談中にシリア攻撃まで行われ、さらに習近平国家主席がその攻撃に理解を示すなど、中国サイドにとってなにひとつ成果がなかったようにも思われる米中首脳会談。しかし中国国内では今回の会談が「大成功」だったと盛んに喧伝されています。メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では、そうせざるを得ない習氏の苦しい事情を解説するとともに、米軍による北朝鮮への先制攻撃の可能性と「平和な時代の終焉」について記しています。 【中国】何が何でも米中首脳会談の「成果」をお手盛りする必要があった習近平 4月6日、7日に行われた米中首脳会談(台湾では「川習会」と呼んでいます。ちなみに台湾ではトランプは川普と書きます)は、結局、共同記者会見も行われず、中国にとって目に見える成果もありませんでした。 一方、アメリカ側は中国に対して巨額の貿易黒字を是正する100日プランを突きつけ、首脳会談中にシリア攻撃を決定し、北朝鮮問題を解決しようとしない中国を恫喝するかたちになりました。 習近平にとっては、対等な大国関係、つまりG2関係について、トランプ大統領が認めてくれるかどうかが最大の関心事でした。しかしトランプの答えは、シリアに対する武力行使と北朝鮮への圧力強化でした。習近平にとっては、一難去ってまた一難ということでしょう。 しかし、中国のメディアではこの首脳会談は成功だったと称賛しています。人民網などは、「中米の新たな青写真を描いた首脳会談」という題名で、米中の経済、貿易問題での協力関係が深まったと評価しています。 ただし、もともとこの米中首脳会談は、中国国内では成功を称賛しなければならない会談だったのです。夏に北戴河会議を控え、秋には共産党大会が開催されます。習近平の人事がこの北戴河会議で決まり、秋の共産党大会でそれが発表されるわけです。 それに向けて、習近平としては何としても米中首脳会談が「成功した」というイメージを国内に流布しなくてはなりません。そのため、アメリカと表立って衝突することは避ける必要があります。 今年3月、国連安保理のシリア化学兵器関連制裁決議案について、中国はロシアとともに拒否権を行使して廃案に追い込みました。 その中国が、今回のトランプ大統領のシリア攻撃を「理解を示した」というのですから、かなりの譲歩でしょう。それだけ、トランプ大統領と正面衝突したくなかったということです。 アメリカ側は、米軍の航行の自由作戦を強化する方針も習近平に伝えています。そして太平洋軍のハリス司令官は8日、原子力空母カールビンソンを中心とする第一空母打撃群を朝鮮半島に派遣しました。 2016年7月、アメリカの共和党は政策綱領に初めて、台湾に対する「6つの保証」が盛り込まれました。この「6つの保証」とは、 台湾への武器売却の期限を設けない 台湾への武器売却について中国大陸と事前に協議を行わない 台湾と大陸間の調停を行わない 台湾関係法の改正に同意しない 台湾の主権に関する立場を変えない 北京当局と協議するよう台湾に圧力を加えない というものです。 今回のトランプ・習近平会談でも、台湾ではこれに抵触するような発言が中国側から出ないか注視していましたが、とりあえず、そのようなことはありませんでした。台湾政府の報道官も、「台米間には想定外のことはゼロ」としています。 となると、やはり中国には成果と呼べるものはなく、アメリカからさまざまな要求をつきつけられただけだということになります。 ここまでアメリカにやられっぱなしでも、習近平としては首脳会談は「成功」だと主張しなければならなかったわけです。もっとも、こうしたことは今回に限りません。 2015年8月、習近平は訪米してオバマ大統領との首脳会談が行われましたが、中国側が求めた習近平の議会演説をアメリカ側は拒否し、両者は目を合わせることもほとんどなく、習近平に対するアメリカ側の冷遇ぶりが目立っていました。 にもかかわらず、中国メディアはこのときの米中首脳会談も「大成功」だと礼賛していました。ところが首脳会談からわずか1ヶ月後、アメリカは南シナ海で航行の自由作戦を発動して中国を牽制するようになったわけです。 今回、もしもアメリカに北朝鮮を攻撃されれば、中国の面目は丸つぶれとなります。習近平にとっては、それは最悪のシナリオです。 すでに中国は突発事態に備えて、中朝国境に15万の兵力を結集させているという話もあります。はたして中国はアメリカの北朝鮮攻撃を阻止するのか、あるいは自ら北朝鮮に乗り込んで金正恩政権を倒そうとしている可能性もあります。 かつて清朝は李氏朝鮮の興宣大院君が壬午軍乱というクーデターを起こした際、朝鮮に攻め入って、大院君を拉致して天津で幽閉したことがありました。同じようなことをやろうと考えている可能性もあります。 世界のメディアなどでは、金日成の生誕105周年である4月15日に北朝鮮が6度目の核実験をするのではないかと目されています。 そしてアメリカの空母カールビンソンはまさにこの4月15日ごろに朝鮮半島周辺に到着する見通しとなっています。 もしも北朝鮮が核実験やミサイル発射を強行した場合、中国はもはや北朝鮮を擁護することはできなくなるでしょう。張成沢の処刑以来、中国と北朝鮮とのパイプは極度に細っており、中国としても我慢の限界を超えることになるでしょう。 このメルマガでも以前に報じましたが、金正日以来、北朝鮮の核実験やミサイル発射は、中国を牽制する意味があり、北朝鮮では中国こそ最大の敵として見なしているのです。 アメリカの行動は習近平にとっては、まさしく「悪夢」になるでしょう。すべてが中国国内の権力闘争の行方にかかわります。せっかく「核心」と呼ばれるようになったにもかかわらず、習近平の権力完全掌握を阻止する動きが活発化する可能性が高くなるからです。習近平の命綱は、アメリカの北朝鮮への動向にかかっているといっても過言ではありません。 中国と朝鮮半島との関係は、少なくとも歴史的には統一新羅以来、ずっと宗属関係にありました。現在の中国では、朝鮮半島は一つの国であるよりも、多くの国々に別れていたほうが利用価値が高くなっています。 現在の中国にとって、番犬としての北朝鮮の利用価値がなくなったとき、厄介者になるのは必然です。朝鮮半島が多くの国に分裂していれば、一つの国を支援することで、他国を牽制することもできます。一時的に中国と韓国が蜜月関係になった時期がありますが、そうやって利用することができます。 これまで朝鮮半島は、近現代史のなかで、英・仏・米・日・清・露との間で、力関係を利用しながら、清の朝鮮省や露の沿海州への編入を避けてきましたが、「東洋の永久平和」という大義名分のもとで、列強は新興勢力の日本に「日韓合邦」を押し付けました。「ノー」と言えない日本は、いやいやながらもこの厄介者と関わるようになったのです。 現在は北と南に別れていますが、米露日中のどこが「火中の栗」を拾うことになるのか、非常に気になるところです。 韓国の大統領選は、はじめは最大野党「共に民主党」の文在寅が独走状態だったのですが、最新の世論調査では第二野党「国民の党」の公認候補・安哲秀が文を初めて支持率で追い抜きました。アメリカの対北朝鮮の実力行動によって、朝鮮半島はまた情勢が変わってくるでしょう。 北の金正恩体制は、アメリカに対する反撃能力はなくても、韓国や日本を襲撃する可能性が高まってきています。戦後日本は、冷戦があっても、目下のサイバーウォーがあっても、「無風状態」が続いてきました。しかし、世の中はそれほど甘くはありません。日本にとっては、グローバリズムが消えつつある現在、その対応力が問われる新しい時代が到来しようとしています。国会での政争ごっこやマスメディアの政権批判は相変わらずですが、少なくとも憲法前文に謳われているような、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、安全と生存を保持する」ことが可能な時代ではありません。『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』 著者/黄文雄(記事一覧/メルマガ) 台湾出身の評論家・黄文雄が、歪められた日本の歴史を正し、中国・韓国・台湾などアジアの最新情報を解説。歴史を見る目が変われば、いま日本周辺で何が起きているかがわかる! 【コメント】 この記事はとても大切な指摘をしていると思います。 「アメリカに叩かれた中国、ざまあみろ!」 などと愚かで刹那的な欲望に飛び付いてはダメです。 この結果、どういう化学反応が起こってしまうのか。 日本への逬りがあり得るという陰鬱な予想です。 全くその通りです。
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中国
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ISISが中国にテロ予告 ISIS Fighters From China's Uighur Minority Vow to 'Shed Blood' at Home 2017年3月3日(金)16時00分 ジャック・ムーア http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/03/isis-100.php http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170303-00187513-newsweek-int 中国でテロを起こし、あたりを「血の海にする」と脅す動画を、テロ組織ISIS(自称イスラム国)が公開した。ISISが中国をターゲットにするのは初めて。 ISISが中国を狙うのは、中国西部、新疆ウイグル自治区の少数民族、ウイグル族(トルコ系イスラム教徒)を弾圧してきたから。月曜に公開された30分間の動画には、イラクで訓練を受ける中国出身のウイグル族戦闘員らが映っていた。 中国にはウイグル族によるイスラム教徒の分離・独立運動があり、国家安全保障に対する重大な脅威として中国当局は警戒を強めてきた。 イスラムテロ組織を監視する米団体「SITEインテリジェンスグループ」の翻訳によると、動画の中である戦闘員は「虐げられた人々が流した涙に報いるため、神の意志により、川のようにお前たちの血を流してやる」と言っている。別の戦闘員は「邪悪な中国共産主義者は、反イスラムの追従者だ」と非難した。戦闘員らが礼拝や演説を行う場面もあった。 【迫害を逃れて】 ISISが中国への攻撃を予告したのも、ウイグル族がISISへの忠誠を誓ったのも今回が初めて。ただしISISは2015年11月に中国人の人質ファン・ジンフイ(50)を殺害し、中国外務省も後に事実関係を認めた。米ワシントンのシンクタンク「ニューアメリカ財団」は昨年7月、戦闘員としてISISに参加する目的で、少なくとも114人のウイグル族がイラクやシリアに渡航したと報告した。 2015年12月には中国で不満を持つイスラム教徒に向けて戦闘員の勧誘を行ったこともある。米紙ニューヨーク・タイムズによると、ISISはイスラム教の宗教音楽ナシードやチャントを北京語で録音して投稿。「目を覚ませ」「武器を取って戦え」と訴えた。 新疆ウイグル自治区を「東トルキスタン」と呼ぶ分離・独立派のウイグル族は、中国政府による迫害、信教の自由の抑圧、雇用や教育や居住に関する差別に不満を抱く。長い髭やイスラム教徒の被り物を禁止し、断食月であるラマダンを妨害するなどの弾圧もある。 報復でウイグル族が漢族を襲うこともあり、新疆ウイグル自治区では近年、暴動で多数が死亡している。 中国政府はそうした暴力のほとんどが「東トルキスタン・イスラム運動」(ETIM)の仕業だと批判する。ETIMは中国国内で起きた複数の襲撃事件について犯行を認めた。2013年10月に北京の天安門広場にトラックが突入・炎上して5人が死亡した事件も、ウイグル族による犯行だった。 中国外務省の耿爽報道官は水曜の記者会見で、中国当局は「あらゆるテロに反対し、テロの撲滅に向けた国際的な取組みに積極的に参加する」と述べた。 「東トルキスタンの分離派やテロリストを壊滅させるため、我々は国際社会と連携して取り組む用意がある」 【コメント】 テロよりも質の悪い国家がテロと戦い始めることになるのかな。
とはいえ、テロは怖い。とても怖い。 |
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中国、韓国旅行を全面中止 旅行会社へ通達 THAAD配備の報復か 産経新聞 3/4(土) 7:55配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170304-00000082-san-kr 【ソウル=桜井紀雄】中国当局が国内旅行社に対し、韓国旅行商品の販売を全面的に中止するよう指示したと、韓国メディアが一斉に報じた。THAADの韓国配備に対する本格的な報復の一環とみられ、系列ゴルフ場を配備地に提供した韓国ロッテグループへの狙い撃ちも相次いでいる。 複数の韓国メディアによると、中国国家観光局は2日、北京の旅行社に対し、団体、個人を問わず、15日から韓国への旅行商品の販売をやめるよう口頭で通達した。地方でも同様の指示が伝えられているという。 昨年韓国を訪れた中国人旅行者は約800万人とされ、外国人旅行者の半数近くを占める。航空券の個人購入を除いて韓国渡航が制限されることになり、旅行者が400万人程度減るとも危惧されている。 一方、ロッテがTHAAD配備先に関して国防省と契約した2月28日、同社の中国向けホームページがダウンした。今月2日にはロッテ免税店のサイトが一時利用できなくなった。中国からのサイバー攻撃とみられている。 また、中国大手通販サイトのロッテのコーナーが突然閉鎖されたほか、ロッテの店舗や系列会社への中国当局の一斉点検も繰り返されている。 中国の報復とみられる動きに対し、大統領権限を代行する黄教安(ファン・ギョアン)首相は3日、与党との会議で「必要な対策を講じる」と述べた。 【コメント】 ひゃあぁあぁあぁ・・・。 あまりに露骨な態度。 どこぞの国にそっくり。 どこ? USOだね。 OじゃなくてAだった。 ただ、中国の方が格段に下品というだけ。 そして、反日教育という歪んだことを続けているというだけ。 韓国への態度を見ていれば、この国は何所に対しても牙を剥き出しにする。 とても危ない。 中国の国防費、初の1兆元超えへ 前年比7%前後の増加 朝日新聞デジタル 3/4(土) 12:38配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170304-00000045-asahi-int 5日に開幕する中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の傅瑩(フーイン)報道官は4日の記者会見で、2017年の国防予算案の伸び率について「(前年比で)7%前後になる」と明らかにした。2年連続で伸び率が1桁にとどまった。ただ、主要国の中では依然、突出した伸びを維持しており、史上初めて1兆元(約16兆5千億円)の大台を超えるのが確実となった。 昨年の国防予算は前年実績比7・6%増の9543億5400万元で、6年ぶりに伸び率が1桁台にとどまっていた。中国経済の減速などが背景にあるとみられるが、2年連続で1桁の伸び率でも、引き続き米国に次ぐ2位の規模を維持する。 日本の防衛予算は07年に中国に抜かれた。中国の国防予算は、日本の17年度の防衛予算案5・1兆円の3倍を超える規模となる。 【コメント】 ひゃあぁあぁあぁ・・・。 この暴走は絶対に止まらない。 アメリカが中国より軍事的に圧倒的に強いので、中国は暴走しない。 それが何等かのバランスで崩れたときが怖い。 ただ、不健全な組織は内部崩壊するのかもしれない。
それが中国史の指し示す歴史でもあるから。 |
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「あのドキュメンタリー動画なら、私も見ました」――
中国の友人らが口々に「見た」と言うのは、今年3月、PM2.5問題を取り上げたネット映像「穹頂之下(Under the Dome)」だ。中国の女性記者が中国の大気汚染の実態について私財を擲って取材したもので、今年2月28日、動画は「人民網」で104分にわたって放映された。 中国では多くの人々がドキュメンタリー動画を観た。わずか1日で中国本土での再生回数は1億5500万回を超えたとも言われ、予想以上に中国社会に大きな波紋をもたらした。
「PM2.5問題は人災だ」と結論付けたこのドキュメンタリーは、その後、当局による削除に遭ったのだろう。全人代開幕直後の3月5日以降、掲載サイトの人民網から姿を消してしまった。
PM2.5の原因についてはさまざまな憶測が飛んだが、この報道によりそのひとつひとつが明らかになってきた。果たして「応援の報道」となるかどうかは未知数だが、少なくとも映像の内容を日本人にも知ってもらう価値はある。同映像をプロデュースし、キャスターも務めた女性記者・柴静のレポートを、この原稿で再現してみたい。「穹頂之下」は、中国在住の一部の日本人の間でも話題になった。中国に在住する北岡峰幸さん(65歳)は、この映像を見て衝撃を受けたひとりだ。筆者の連絡先を探し出し、メールでこう伝えてくれた。 「私もたった今この映像を見ました。中国のPM2.5問題、国外からも応援の報道を伝えれば、健全な中国化に対する応援ができるのではないでしょうか」 【スモッグによる健康被害はPM2.5問題のはるか以前から存在】 2013年1月、北京は25日が「雾霾(Wumai、スモッグ)」だった――映像はそんな衝撃的なフレーズから始まった。2014年、中国各地の空気汚染日数を数えた。天津197日、瀋陽152日、成都125日、蘭州112日、石家庄264日。一年の半分以上を家の中で暮らす人は少なくない。 柴静記者は2013年からPM2.5問題を取材し始めた。浙江省や河南省、江西省を取材で駆けまわるが、北京に戻って妊娠が発覚する。だが、お腹の子どもにはすでに腫瘍があった。「家族が健康でありさえすればいい」と、彼女はCCTV(中国中央電視台)の職を辞した。 小さな命を授かり、柴静記者はいっそう環境問題を重視するようになった。腫瘍摘出手術は成功し、その後、子どもはすくすくと成長した。だが、大気汚染を理由に家から出してもらえない。タイトルの「穹頂之下(Under the Dome)」は、スティーブン・キングの原作に基づくアメリカのドラマだが、ここでは中国の人々は「大気汚染」というドームの下で生きていることを意味するものだ。 この「雾霾」の正体とは何か。それがどこから来たのか、そして私たちはどうしたらいいのか――彼女の取材はこの3点を軸に大きく展開した。 日常生活の視界さえさえぎる雾霾(Wumai、スモッグ)の割り出しにかかった柴静記者は、まずサンプル計測器を背負って1日を過ごした。24時間後、取り出してみると真っ白だったフィルターは真っ黒に変色していた。これが微小粒子状物質PM2.5の実態である。粒径2.5μm(2.5mmの千分の1)以下の 粒子状物質で、健康に影響が出る可能性が高くなる濃度水準は1日平均値70μg/立方mだと伝えられている。 PM2.5の平均濃度はWHO(世界保健機構)の1日平均値で25μg/立方m、米国は37.5μg/立方m、中国は75μg/立方mとされているが、北京での実測値はなんと305.91μg/立方mであり、これが人々の体内に入り込んでいたのだ。しかも、真っ黒になったフィルターからは15種の発がん性物質が検出された。中でも発がん性リスクの高いベンゾピレンは、中国の基準値の14倍にも達していた。 柴静記者の疑問は膨らむ。「北京を見渡しても、もはや工場の煙突はないのになぜ?」 映像には元衛生部部長と称する人物が映し出され、「中国では毎年50万人が早死にしている」と、大気汚染を原因として死亡する数が増加していることを告げた。2013年1月、世界も謎のPM2.5に騒然としたこの1ヵ月間に、中国27都市では雾霾による急患が10〜15%と爆発的に増加した。中国では、外出したこともない乳幼児が肺炎に罹り、タバコを吸ったこともない成人女性が、粉じんを吸って真っ黒な肺になるような事態が起こっている。 柴静記者はさらに疑問を投げかける。
「雾霾が認識されたのはこの2〜3年のこと、なぜそんなにも早くガンになるのか」
彼女はある報道に注目する。それは2004年の「北京首都空港、霧により近年最悪の遅れ」と題した新聞報道の記事だ。当時、霧だと思われていたのは、実は「雾霾」だったのだ。 中国の内部資料「我国二十六城市大气ホロ染与居民死亡情况調査 1976-1981」は、当時、すでに大気汚染の程度と住民の発がん死亡率の分布は一致していることを告げていた。 振り返れば、1980年前後、北京市内には3700の工場があった。農業国家の中国にとって「煙突」こそが進歩の証。当時の大気汚染の最大の原因は「煤煙性汚染」だったという。政府はそれを認知していたが、国民が知ることはなかった。中国では工業化の道を歩んだ過去30年間で、肺がんによる死亡率は4.65倍に上昇した。 【経済を優先させるため工場の違法垂れ流しを黙認】 柴静記者は「2006年の年平均のPM2.5の濃度は、こんにちよりも高かった」と告げる。中国ではこの年から「節能減排」(省エネ・排出削減)のスローガンを掲げ、二酸化硫黄に排出基準を設けるようになった。 これにより、主要な大気汚染物は下降した。しかし微小粒子状物質は増加し、極端に重度の汚染日数が増加した。2012年からは「大気汚染防止行動計画」に基づき、PM2.5が観測の対象になった。柴静記者は「毎朝起きてまず、スマホの空気質量指数を確認する、北西の風ならマスクをつける」と語る。中国ではそんな生活習慣が定着するようになったのだ。 微小粒子状物質の発生源の1つは、化石エネルギーの燃焼である。燃やす石炭と油の汚染物が、大規模な化学反応を起こすという。柴静記者の取材を受けた北京大学環境学部教授は、この微小粒子状物質について「大気中の多種多様な物質が多種多様な化学反応を起こすことに由来する」と語った。 映像は鉄鋼業をクローズアップした。中国では2013年、依然36億トンもの石炭を燃焼させた。その量は世界の国々の合計よりも多い。これは中国が世界の50%以上の石炭を燃焼をしていることを意味する。しかも、36億トンのうち河北省における燃焼が3億トンを占める。中国北部に鉄鋼業を中心とした工場が集中していることがわかる。 柴静記者は、ある製鉄所に乗り込んだ。そこで嗅いだのは二酸化硫黄の臭気だった。脱硫装置の設置が義務付けられながらも、その実態は無視されており、汚染を大気中に垂れ流していたのだ。 直後、彼女は中国環境部を訪れる。カメラは「60%の鉄鋼企業が許認可も得ずして勝手に経営している」と話す環境部の部門長を映し出した。「なぜ取り締まらないのか」という彼女の疑問に、環境部は「閉鎖できると思うのか、取り締まれると思うのか」と開き直る。その理由を次のように語る。「(取り締まれば)10万人が職を失ってしまう。河北省の製鉄業界は、もはや取り締まれないほどに発展してしまったのだ」。 一方、柴静記者は「質の低い石炭」の使用が増えていることを懸念する。中国では石炭消費が伸びる一方で、未成熟の石炭の取り扱いが増えているのだ。これを燃やすとすぐに黒い灰となり、空中に舞い上がる。2013年10月、ボイラーを焚き始めたハルビンではPM2.5の数値が1000μg/立方mにも上昇した。2000トンを超える「質の低い石炭」を一気に燃焼させたのが原因だ。 【官民の癒着と法律の空洞化、当局は責任のなすり合い】 一方、中国の自動車社会の発展もPM2.5問題を引き起こした。柴静記者は「東京では人口の9割が公共交通を利用する、北京では人口の3〜4割がマイカーを運転する、しかもたった1キロ先のスーパーに行くのにもマイカーを使う」と指摘する。 その一方で、大型トラックの違法性にも言及した。中国では生産時に排気の後処理装置を装備し、車体にこれを証明するシールを貼るのが通例だが、実際は装備していない車体にもシールが貼られている。 専門家たちが「有効な手立ては管理あるのみ。法律を厳しくして執行するしかない」と提言する一方で、水面下では環境保護部、工業と情報化部、国家品質監督検査検疫総局が互いに責任のなすりつけ合いを行っている。「大気汚染防止法53条」には「監督管理部門が法により違法行為を停止することができる」とあるが、柴静記者はこれが一度として執行されたことがないことを暴く。その理由は明白だ。「第53条」には、どこの誰が管理するのかが明示されていないためだ。 柴静記者は、給油中に漏れるガソリン臭にも言及し、「ガソリンの質を向上させれば排気量は10%削減できる」と主張する。なぜ中国のガソリンの質は低いままなのか。石油化学業界は「中国の“基準”が低いからだ」という。だが、蓋を開ければ、基準を決定する委員会メンバーは、ほとんどが石油化学業界の人物である。基準値を上げれば、当然、石油化学業界は利益を失うのだ。 いまや2兆元(1元=約19円)の営業利益を生み出す、石油化学業界の雄、中国石油集団。それはあまりに太りすぎた。環境局はもはや指導すらできず、またガソリンの質を検査する権利もない。 柴静記者は過剰生産も遠因とし、「中国では同じような製鉄所がひしめき、価格と量で勝負のもと、低質なものを作っている」と解説する。1トンの鉄鋼を生産して得られるたった数元の利益のために、青い空を汚しているのだ。 続けて彼女は「中国の上場鉄鋼企業は、隔年で20億元もの補助金を得ている」と暴く。たとえひどい赤字企業もだとしても、上場廃止をさせないよう、こうした手段を使うのだという。これだけ大量の金融資源を空費し、経済リスクを招きながらも拡大を止めない鉄鋼業。言わずもがな、巨大産業の裏では腐敗が生まれているのだ。 収賄罪で無期懲役が科された国家エネルギー局の前局長・劉鉄男が法廷で語った言葉、彼女はそれをクローズアップした。
「もともと市場にあった権力を市場に戻すこと、これこそが腐敗の抑え込みになるだろう」。
【政府を動かすには市民運動が必要との声も】 最後に柴静記者は“民の意識の重要性”を説いた。「12369」に電話をすれば環境部のホットラインにつながると、「通報」というアクションを強調する。ひとりひとりの意識の高まりが中国を変える――、このドキュメンタリーを見た中国の多くの視聴者が、彼女のメッセージに動かされた。 さて、中国の市民は近年の大気汚染をどう受け止めているのだろうか。筆者は冒頭で紹介した北岡さんのご協力で、若い世代の声を集めることができた。その中からいくつかを紹介しよう。コメントからは、汚染が一般市民にとって身近に迫っていることがわかる。
「私は18階に住んでいるにもかかわらず、窓を開けると埃がいっぱい入ってくる」(上海市在住・男性・33歳)
では、どのように解決したらいいのだろうか。安徽省出身で、浙江省に在住する女性(29歳)は「市民運動が大事」だと主張する。「大気汚染の解決は政府の仕事だが、政府を動かすのは民間がやるべきことだ」(同)「河北省の故郷ではスモッグが発生している。原因は鋼鉄工場とセメント工場。一日でも早く改善してもらいたい」(河北省出身・男性・29歳) 「部屋を一日掃除しないと埃だらけ。環境汚染もひどく、その状況は川を見れば一目でわかる」(上海市在住・男性・28歳)。 「私の家は通りに面している、近年はマイカーが普及して、排気ガスと騒音に悩まされている」(上海市在住・28歳・女性) 「私の故郷では子どもの頃にあったはずの青空がなくなった。晴れていても星空が見えない」(河北省石家庄市出身・女性・33歳) 「大気汚染は切実な問題、明らかに咳をしている人が増えた」(天津市出身・女性・30歳) 日本への期待も高い。若い彼らは異口同音にこう語っている。
「過去に日本が大気汚染を解決した貴重な経験を、中国人にも教えてほしい」。
柴静記者は、この取材であらゆる角度からPM2.5の実態を究明し、その原因は複合的であることを告げた。だからこそ、政府の力だけでは太刀打ちできない。彼女が最後に結んだように、その解決策は、市民一人一人の参加でしかない。 一方、中国の大気汚染は日本にも迫る。今月22日、福岡県内でPM2.5の濃度が急に高まる事態が発生した。県内の福岡地域と北九州地域では外出を控えるなどの注意喚起が出された。同県では天気予報とともにその日のPM2.5の平均濃度も報じられているように、県民は常にPM2.5の脅威と背中合わせだ。 上海に駐在経験を持つ北九州市在住の男性はいう。
「北九州の空も上海の空と同じ。晴れているが青空が見えない」
今や環境問題は日中の市民ベースでシェアできる共通のテーマである。柴静記者のレポートとともに、中国国民の環境への意識はさらに高まった。これをきっかけに日中の民間交流がさらに幅を広げ、深まりを見せることに期待したい。【コメント】 怖いね・・・。 ひゃー・・・。
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世界のゴミ捨て場と化した中国 流入する海外ゴミと溢れる国内ゴミ 北村 豊 2015年2月27日(金) http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20150225/277953 2月22日付の“人民網(ネット)”は、国営通信社「新華社」の“張鐘文”という記者が浙江省“杭州市”から報じた「浙江省のある村、ゴミに悩まされて27年、政府の承諾はいつも空手形」という記事を掲載した。その内容は以下の通り。 【27年放置のゴミ村】 1. 今年の“春節(旧正月)”、記者(張鐘文)は浙江省“温州市”の管轄下にある“蒼南県”の“金郷鎮橋頭連村”にある実家へ帰って旧正月を迎えた。しかし、橋頭連村が過去27年間も悩まされて来たゴミ問題が未だに何ら解決されていないとは思ってもみなかった。村に入ると、遠くの道路に白煙が漂い、大量のゴミがぼんやりと見えた。近づいて見ると、本来4m幅の道路の半分はゴミに占拠されていた。道路に沿って山を上って行くと、各種の生活ゴミ、軽工業廃材、病死した動物の腐った肉などが堆積しているのが見え、一番高いゴミの山は2階建の建物に匹敵した。ゴミ焼却による大量の白煙が噴き出しており、その臭いは鼻を突いて耐え難く、たとえマスクをしたとしても吐き気を禁じ得ないほどのものだった。 2. “村民委員会”主任の“林為根”によれば、ゴミが堆積している道路は村の主要道路ではないものの、隣接する“炎亭鎮”につながる緊急道路で、大量のゴミに占拠されて車両が通行不能となっているという。“共産党橋頭連村支部”の前任書記である“林義塊”によると、ゴミの投棄が始まったのは1988年であり、投棄したのは環境衛生部門の車両であった。本来のゴミの投棄場所は山の上であり、夜を徹して焼却していたから、黒煙がもうもうと立ち上っていた。その後、山上が満杯となったことから、2000年から山下の道路に投棄するようになったのだという。 3. 林為根の話では、歴代の村幹部は間断なく金郷鎮政府や蒼南県政府に問題を提起し、その都度政府は数カ月以内にゴミ投棄を止めると約束したが、その約束が守られることはなく、問題は27年間解決されぬままとなっているのだという。林為根によれば、2014年4月に彼は蒼南県の“衛生局”および金郷鎮政府に電話を入れて解決を迫ったところ、金郷鎮政府は5月からは投棄しないと約束したが、これも守られることなく現在に至っている。 4. 今年の春節(2月19日)の早朝5時頃、「“環衛(環境衛生)”」というマークがついたトラック数台が大量の“鞭炮(爆竹)”や紙くず<注1>を投棄して行った。これに文句を言うと、金郷鎮の“環衛所”の所長が村にやって来て、春節期間中はゴミを投棄しないと約束すると同時に、別の投棄場所さえ手配できれば、橋頭連村にゴミ投棄はしないから、村幹部が鎮政府へ出向いて問題を処理するよう要求して帰って行った。 <注1>中国では春節前日の夜11時過ぎから午前0時の春節明けまで、1時間にわったって花火を打ち上げたり、爆竹を鳴らしたりして、魔を切り、神を迎える。 5. 筆者が金郷鎮“環保監理所(環境保護監督管理所)”に電話を入れたところ、副所長が電話に出て、同所は工業ゴミだけを管轄しており、生活ゴミは関係ないと答え、ゴミの投棄場所は村と鎮政府が協議して決めたものであると応じ、橋頭連村の状況はよく知らないし、鎮政府から何らかの指示を受けたこともないと答えた。そこで、筆者は金郷鎮の副鎮長である“黄昌堯”に何度か電話を入れたところ、ようやく電話に出た黄昌堯は、「すでに環保監理所に対応するよう指示した」とだけ述べて電話を切った。さらに筆者は、蒼南県の“衛生局”に電話を入れて副局長と話したが、彼は村民が鎮政府と話をすればよいとだけ答えて電話を切った。筆者は県の“環境保護局”にも電話を入れたが、誰も電話に出なかった。橋頭連村の村民たちは、浙江省は現在全省挙げて環境整備に注力して好成績を上げているというのに、どうして我が村の長年の問題は解決されないのかと嘆いている。 【ゴミは政治的弱者へ】 上述の橋頭連村と類似の問題は中国各地に多数存在する。地方政府にとってゴミ処理は極めて厄介な問題であり、政治力の弱い村落にゴミを投棄することで一時しのぎを図る。その後は、県政府と鎮政府がその責任の所在をあいまいにすることにより、臭いものに蓋をし、当該村落へのゴミ投棄を永続的なものとする。その結果として、村民に健康被害がでても、地方政府は知らぬ顔の半兵衛を決め込み、村民が騒いでも暖簾(のれん)に腕押しを続ける。それがいつか表面化してメディアに叩かれると、地方政府は初耳のような振りをして責任を回避し、慌てて善処策を検討する。ただそれも、メディアの熱が冷めれば、元の黙阿弥となり、当該村落へのゴミ投棄が再開されることも稀ではないのである。 一方、2015年1月5日、新華社は『中国はすでに世界のゴミ捨て場となったという説は決して大げさな話ではなくなった』と題する記事を発信した。同記事がその根拠としたのは以下の3つのデータである。 1. 英国紙「デイリー・テレグラフ(The Daily Telegraph)」は、英国は2012年に17個のコンテナで420トンの生活ゴミを輸出したが、そのうちの7割は中国を含む東アジアへ運ばれたと報じた。 2. 米国国際貿易委員会(ITC)の統計によれば、2000年から2011年までに、中国が米国から輸入したゴミ・スクラップの取引額は7.4億ドルから115.4億ドルに急上昇し、2011年には中国の対米輸入総額の11.1%を占めた。 3. 2007年1月、経済紙「上海証券報」は、2003年に中国のプラスチックゴミ、くず鉄、紙くずの輸入量は、それぞれ1990年の125倍、50倍、21倍となったと報じた。 【海外ゴミ流入も深刻化】 上記の前提の下で、記事は、海外から輸入された“洋垃圾(海外のゴミ)”(以下「海外ゴミ」)が中国国内の生態環境にもたらす影響および国民の健康に及ぼす被害は甚大であり、金銭で換算することは到底不可能であるとして、「我々がたとえどんなに貧しくなろうとも、海外ゴミの加工で財をなすところまで落ちぶれることはできない。たとえどんなに困難であろうとも、海外ゴミを宝物と見なすことはできない。それを許せば、中国は世界のゴミ捨て場と化す」と論じている。そしてさらに、中国国内で排出されるゴミがすでに地方政府の頭痛の種となっているというのに、どうして世界各地の海外ゴミを受け容れることができようかと締めくくっている。 新華社は中国“国務院(日本の内閣に相当)”直属の国営通信社である。その新華社が「中国はすでに世界のゴミ捨て場と化した」と、本来なら隠ぺいしておきたい事実を自ら認める記事を発信したということは、中国にとってゴミ問題が極めて深刻な状況にあることを暗示している可能性が強い。中国が“面子”を捨てて、自国の体面を汚すような記事を発信せざるを得なくなった理由は何なのか。 13.7億人の人口を抱える中国は、過去20年間の急速な富裕化によって物質文明を謳歌するようになり、節約という伝統的美風が急激に失われ、国民は使い捨て文化に抵抗を感じなくなった。市場にはありとあらゆる種類の商品が並ぶが、一般に品質が悪く、寿命が短いことから、廃棄されるまでのサイクルが短く、先進諸国に比べてゴミの排出量が多い。さらに、伝統的にゴミ処理は埋め立てに頼って来たことから、ゴミ焼却施設が依然として不十分であると同時に、国民にゴミ分別の意識が乏しく、分別規則を作っても進んで順守しようとする人が極めて少ないのが現状である。 【ゴミ分別は進まず、大気汚染は進む】 一方、PM2.5に代表される大気汚染は中国全土を覆い、健康被害が報じられるようになったことで、中国国民の環境保護に対する意識はますます強化されつつある。この結果、都市部におけるゴミ焼却場の建設計画は住民の反対運動により遅々として進まず、埋め立て処分場は満杯となって、年々増大するゴミは処分場所を求めて農村部へ運ばれて行く。こうして、上述した橋頭連村のような堆積したゴミによって占拠された農村が全国各地に点在する状況を作り出しているのである。 国内のゴミだけではない。すでに述べたように、中国には世界各地から大量の海外ゴミが輸入されている。フリーランスのカメラマンである“王久良”は3年間を費やして中国沿海部の各省を踏査し、中国が膨大な量の毒性の強い海外ゴミによって包囲されていることを発見した。しかも、その海外ゴミは諸外国より2倍以上の高値で中国へ輸入されていたのである。王久良はメディアのインタビューに応えて、次のように述べている。 これらの高値で買い入れた海外ゴミは、中国沿海部にあまねく分布している大小様々な“廃旧塑料回収工廠(廃プラスチックリサイクル工場)”へ運ばれる。工場に搬入された海外ゴミは洗浄した後に粉砕処理されるが、その過程で大量の水を消費する。その廃水は何ら処理されることなく直接に周辺の河川へ排出され、有毒物質を含んだ河川水は魚や蝦などの生物を絶滅させる。河川水のみならず、地下水の汚染も深刻なものとなり、井戸水は飲めなくなり、農民たちは水を買って生活することを余儀なくさせられている。粉末処理された後の残渣は焼却されるが、そこから発生する有毒ガスは人々の健康に多大な影響を及ぼしている。 こうした工場で働くプラスチックを分類する労働者の大多数は農村の婦人たちであり、彼らの賃金は毎月わずか700〜800元(約1万3000〜1万5000円)に過ぎない。最年長の婦人は70歳以上で、工場の操業以来20年以上もここで働いているが、彼女の両手の関節は変形し、S字型に湾曲してしまっている。授乳期の婦人はゴミの山の上で子供に乳を与えている。子供たちはゴミの山の中を駆け巡り、無邪気に医療ゴミの中から注射器の管を拾って玩具にしており、時にはそれを口にくわえて遊んでいることもある。 【空気も水も悪いが、カネは良い】 王久良は働く婦人たちに「どうしてここで頑張って働き続けるのか」と尋ねたところ、ある婦人がこう答えた。すなわち、本当は働きたくはない。これらのゴミは汚いだけでなく、汚染されているので、身体に悪いことはよく分かっている。但し、生活して行くためには、嫌でも働かざるを得ない。空気は悪いし、水も悪いが、カネは良い。毎月700〜800元も稼げるのだから。 2014年5月に中国政府「人力資源・社会保障部」が発表した統計によれば、2013年末時点における“外出農民工(故郷を離れて働く出稼ぎ農民)”の平均月収は2609元(約5万円)であった。上述した婦人たちは“本地農民工(故郷で働く出稼ぎ農民)”であるが、それにしても月収700〜800元は低すぎる。それでも貧しい彼女たちにとっては貴重な収入源なのである。婦人たちをこのような低賃金で働かせている工場主は、多大な利益を稼ぎ出しているのが実情で、ここにも貧富の格差の縮図が見える。 さて、本題に戻る。1月5日に新華社が配信した『世界のゴミ捨て場』の記事は、「海外ゴミで財をなすところまで落ちぶれることはできない」、「海外ゴミを宝物と見なすことはできない」と述べているが、これらはすでに中国国民も知る既成の事実であり、どんなに虚勢を張っても否定することはできない。そればかりか、国内ではゴミを埋め立てようにも場所がなく、焼却しようにも新規の焼却施設が建設できず、都市部が持て余したゴミを農村部に不当に投棄する状況が今後も続くようなら、中国が真の意味で「世界のゴミ捨て場」となり、世界に冠たるゴミ捨て場になることは間違いない。 今年2月に改定して公布された『“軍隊基層建設綱要(軍隊下部組織建設綱要)”』の第二条第5項には、人民解放軍の任務に”維護社会穏定(社会の安定を守る)”という言葉が新たに追加された。従来、社会の安定維持は“武装警察”の主要任務であり、国防を主体とする軍とは一線を画していた。中国では環境保護を名目とするゴミ焼却場建設反対などの“群体性事件(集団抗議行動)”<注2>が年々増大しており、地方政府の各種建設計画の推進に大きな障害となっている。“維護社会穏定”がテロ防止などを意味するのであれば問題ないが、軍隊が環境保護を目的とした集団抗議行動の鎮圧に使われることになれば、由々しき事である。 <注2>集団抗議行動の発生数は2012年時点で年間20万件を超えたと推定されている。 中国が「世界の工場」と呼ばれた時代は去り、今や中国は「世界のゴミ捨て場」と化した。この汚名を一刻も早く返上することは、世界第2の経済大国である中国にとって責務である。 【コメント】 ゴミ処理の最先端技術は必要無くて、初期投資の掛からない程度のゴミ処理で手軽に金を稼ぐことしか頭に無いし、それを国として止めることが出来ない。PM2.5も話題になっているが、中国が対策に乗り出したという話は聞かない。直ぐに金にならないことはやらない。典型的な中国の姿に思える。この拝金主義が中国のゴミの輸入を加速させていて、その欲望の前には豚ペーこと習近平も為す術が無いんだろうね。 日本の川崎重工の技術を丸々パクって「自前の技術だ」と嘯いて、「日本よりも速いぜ300キロ超え♬」と刹那的なスピードばかりを追求して、それで起こるべくして起こった脱線事故。その脱線した高速鉄道を埋めちゃった無きことにしようとした。証拠隠滅のためだけに。中に乗っていた人も救出することも無く、生き埋めにしようとした。そのようなことを世界で一番携帯電話を購入してそうな国なのに平気でやって退ける。誰かが不幸な事故に遭遇して、今直ぐに助けが必要だというのにそれを携帯で写真を取り捲る中国人の様子を紹介したゴシップ記事も全世界で有名だ。そんなお国柄なのを自分達でも承知しているはずなのに。でも、そんなトンデモナイことをやっても、鉄道関連の人達が中国で大々的に罰せられたという話は聞かない。中国共産党の中でも鉄道を管理している部門は政治力学が強いようで、その程度のことではビクともしない。そこを突けば、何が出て来るか分からない。髪の毛で醤油を造る会社はその経営者は死刑だと対応しているのとは偉い違いだ。どちらもトンデモナイことなのだけれど、醤油メーカーには豚ペーに反発するだけの力は全く無い。だから、高圧的になる。強気を助け弱気を憎む。ゴミの輸入を押し進めている勢力も中国では相当な勢力なんだと思う。やればやっただけ儲かるし、環境なんて糞食らえという態度は如何にもマフィアが飛び付きそうなビジネスだ。そう思える根拠は明確だ。こんなに単純なビジネススキームなのだから、潰す理屈も明快だ。税関で止めちゃえば、簡単にそのビジネスは頓挫する。しかし、無力な新聞で愚痴るだけ。実力行使には及ばない。何故か?マフィアがやっていて、あの豚ペーすらもそれにタッチ出来ない。中国共産党の中の魑魅魍魎が怖くて、豚ペーも「困ったなぁ・・・。でも、まあ良いか。次の奴が取り組むことに期待しよう」とか思っているんだろうね。 日本でも官僚組織というのは、如何にも非効率なことをゴリ押ししていて、それを止めた方が日本の国益に適うと思われても、誰もそれを止めることが出来ない。そんな構図はお馴染みだ。公務員の給与が民間よりも段違いで高い。日本人は公務員を食わすための道具じゃない。しかし、それを変えようという運動は全く起こらない。政治家もそのために何等のアクションも起こさない。一時期、渡辺喜美が気勢を上げていたけれど、潰されちゃった。もう這い上がって来れなさそうだね。彼は自民党で残って、小泉の数の論理を真似て、総理にまで上り詰めれば、或いは公務員制度改革をやりたいようにやれたかもしれない。立法されてしまえば、内閣法制局だろうと何だろうと邪魔出来ない。絶好の機会は失われた。バイバイ。安倍ちゃんは今のところ、十分な数の議席を確保して、何でもやりたい放題の立場にいる。しかし、大したことを日本のためにやろうとする感じがあまりしない。期待外れの感じが段々とあちこちから出て来ている。 ロシアとの関係改善によるエネルギーの確保も忘れちゃった感じがする。イスラエルの首相がオバマ無視でアメリカ議会の要請を受けて、アメリカ議会での演説を行うことにしたと最近話題になっていた。イスラエルは日本よりも小さな国だ。今現在、イスラエルの首相へのバッシングはアメリカ政府から行われているだろう。しかし、そんなのはお構い無しだ。あのような態度は国益を優先させるために取っている訳だ。勿論、アメリカ議会がそんなことをオバマ無視で要請したのは、アメリカ議会の多数派が共和党になっているからだ。明らかにウクライナへの干渉はやり過ぎで、ロシアとの関係改善を模索した方が良いというアメリカの政治家も沢山いる。そういう所と連携して、ロシアとの独自対話への理解と支持を得て、北方領土交渉とサハリンからのガスパイプライン建設を一気に力技でやり通してしまう。そういうことをやる気があるのか?期待していたけれど、安倍ちゃんは所詮は甘やかされた坊ちゃんでしかないのかもしれない。 「もしここに硬い大きな壁があり、そこにぶつかって割れる卵があったとしたら、私は常に卵の側に立ちます」という演説は有名だが、やはり硬い大きな壁はビクともしない。そういうことなんだろうな・・・。
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