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チョコレート産業の裏側、なぜカカオ農家は豊かになれないのか 2014.02.28 Fri posted at 09:00 JST http://www.cnn.co.jp/business/35044552.html (CNN) チョコレートの需要は高いのに、なぜカカオ農家は豊かになれないのか。2012年、CNNはチョコレート産業の裏にある、西アフリカの児童強制労働の現実を探ったドキュメンタリー「Chocolate’s Child Slaves」を放送した。それから2年、再び現地に飛び、サプライ・チェーンの実態や強制労働が改善されているのか、また農家が十分な収入を得るにはどうすればよいのか取材した。 チョコレート産業は、全世界1100億ドル規模の産業であるにもかかわらず、カカオ農家の多くは貧困状態にある。 正確な数字を測るのは難しいが、西アフリカに位置するコートジボワール共和国では、およそ80万人にも及ぶ児童が、カカオ産業に従事していると言われ、要因はすべて貧困によるものだ。 1980年当時のカカオの国際価格は1トン当たり3750ドル(現在の価値で1万ドルほど)であった。現在は、1トン当たりおよそ2800ドルだ。 同様に、チョコレートバー1本あたりのカカオの価値の割合は、12%から6%に半減している。つまり、農家の生産するカカオは必要不可欠だが、チョコレートバーの生産コストにおける割合は小さいのだ。 今日においては、チョコレートバーの収入のおよそ70%が製造元へと渡り、マーケティングや調査、開発などに使用されている。 コートジボワールでは、2012年政府による大胆な改革により、農家から売られるカカオの価格を、最低でも仲介費などを含めた国際市場価格の60%以上、つまり1キロあたり1.5ドル以上にするルールを施行した。 まだまだ十分とは言えないが、仲介やトレーダーに左右されず、将来の予測を立て易くなったと言える。 チョコレート産業の強制労働撲滅を目指す「インターナショナル・カカオ・イニシアチブ」の担当者は、この改革により、カカオの値段が安定し「最初のステップになった」という。「農家が貧困から脱するのに十分な価格とは言えないが、将来的には収入予測が立て易くなった事は大きい」ということだ。 チョコレートメーカー大手のネスレ、ハーシー、クラフト、マースなどが、過去10年以上にわたり、児童強制労働を改善する気が無いのではないか、という悪評に悩まされてきた中で、この最低価格の設定は、カカオ産業にあらたな風を巻き起こした。 カカオ産業の裏にある貧困は、業界に関わる全員の問題ではあるが誰の責任でもない、とされてきたからだ。 コートジボワールのカカオ生産者の平均年齢は51歳で(これは平均寿命からそれほど遠くない)、世代交代が急務となっている。 しかし、新しい人材を育てるには投資が必要なうえ、若者は大都市でもうけの多いゴムやヤシ油などの仕事に就くことを望む。西アフリカでは、増える需要に追いついていない状況だ。 そして近年、人口13億人の中国でチョコレートが食べられるようになり、新興国を中心に需要は飛躍的に上昇することが予想される。 CNNの取材と同時期に、世界86カ国468のチョコレート工場を統括するネスレのエグゼクティブ・バイス・プレジデント、ホセ・ロペズ氏が同国を訪れていた。 世界のカカオの3分の1を生産するコートジボワールでは、カカオ農家を支援して、産業を成立させていくことが急務だ。そして将来に渡りカカオ産業を健全に維持するためには、サプライ・チェーンの底辺にいる農家に、正しい知識を教えることが唯一の道だ。 ネスレによるカカオ農家の生活改善に向けた取り組み「カカオ・プラン」では、10年間で1億2000万ドルの投資を約束し、首都アビジャンのリサーチセンターで、病気に強いカカオ樹の育成をしている。2016年までに1200万本の苗木を同国のカカオ農家に提供するのだという。また、地方でも、児童の強制労働に関する知識を広め、学校の建設を進めている。 幸いなことに、ネスレの「カカオ・プラン」のほかにも、米国食品大手カーギルの取り組み「カカオ・プロミス」は、1200の学校を設立し、6万の農家に、児童労働の禁止を含む農業に関する知識を教えている。 政府やNGO、またチョコレートメーカーが一丸となって、産業の維持に向けて取り組みを始めている。 カカオ生産農家をサポートすることで、企業は関連NGO団体からの認証を受け、その認証を得たことでカカオ豆にプレミアムな価値が生まれ、農家やコミュニティーに恩恵がいく。 そして、我々消費者が、正当な生産プロセスを踏んでいる製品を選び、買うことで、「ココアノミクス」の仕組みが動き出す。 カカオの国際市場価格は複雑な中継ぎを通して決定され、カカオ農家はその最下位に位置しているため、カカオ需要の恩恵を受けられていない。業界のあり方の再構築は大変難しく、またネスレをはじめとしたチョコレートメーカーは、チャリティー団体ではなく、株主のためにビジネスを展開しなければならない企業だ。 一方で、チョコレートは多くの人に愛され、メーカーはよりクオリティーの高いカカオ豆を必要としている。これは農家にとって希望であるはずだ。 コミュニティー全体が貧困から抜け出し、児童強制労働を根絶するのには時間がかかり、単純にお金で解決できる問題ではない。もちろんネスレのような大手メーカーからの金銭サポート継続は重要だ。 ◇ CNNの名物経済アンカー、リチャード・クエストが見たチョコレート産業の現実「チョコの甘さを知らない子供たち(Cocoa−nomics)」は、現代奴隷制の闇に迫るCNNの取り組み「CNNフリーダム・プロジェクト」の最新のドキュメンタリーです。
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アフリカ
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国連制裁は「ジョーク」=海外資産を否定―カダフィ大佐の次男 (時事通信) [時事通信社] [ 2011年2月28日6時45分 ] http://news.www.infoseek.co.jp/topics/world/n_libya3__20110228_5/story/110228jijiX292/ 【ワシントン時事】リビアの最高指導者カダフィ大佐の次男セイフイスラム氏は27日、米ABCテレビのインタビューに応じ、国連安保理による大佐や親族への資産凍結制裁について、「われわれは海外に金を持っていない」として秘密資産の存在を否定した上で、「ジョークのようだ」と一蹴した。 同氏は「われわれは非常に質素な一家。欧州やスイスに金を持っていると言うのを笑っている」と述べた。また、「現実と報道の間には大きな隔たりがある」と指摘し、リビア国内は平静だと主張した。 【コメント】 2兆6千万円程度の資産が凍結されたとか聞きましたが、 「そんなの無いよ!」 と言っているとか・・・。 身元不明・出所不明で、 「国庫に納めちゃいましょう♪」 とかならないのでしょうか? − − − − − − − − − − − − − − − カダフィ大佐の資産凍結=英 (時事通信) [時事通信社] [ 2011年2月28日6時24分 ] http://news.www.infoseek.co.jp/topics/world/n_libya2__20110228_14/story/110228jijiX290/ 【ロンドン時事】オズボーン英財務相は27日、国連安保理決議を受けて、リビアの最高指導者カダフィ大佐やその子息らが英国で保有する資産を凍結する措置を取ったと発表した。報道によれば、資産は総額約200億ポンド(2兆6000億円)に上るという。 オズボーン財務相はこれより先、緊急招集された枢密院会議に出席し、女王から資産凍結に関する裁可を得た。同財務相は声明で「今回の措置は、自国民への暴力は受け入れられないという強いメッセージだ」と強調した。 【コメント】 これは経済制裁です。 リビアで現在起こっている事自体は、この上無く恐ろしいのだけれど、 カダフィ大佐とその一族が溜め込んだ資産はその後どうなるのだろう??? 勿論、将来のリビア政府に返還されるのだろうか? 海外の金融機関に資産を預けるというのは、こんなリスクもあるのだな・・・。 − − − − − − − − − − − − − − − カダフィの「豊満な金髪看護婦」ガリーナ・コロンスカが出国? (market hack) [ 2011年2月27日4時13分 ] http://news.www.infoseek.co.jp/topics/world/n_gaddafi__20110228_5/story/markethack_51696216/ 沈む船からネズミが逃げ出すように離反者が相次いでいるリビアのカダフィ大佐の周辺ですが、今日は大佐にとって最もショックな離反者が出ました。 それは例の「豊満な金髪看護婦」、ガリーナ・コロンスカです。 何でもウクライナの新聞によるとガリーナ・コロンスカの娘さんが本人から「近々帰るから」という電話を受け取ったのだそうです。(しかし、、ですよ、この写真を見ると全然パツキンじゃ無いですねぇ。ウィキリークスで暴露された「外交筋の談話」とはチョッと話が違いすぎ!) 落差に萎えた。 【コメント】 下種だな。 この看護婦さんが自分の好みかどうかなんて、そんな事はメディアが一々取り上げる事か? コックレンのジョーニン理事コックの1つで王族のいる所の女王は不細工だとか、 普通はそういう事は公式に言わない。 それが、どうしてリビアだとOKなんだ? それに、 美人は遅かれ早かれ見慣れ、見飽きるけれど、 長く一緒にいるには、美人かどうかなんて、重要じゃないって!!! 毎日ステーキばかり食べていると飽きる。 時々は握り飯に漬物が恋しくなる。 そういう事が分からないと不幸な人生になるんじゃないかな? 美女を侍らすなんて、石油で溜め込んだ金を一寸使えば、何所からでもウヨウヨ。 長年一緒にいるって人を「豊満な金髪看護婦」って・・・。 − − − − − − − − − − − − − − − 米国政府閉鎖の危機、共和・民主責任なすり合い (読売新聞) [ 2011年2月28日7時52分 ] http://news.www.infoseek.co.jp/topics/world/n_the_states__20110228_67/story/20110228_yol_oyt1t00151/ 米国の財政再建を巡り、大幅な歳出削減を求める共和党と、これに反対する民主党の対立が深まっている。 3月4日に期限切れを迎える2011会計年度(10年10月〜11年9月)の暫定予算が延長できなければ、連邦政府機関は1995〜96年以来となる閉鎖に追い込まれるだけに、議会の駆け引きが激しさを増している。 オバマ米大統領は2月26日、週末の定例演説で、「民主、共和両党は、妥協して一致点を見つけてほしい」と政府閉鎖を回避するよう呼びかけた。 しかし、共和党と民主党は、「無責任」「雇用を脅かす極論」などと互いに非難し合う声明を出し続け、連日、「政府閉鎖」の言葉が飛び交っている。 共和党が多数派の下院は19日、低所得層向け補助金や教育、治安分野など610億ドル(約5兆円)以上の歳出削減策を盛り込んだ11年度予算案を本会議で可決した。しかし、今週審議に入る上院の民主党は強く反対しており、オバマ大統領も下院法案には拒否権を下す構えだ。 【コメント】 アメリカが影響力を・・・って、そんなの土台無理でしょ!? それこそアメリカの経済を破壊する程のインパクトでも無い限り、 (例えば、サウジアラビアとロシアが石油の対米輸出を完全にストップするとか。) 彼等が大金を出費する戦争に参加する余力は無い。 それにリビアでは敵が明確じゃない。 一寸前までは平穏な生活が続いていた国が突如混乱に陥った。 軍隊を駐屯させる事は出来ても、 カダフィ側にゲリラ戦でもやられると始末に終えなくなる。 金が無くて四苦八苦しているアメリカとは違って、 カダフィとその一族は相当に金をキャッシュで溜め込んでいるし。 (そうでなければ、「2兆6千万円なんて知らない♪」とは言えないでしょ?) − − − − − − − − − − − − − − − リビア首都防衛に雇い兵、1日16万円で募集か (読売新聞) [ 2011年2月27日1時27分 ] http://news.www.infoseek.co.jp/topics/world/backnumber/n_libya3__20110227_3/story/20110226_yol_oyt1t00659/ 【カイロ=加藤賢治】リビアの最高指導者カダフィ氏は首都トリポリの防衛のため、数千人規模とされる外国人雇い兵を動員し、反体制派への巻き返しに出ている。 軍の離反が相次ぐ中、石油収入でかき集めた私兵に頼ることで、独裁体制を死守する構えだ。 トリポリ住民の証言によると、25日、雇い兵が市内各地のモスク(イスラム教礼拝所)周辺でデモ参加者に対し、無差別で銃撃した。トリポリなどの軍基地には、雇い兵を乗せた飛行機が続々と着陸している模様で、ベンガジの反体制派は、軍用滑走路を破壊して対抗している。 雇い兵は主に、チャドやスーダンなどアフリカ近隣国から徴集されている。ギニアやナイジェリアでは1日2000ドル(約16万円)の報酬で雇い兵を募る広告が出ているという。 【コメント】 1日で2000米ドルか・・・。 アフガニスタンに兵役参加していたフィンランド人がいたけれど、 それでも一ヶ月で8000ユーロと言っていたから、 1日で2000米ドルってのが如何に凄いか・・・。 アフリカは内戦が未だに続く地域も多いし、 そこで子供を傭兵として長年育てるのに資金供与していたっていうのだから、 傭兵を集めるのにもツテが十分にあるはずで・・・。 勿論、流石に2000米ドルの日払いで例えば5000人が働くとすると、1ヶ月を30日とすれば、 (2000米ドル)*(5000人)*(30日)=3億ドル(=約250億円) 1年間に常に5000人の傭兵雇用を保つとすると、 36億ドル(=大雑把に3000億円) どれだけお金を国内にキャッシュで溜め込んでいるのかな? カダフィもその取り巻きも馬鹿じゃないから、 欧米に金を預けてばかりで手元に何も無いって事は無い。 カダフィが完全に国内を制圧してしまうって事は、これは多分無い。 傭兵は簡単に裏切るし、逃げちゃう。 逃げても、それを追っ掛けて報復するのには、 もっと金が掛かるから、 それこそ目の前で裏切るのでもない限り、 裏切りは仕方が無いと諦めるしかない。 カダフィとその一族を適当に逃がして、 リビアを民主国家に・・・と出来れば一番良いのだろうけれど、 そういう社会インフラも無い所で突然民主主義と言い出しても機能しないのでは??? エジプトのように軍隊が統治するようになるのであれば、 カダフィの後継者が出て来て、元の木阿弥になるのかも・・・。 だからと言って、何所か特定の国や、国連が、 「安定するまで私達が仕切ります!」 なんて言っても、 「フザケルナ!石油目当ての外国人は出て行け!」 となるだけだし・・・。 それに、そもそも民主主義を標榜している国は悉く借金塗れになって苦しそうだし・・・。 リビアだけじゃないけれど、中東地域は今後どうなっていくのだろう? 国とか、主義とか、そういう概念が揺らいでいる。 日本的には(欧米も一緒だけれど)、 「今までは独裁者にだけ飴玉を与えておけば、安く石油が買えた」 という蜜月が終わって、 石油を供給する国々が何所もロシアのように 「言う事を聞いてくれないと、売ってやらないぞ!」 となっていくのだろうな・・・。 「民主主義!ちゃちゃち!」 と馬鹿の一つ覚えで騒ぐメディアの日本は、 世界の中で言えば、 「どれだけボケているんだ???」 となってしまっている。 うーん。
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日立、巨大発電所受注の舞台裏 受注実績、黒人活用…、この国ならではの秘策とは 大竹 剛(ロンドン支局) http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20100527/214645/ ヨハネスブルグから北に約370キロメートル離れた広大な土地に、今年1月、巨大な柱が立てられた。南アフリカで最大級となる石炭火力発電所の建設が始まったのだ。ボイラーを受注したのは、日立製作所。この国が最後の大型発電所を建設してから、約四半世紀ぶりの大型案件である。 南アフリカでは2017年までに、2つの石炭火力発電所が建設される予定だ。日立は両方の発電所のボイラーを受注した。発電規模は合計で約10ギガワットとなり、受注金額は約5700億円に達した。南アの現在の発電容量は43ギガワットだから、一気に23%も増加する計算だ。 【W杯期間中の停電は大丈夫か?】 この国は過去数年に渡り、電力不足に悩まされてきた。金融危機前で経済成長がピークに達していた2008年初頭には大規模な停電が発生し、金やプラチナなどの鉱山の稼働が停止した。その結果、世界のレアメタル市場に大きな混乱をもたらしたこともあった。慢性的な電力不足は、南アフリカが抱えるインフラ不足の象徴でもある。 そのため、南アフリカでワールドカップの開催が決定された直後から、大会期間中の停電が懸念されてきた。国営電力会社エスコムで、北西地域の電力供給を担当するアルウィー・レスター氏は、「2009年は1度も停電が起きていない。ワールドカップについても、各スタジアムは独立した発電機を備えているし、電力供給自体も十分足りる」と、こうした見方を否定する。効率性の向上など企業努力を重ねてきたというのが、その理由だ。 しかし、現実は金融危機後の景気減速による電力需要の減少に救われている面が大きい。電力の大口需要家である鉱山会社は昨年、世界的な需要激減で生産量を大幅に削減した。エスコム側も、鉱山会社への電力供給を10%カットする政策を続けてきた。 だが、世界的に景気回復が進み、鉱山会社の生産量が回復すれば、再び電力不足に直面するのは確実と見られている。ある鉱山会社の経営者は、「電力供給の10%カットは、生産量でキャップ(制限)をはめられているようなものだ」と懸念する。 【「欧州の裏庭」を攻略した2つの戦略】 日立が受注したのは、こうした深刻な電力不足を解消するための国家プロジェクトだ。 民主化後、南アフリカ政府は電力市場開放のため、エスコムによる独占状況を牽制し、新たな発電所建設を長らく許可してこなかった。しかし、電力不足は深刻さを極め、ついに巨大発電所建設プロジェクトが動き出したわけだ。 なぜ、日立が日本から1万3000キロメートルも離れた遠い南アフリカで、この国の将来を左右するプロジェクトを受注できたのか。背景には、知られざる日立の強かな戦略があった。日立が苦手とされてきた海外企業の買収を成功させたことと、黒人の経済参加を促すための国家政策への緻密な対応である。 かつてオランダやイギリスの植民地だった南アフリカは、古くから欧州企業の進出が盛んで「欧州の裏庭」とも呼ばれてきた。欧州の裏庭で日本企業が存在感を発揮するのは難しく、しかも過去の取引実績が重視されるインフラ事業の受注は一筋縄ではいかない。 【納入実績と人脈をM&Aで手に入れる】 実は日立は2003年、ドイツのあるメーカーのボイラー部門を買収していた。欧州市場への参入というのが主な目的とされたが、このメーカーは南アフリカ市場にも深く食い込んでいたのである。南アフリカの発電量の約4割を賄うボイラーを納入している実績があったのだ。 南アフリカの電力事情を考慮すれば、将来、大規模な発電所建設プロジェクトが立ち上げることは容易に予想できた。「買収直後からすぐに、受注に向けて調査を始めた」と日立の国際電力営業本部中東・アフリカ部の村瀬善昭部長は打ち明ける。 だが、実績のある独メーカーを買収しても、受注に向けた準備は容易ではなかった。長年、南アフリカでは大規模な発電所が建設されてこなかったため、発電所建設を支える地場の部品メーカーが弱体化し、技術者の層も薄くなってしまっていたのだ。いかに、こうした状況を克服するかが、大きな課題となった。 取引先の発掘やエスコムと折衝に奔走したのが、現在、日立パワーアフリカでCEO(最高経営責任者)を務める、ハネス・ムゼル氏だった。彼は、買収先のドイツメーカーの担当者として、かつて南アフリカ最後の大型発電所建設を現場で指揮した人物である。彼の存在なくして、プロジェクトの受注はありえなかった。 【黒人の経済参加を促す政策に徹底対応】 受注に向けたハードルをさらに高めたのは、南アフリカ政府が実施しているBEE(ブラック・エコノミック・エンパワメント)と呼ばれる政策への対応だった。BEEとは、アパルトヘイト時代に固定化した黒人と白人の経済格差を解消するために、企業に対して黒人の経済参加を促進する施策を実施することを事実上、義務付けるものだ。 黒人の経営への参画度合いや黒人従業員の割合、教育や技能開発への支援などがスコア化され、事業を展開する際に至る所で影響してくる。例えば、取引先が要求するBEEスコアに達していなければ、受注を獲得することができない。インフラ事業や資源開発など、国益を大きく左右する事業となると、要求基準はさらに厳しくなる。 エスコムの場合、独自に取引先にBEEの順守を義務付けている。日立は受注に向けて、きめ細かな対応を図った。 独メーカーの過去の実績と日立の技術力に加えて、受注の決め手となったのが、日立パワーアフリカの株主構成だった。日立パワーアフリカは、株主として、黒人が経営する企業3社を迎えることにしたのだ。黒人企業3社の持ち株比率は、実に3割に達する。 【高い参入障壁は将来の砦】 ただ、株主に迎える企業は黒人が経営していればどんな企業でも良いというわけではなく、選定には苦労が伴った。長らく発電所建設プロジェクトがなかったために、高い技術力を維持している企業が少なくなっており、調達など実際のビジネス上の利点がある該当企業の数は限られる。しかも、長期的に株式を保有できるだけの健全な経営体質も考慮する必要があったからだ。 入札には、現地調達比率を6割以上にすることや、技能工の訓練を発電所1つにつき700人実施することも求められた。日立の場合、発電所を2つ受注したので、合計で1400人になる。こうしたエスコムへの入札条件の厳しさなどから、最終的に入札に挑んだのは日立と仏メーカーの2社だけだった。 日立の村瀬部長は、「参入のハードルが高かっただけに、今回の受注をきっかけにエスコムに食い込めたことで、将来に渡って継続的にビジネスをしていけるチャンスが開ける」と期待をかける。参入障壁は高かったが、それが逆に、将来、新たな参入者に対する防御壁となるのである。 エスコムは以前、2025年までに合計で40ギガワットの発電所を建設すると計画していた。金融危機の影響で経済成長の速度は以前ほど速くはなくなったとしても、潜在的に今後も大きな電力需要を見込める。 【資金調達難で新規プロジェクトに暗雲も】 金融危機以降、エスコムの資金調達力に懸念が広がっており、実際にどこまで新たな発電所の建設が可能なのか、疑問を呈する声も根強い。歴史的に南アフリカでは、鉱山開発を支援する目的で、電力料金を日本の5分の1以下という極めて安い水準に抑えてきた。それのツケが今、資金不足となって回ってきているのだ。 今年2月、エスコムは政府に対して3年間、毎年35%ずつ電力料金を値上げしていくことを申請したが、産業界や国民の反発で25%までしか認められなかった。これでは十分な建設資金を賄えないため、南アフリカ政府は世界銀行へ支援を仰いだほどだ。 既に、日立が受注した2つ目の発電所のプロジェクトは、金融危機の影響で予定より1年遅れが出ている。事前工事の技術的な問題ではあったが、今年1月に始まった1つ目の発電所建設も10カ月遅れた。 だが、日立パワーアフリカのムゼルCEOは、「電力不足の解消は経済成長には避けて通れず、最終的には資金問題も解決される」と強気だ。それほど、電力不足は日立など重電メーカーにとっては巨大なビジネスチャンスとなりえるのだ。日立は今後、このプロジェクトで南アフリカでの事業を伸ばしながら、ボツワナなど周辺国での事業チャンスも探っていく構えだ。
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人材不足に挑む“トヨタ学校” 育てては引き抜かれる、でも教育は徹底する 大竹 剛(ロンドン支局) http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20100527/214646/ クイズを1つ。マンデラ・ネルソン元大統領が27年間の投獄生活を終えて初めて乗り込んだ車のブランドは何だったか? ――独メルセデス・ベンツでも米フォードでもない。答えはトヨタだ。 ついでにもう1問。アパルトヘイト体制の中、南アフリカで初めて誕生した黒人の自動車ディーラーが最初に売った車のブランドは何か。 ――それも、答えはトヨタである。 【激戦市場で30年間シェアトップ】 「トヨタは、南アフリカが民主化していく過程で、常にビジネスの先頭を歩んできた」。南アフリカトヨタ自動車(TSAM)のヨハン・ファンセイル社長は、そう胸を張る。トヨタが南アフリカに工場を設立したのは1966年。ブラジルと並び、トヨタの中で最も早い海外工場の1つだ。 この国の自動車市場は2006年に71万台となり、約3年間のうちに2倍弱に急伸して一時は100万台も目前かと見られた。昨年は金融危機の影響で40万台に落ち込んだものの、今でも自動車産業は経済成長の恩恵を最も受けている産業の1つである。現在、ドイツなどの欧州勢から韓国勢まで、世界の自動車メーカー各社が合計57ブランドを投入する激戦区になっている。その中でトヨタは、今も24.5%と圧倒的なシェアを誇り、30年間トップの座を守り抜いてきた。 そのトヨタの工場が、インド洋に面した港町、ダーバンにある。「トヨタシティ」と名付けられた広大な敷地内で、約6000人の従業員が働く。中型セダンのカローラや、4輪駆動車のハイラックスなどを生産しており、その規模は南ア最大級の雇用主と言ってよい。 【工場内に“トヨタ学校”】 工場敷地内の、とある一角。事務所のような建物に入ると、「TOYOTA」のロゴ入りの帽子を被り、揃いの作業服を着た20歳前後の若者たちが、真剣な眼差しで机に向かっていた。トヨタが設けた職業訓練校の生徒たちである。 ここに通う生徒は、職人見習いとして週340ランド(約4400円)の給与が政府から支給され、教師の給料や教科書代など学校運営にかかる費用もほぼすべて、政府が負担している。しかし、教師はトヨタが派遣し、運営実態はあくまでも“トヨタ学校”だ。 なぜ、トヨタが工場内に学校を持つのか。そこに、南アフリカが抱える根深い問題が横たわる。深刻な人材不足に陥っているのだ。 【アパルトヘイトの後遺症で人材不足】 失業率が高さだけを見れば、工場で働く従業員の採用には事欠かないはずだ。しかし、南アフリカでは人は余っていても、“人材”が足りない。教育水準が低く、工場で働くために必要な最低限の技術を持ち合わせていない場合が多いのである。 アパルトヘイト時代、黒人1人当たりの教育予算は白人のわずか10分の1しか割り当てられなかったほど、黒人は十分な教育機会を与えられていなかった。民主化後、政府は教育水準を引き上げるため、GDPの5〜6%を教育に投じてきたが、満足できる成果は上がっていない。高校卒業までに6割の生徒が脱落し、大学に入学するのは8%に過ぎない。 トヨタ学校は、公的な教育・職業訓練システムを、トヨタ自らが補完する仕組みである。前回の日立の事例で見てきたように、南アフリカ政府は黒人の経済参加を促す政策として、BEE政策を実施してきた。トヨタ学校もBEE政策への対応の一環として位置づけられるものだ。「BEE政策は、まさにこの国が抱えている現実そのもの。決して、避けて通ることはできない」とファンセイル社長は言う。 【ハイテクも教えるトヨタ流】 TSAMの森田益充副社長は、「ここでやっていることと言えば、ひたすら人材教育ですよ」と話す。採用前から社内教育まで、徹底してトヨタが求める人材に育て上げる体制を用意した。 まず、本格的な職人見習いコースに進む前に、7カ月の基本コースを用意している。ここに通う生徒は約140人。電気や機械、コンピュータ、安全など最低限の知識を学ぶ。ここを優秀な成績で卒業すれば、職人見習いコースに進むことができる。 一方、4年間の職人見習いコースに通う生徒は現在約170人。電気と機械の2つの保全技術を習得し、国家資格の取得を目指す。トヨタ学校以外にも国家資格取得を目指す職業訓練校はあるが、電気と機械の両方の資格を目指すのがトヨタ流だ。「ハイテク技術の詰まった自動車を保守するには、機械の訓練だけでは不十分」(ファンセイル社長)だからである。 「4S」教える「DOJO(道場)」 入社後も教育は続く。その名も「DOJO(道場)」。ここでは、トヨタ式の働き方の基本、4S(整理、整頓、清掃、清潔)から叩き込まれる。 トヨタ学校の卒業生は、既にトヨタ流の教育を施されているため、理解は早い。しかし、アパルトヘイト時代に学生時代を過ごし、十分な教育を受けていない40代以上の従業員への教育は難しいという。 例えば、窓が割れている工場の絵を見せて、どこに危険があるかを聞いても分からなかったという。煙草の吸殻が落ちていても、半分以上が「問題ない」と答えたこともあった。しかも、英語は公用語の1つではあっても、工場従業員の99%が地元の「ズールー語」を母語とし、英語を十分に理解できない人も多い。 TSAMはかつて、南アフリカ国内向けに販売する車種のみを生産していたが、輸出を開始するのに伴って品質改善に力を注いできた。2000年以降、現在までに約700人の従業員を日本に研修に出し、彼らが中心となって現場の改善活動とスキル向上を主導してきた。その成果もあり、「品質レベルはトヨタのほかの工場と比べて遜色がなくなってきた」(ファンセイル社長)と話す。 【トヨタ社員の引き抜き合戦勃発】 しかし、せっかく熟練度が上がっても、今度は他社に次々と引き抜かれてしまう。「2倍、3倍の給与を提示されれば、ほかへ行ってしまう。行先は他の自動車会社から電力会社、流通、政府まで様々。それだけ国全体が人材不足に苦しんでいる証拠」(車両組み立て担当のデイブ・フィンチ副社長)は話す。 南アフリカでは、企業はBEE政策へ対応するため、一般従業員から経営者クラスまで、黒人比率を高める必要に迫られている。ある日系企業の社長は、「白人のポストが空けば、必ず黒人を採用する」と言い切る。しかし、優秀な黒人を欲しがる企業のニーズに、国レベルの人材育成が追い付いていない。だから、現場の社員からマネージャークラスまで、トヨタ流を叩き込まれたトヨタ社員は労働市場で人気が非常に高いのだ。 人材輩出企業として存在感を高めるトヨタの事例は、この国が抱える人材不足を端的に示している。
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