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青春走者 その26

 重い足取りで家までたどり着いた洸児は溜息を吐きながら玄関のドアを開ける。

「おかえり洸児。あら、どうしたの?暗い顔して」

 洸児の母が不思議そうな表情で尋ねてくる。



「ちょっと疲れただけだよ・・大丈夫」

 どうにか笑顔を作って洸児は階段を上がって自分の部屋へ向かった。






 泣きながら家に帰ってきた早苗は泣き顔に気づかれないように

 静かに自分の部屋に向かい、そして部屋に入ると再び涙が溢れてきた。

 ベッドの前に座り込み、何故こうなってしまうのだろうと悲しくてやりきれなかった。






 洸児は早苗を追えなかった後の美佐とのやり取りを思い出していた。

 自分に恋人が居る事を知っていて何故こんなことをと彼は美佐に尋ねた。

「ごめんなさい。
 言ってはダメだと何度も自分に言い聞かせていたわ。でも心は嘘をつけなかったの」

 そう言って涙を流す美佐を見て洸児は何も言えなかった。



 彼の脳裏には楓の姿が浮かんでいた。

 あのときも自分は最後に彼女を傷つけた。それが正しい結果だと思っているが同時に

 楓にとって辛い結果になったことも洸児はよく分かっている。



 あのときの苦しさを知っているからこそ洸児は美佐に対して、

 すぐに言葉を発することが出来なかった。

 結局そのまま一言も会話をせずに洸児と美佐は別れた。



 帰り際、「本当にごめんなさい。でも、この気持ちは本当なの。それだけは分かって」

 と美佐が話したが洸児は顔を向けることも出来ずに歩き出していた。





 結局夕食も食べずにベッドに横になったまま洸児は考えていた。

 自分は何をすべきなんだろうと、そして、その答えは誰でも分かる単純なものだった。

・・・早苗ちゃん・・・そうだ、電話だ・・・・



 ベッドから跳ね起きて携帯電話に飛びつく。そして早苗の番号を発信した。

「頼む・・出てくれ・・」

 しかしこの夜、早苗が電話に出ることはなかった。


                                   つづく

閉じる コメント(2)

時間のある時に最初から ゆっくり読んでみる!・・・予定(笑)

2008/7/30(水) 午後 5:28 [ tan*gej* ]

支離滅裂な文章ですが暇で仕方ないときにでも
流し読みしてみてください(笑)

2008/7/31(木) 午前 11:45 ハックリくん


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