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素堂58才 元禄十二年(1699)『芭蕉庵六物』その一 文台)素堂著。

  石川丈山翁の六物になぞらへて芭蕉庵六物

  その一(文台 号二見 武陽隠士曽良に在)

 西行法師二見の浦にて、くほかなる石をひろふて硯となし、扇をしきて文嚢とし玉ふにより、はせをの庵の文台に扇を繕きて、是をふた見とよふ。
明鏡台になしといへとも、台なくては文のやとす処なく、後世に傳ふることもかたかるへし。
玉の床より賎がふせ家にいたるまで、台それぞれになきことあたはず、されば此台にも、いくばくの風月をのせきたるや、其おもき事はかりがたし。

  銘日
 四友之外 窓前並面 寫西行風 開芭蕉扇 
 筆海作航 文山為桟 不欠不崩 壽魔同硯興


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