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素堂58才 元禄十二年(1699)『芭蕉庵六物』その六 茶羽折 素堂著。
  その六 茶羽折

 此翁行脚のころ、身したかへる羽折あり。五十三騨ふたたび往釆、さらぬ野山もわけつくし、あるは、越路の雪にさらし、あるは八重のしほ風にしみて、離婁か目にも色をわかちかたく、龍田姫もそめかへすによしなからんのみ。これを故郷の錦にもなしけるやと、をかしくもまたあはれならずや。
勢州山田が原の三四とかや、ひとたひ見て、素堂素ならす、眼くろし、茶の羽折とはよくも名つくへきもんたひなしとて興に
 入ぬ。羽折変せば何にかなり侍らんと有しに

  ムササビとなりぬへらなり茶の羽折


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