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二百年来の伝統行事 上笹尾 進海正道氏著(『こぶちさわ昔ばなし』部落の部)
私の部落には安政七年の昔、建立された秋葉山献燈碑がある。先々代から島屋敷部落民は火災防除祈願のために家々が順番で毎夜欠かさず忘れずに献燈を続けている。
しかも、二百数年の昔より行われて来た、油皿へ灯芯を用いての献燈を昭和五十三年の今日迄その慣行が引つがれて精進しているので勿論今後永久に止める事はない。
秋葉山献燈にこのような油皿灯芯の方法については近来は他には無いもの尚且つ毎夜であることを部落の誇りでもある。
昭和十二年大地震の時意外にも倒伏したのであるが、部落民総出動で立直した。その時電灯を引こんではという意見もあったが、火の用心、防火観念が消滅することになってはいけないと従来通りの油皿灯芯献燈にすることになった。安政七年以来部落では遠江国秋葉神社へ毎年部落民交代で参拝していたが、大東亜戦争となり交通事情、宿泊所等の不便が生じたので代参拝は中止して、その変り毎年正月五日には部落全員一同会合して拝礼の式を行って、昔からの代参当時の思い出になつかしく話し合っている。幸い秋葉神社の御守護で二百年以来私の部落には火災が起きた事なく各人火の用心はしているとはいえ誠に喜ばしい事であり、又誇りともしている。
この無火災の誇りを無くさぬよう今後とも秋葉神社への油皿灯芯献燈を続け常に防火観念は失う事はないであろう。
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