
創作民話
「田んぼの神様」と「畑の神様」
むかしむかしのそのむかし
このあたりには少ない畑と少ない田んぼ(田圃)をみんな仲良くつくって生活していました。
ある年、雨が少しも降らずに田んぼや畑は焼けて(乾燥して)
稲も野菜もすっかり元気がなくなっていました。
ところがその中で一箇所だけ稲が青々として田んぼがありました。
村人は驚いて、その田を作っている田吾作やんに尋ねました。
「たごさくやん。どうしてお前の田だけ青いんだ」
すると、田吾作さんは
「この田には冬の間に拾った根古屋神社のけや木の葉っぱを入れておいた」
「あの木には神様が住んでいて、何でも願いを聞いてくれるぞ」
周囲を掃除したり、枯れた枝葉を片付けたりして、それをみんなの田んぼに入れました。
すると次の年には、たくさんお米が取れました。
しかし畑の作物は不作です。
同じけや木に豊作を願いましたが駄目です。
やっぱり田吾作さんの畑だけは青々としています。
村人が田吾作さんに聞くと
「根古屋神社には神社の両脇にけや木がある」
「右の木の葉は田へ。左の木は畑へ入れるんだ」
「これを反対にしたらどちらも育たない」
村人はこの話を聞いて、それぞれ「田の神様の木」と「畑の神様の木」と名前をつけて
大切に育て、そして木の葉をいただきそれぞれ田や畑に入れました。
村の畑や田んぼからは、毎年豊かな作物が取れました。
この大きなけや木は山梨県を代表する大けや木になりました。
あるとき、そばの道が狭く、この木を伐って、広げようとしましたが、
木は硬くノコギリや斧(オノ)も受け付けません。誰も伐ることはできませんでした。
また計画した人や斧やノコギリを使った人は、大きな病を患いやがて死んでいきました。
それからは村人は、大切に大切に家族のように扱いました。
今でも神社とともにこの大けや木二本は、地域の人とともにあります。
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