|
<挿入記事>
年代記に、
桓武天皇、
----延暦十九年三月十四日より四月十八日まで、富士山のいたゞきゆふなふしておのづから燃へて昼は煙くらく、山をかくし、夜は火のひかり、天を照らす、その音雷のごとし、宝永四年まで九百五年に成り候。
年代記に、
清和天皇、
----貞観六年五月富士山燃へて、十日あまり火消えず、山上の磐石崩れて、海を埋む事廿里ばかりなり、浅間の方より、燃へ出で後には甲斐国の方へ焼け移る。宝永四年まで八百四十四年に成る。
12月1日
十二月一日、朝薄黒き雲、東南にひきはへ候、根黒き雲不出候。西北は晴れ候。
四つ時には惣天白雲に成り、東の方より黒雲天中え登り日光を覆い、西より東へ薄黒き雲大筋立ち曇り、霧降り候様に成り候。
夕方より西北の方少々晴れ、西より東へ黒雲引はへ申し候て、少し薄くなり、霧のごとく有之隣家も見え不分候。
六つ時、西北は晴れ、星が出る。東南は曇り申し候。北風少々吹き申し候。
夜五つ半時、西北晴れ星が出る候。西南の角より薄黒い雲東の方へ引きはへ有之候。
夜中西北は晴れ、東南薄曇り有之候。
12月2日
二日朝、四方白雲になり候。東南村雲立雲切いたし候。風吹不申候。
四つ前より四方の雲晴れ頃日に無之晴れに而日光出候。北風少しづゝ吹き申し候。
七つ時前より西南の角より黒雲、東の方へ引はへ日光を覆い次第に南東曇り候。
夜中弥曇り、四つ半過ぎ候時分より七つ時まで、少しづゝ砂降り申し候、風は無之候。
12月3日
三日朝西北の方は晴れ、西南の角より黒雲南東へ引はへ、黒雲村々立有之候。日光を終日雲覆い、夕方東南煙之如くに有之候。
夜中東南は曇り、西北は晴れて星が出申し候。風不申し候、砂降り不申候。
12月4日
四日朝之空之如くにて、霧煙深く下り、隣家も見分け難く候。
四つ時より段々白曇りに成り、四方一面に曇り日光不出候。川殊の外鳴り申し候。
九つ過ぎ地震少々揺り、黒雲少々薄くなり、雲中より日光薄く出候。
九つ半時より砂少々降り候。
八つ時惣天白雲に成り候、川の鳴る音止不候。
八つ半前より南風吹き出し候へ而鳴り少々止候。南風暮れ六つ半時より段々止まり申し候、薄曇り星が所々に出候。
九つ時少しの間砂少々降り申し候。
七つ少し前に地震少々揺り候、夜中風不申し候。
12月5日
五日朝、西南角より南東へ薄青雲引はへ、西北は晴れ。
九つ過ぎより西南の風吹き出し、南西より黒雲押し出し、日光覆い曇候。
八つ過ぎより西北の風少々出、雲晴れ夕方よりまた黒雲のぼり、一面に曇り星は出候。
四つ過ぎより北風少々出、夜明け方まで吹き申し候。黒雲南の方へ吹き入り、白曇りに惣天なり申し候。
<挿入記事>
川崎・戸塚辺へ石砂降り申し候。石駕石のごとくの焼け石の色鼠色、焼け石ゆえ軽く候。五六分四方大小ありこれ候。大きさの大はリンゴほど候由砂も粗く候。一坪に九斗一石も降り申し候。富士近所ほど多大き有之砂多く降り申し候
12月6日
六日朝、北風少づゝ吹き候。黒雲南の法へ吹き入り、南の方根に黒雲少々有り候。惣天白曇りに成り、日の光は不出、寒気強く有り之候如頃日の東南より黒雲東へ今夕は引はへ不申し候得て、一面に白曇りに成り候。風吹き不申し候。夜中晴れ北風少々吹き候。
12月7日
七日朝、村雲出東南に黒雲少々切々に出て、北風少々吹き候所に、四つ時より北風強く立ち村雲(群雲)南方へ吹き入り、七つ半時より風少々止まる。夜に入り風無之、夜中晴れ、月星さえ出る。
12月8日
八日朝、惣天晴れ、南の根に青黒薄雲少々これ有り、四つ時より村雲で、北風少々吹き、八つ時止まり、白曇りに惣天なり。南の方に青薄黒雲引はへ申し候、根はすき有之候。寒気強し。
<挿入記事>
頃日駿河より注進に、
----富士未焼候えども、和やかに有之候。石などは最早降り不申し候由也。並び富士焼け申し候絵図駿州御代官より公儀へ到来候。写し也。
九日朝六つ半時よりも焼け申し候。煙止め申し候。(八日夜五つ半前おびただしく震動いたし、それより富士は焼け止まり申し候)
12月9日(現暦1708年1月1日)
朝より四方白曇りに成り、日の光は不出、東南に黒雲引はへ不申候。終日寒気甚だしき候。夜中四つ前より、霙(みぞれ)降り、それより雪に成り、夜中降り申し候、北風吹き候少々。
12月10日
朝四方曇り雪降り申し候。四つ前より雪は止まり、日の光出る。夜中より降り候雪は七寸(約21cm)積もり申し候。八つ過ぎより白曇りに成り、日の光覆い、寒気強く有り之候。夜中七つ時より北風強く吹き出し、六つ前より少々和やかに吹き申し候。
12月11日
朝白雲に惣天に成り、北風吹き申し候。四つ前より雲が切れ致し、村雲立ち、北は晴れ申し候。北風は終日強く吹き村雲退き、晴れ候へて、暮れ六つより風止まり申し候。夜中風これ無き、晴天寒気はなはだしく有り之候。
12月12日
朝は晴天、風は之無き、終日一天に雲無く晴閑にて、寒気は強く有り之候。夜に入り、月星さえ出る。夜中無風之静かなり。
(13日・14日は省略)
12月15日
富士山の裾に、去る月二十一日に大穴明き申し候に付け、百姓とも不審に思い、三百程の縄を下ケ見申し候へ共、中々届け申し候様成事に而無之夥しく鳴り出し候ゆえ、百姓の過半は府中へ退き候ゆえ、跡の事は不知候由。相州辺りは砂石一丈二尺余り降り申し由也。
|