サブやんの気まぐれ調査研究

日本の里山は崩壊します。守るのは私たちです。行政主導の時代は終わり新たな取り組みが求められています。

「生きものの記録」 泉三三彦氏著

[ リスト ]

「艶説 生きものの記録」泉二三彦氏著 昭和31年刊
第一話 ポネリア虫恋人の子宮内に監禁されるの巻

むかし、黒海の沿岸にアマゾーン国という女ばかりの国があって、すこぶる好戦的なので有名でした。彼女等は攻城野戦を得意とし、すこぶる勇敢でした。右の乳房が隆起していては、弓を射るのには邪魔になるので右の乳房を切取ったとさえ伝えられています。女軍に悩まされる男性の哀史はこの時からはじまっています。
古代エジプトのクレオバトラの魅力には、さすがの英雄シーザーもへタヘタと参ってしまい、アントニウスも彼女の美貌に身も心も奪われて大事な国事のことなどはすっかり忘れてしまいました。偉大なる男性も一女性の前に出てはてんでお手あげというものです。西大后は才色兼備、幾多の男性を手玉にとって、ついには皇帝さえも幽閉してしまい、政権を独占して、久
しきに亘って清国の政治を左右した女です。恐るべきは女族であることは、むかしも今も変りはないようです。
近頃、わが国でも、男女同権が叫はれるようになって以来、男尊女卑の封建思想は崩壊して、女性が進出する御時世になりましたが、さてこれからが大変です。男女同権はやがて、女尊男卑へと発展するおそれが多分にあるからです。
 アメリカ漫画の「親爺教育」のジグス氏のように、しょっちゅう妻君に麺棒でなぐられて暮す哀れな亭主もぞくぞく出はじめたようです。男性たるもの大いに要心が肝要となりました。
 女性を軽視しために、のん兵衛女代議士にはかられて大臣の椅子から、とりおちた御仁もいたようです。最近の国会でも議長席を女族に占拠されたという事件がありました。
 恐妻クラブなるものが結成されて、世のサムライどもが協同戦線をはろうとたくらんだりしていますが、所詮家庭においては、女房の前に頭があがらないことでしよう。′
 さてここらでちょっと生物界における男性の地位というものをのぞいてみましまう。
動物の中で男性が最も美しいのは鳥類でしよう。鳥顆の雄には派手な羽根を飾りたて鳥類の雄たちは、繁殖期にあの手この手で雌にモーションをかけます。
孔雀の雄は、雌の前で極彩色の尾羽をパッと扇型に妨げて、「これでもか、これでもか」、というように一生態命に雌の歓心を買います。
 沙漠にすむ駝鳥は長い首を砂の中に突立てて、脚で拍子を上りながら、雌の廻りをグルグル踊りながらまわります。このような雄の行動はすべて雌の歓心を買うためのものです。
 近頃は、人間も男性の地位が薮落するにつれて、男性がオシヤレをしはじめたようです。男のパーマネソトや薄化粧はすでに珍らしくはありません。赤いチェックのシャツ、真っ黄色い上衣、間青なズボン、極彩色の靴下、花模様のアロハシャツ、等々。これらのサムライどものいでたちは決して鳥類の雄どもにひけをとるものではありません。
 それに近頃は、鼻の下を長くして足で拍子をとりながら女性のまわりをグルグル廻るジルバというダンスもあるようです。これなどはまさに鳥類のダンスと軌を一にするものです。ここには、女性中心的な思想が感ぜられます。
 魚類にいたっては、カカア天下がむしろふつうです。
 タツノオトシゴの雌は、卵を、雄の腹にあるポケットの中にぴりぴりと産みおとします。雄はこの卵を、後世大事にそだてて、仔魚になるまで一生懸飴に子守番をします。妻君のほうは卵を産むとノホホンと遊びに行ってしまうのです。
深海にすむアンコウの叫撞は、雌はきわめて大型の堂々たる魚ですが、雄はその何十分の一にも足りない小型の魚です。暗い深海を雌がゆうゆうと泳いでいると、ときたまこの小型の雄に出会うことがあります。すると雄は必死になって雌な追いかけ、離れまいとして雌のからだに喰いつきます。するとやがて雄のからだが、雌のからだにくっついて、ついには雌のからだ
の一部にされてしまいます。
 このばあい、雄というのは雌のからだの一部にある小さな突起にすぎないことになります。
 昆虫に.なると男女関係はむしろ怪奇です。カマキリの雌は、交尾中、法悦忘我の境をさまよう雄を食いはじめます。カリ、カリ、カリという雄を食う音ほど異様なものはありません。雄の奴は食われているにもかかわらず、逃げようともしません。体が三分の一ほど食われてしまっても、まだ雌にしがみついています。全くあさましい奴です。
 コウロギの雄たちは、美音をはりあげて、秋の夜長を、雌の前でノド自慢大会を開きます。彼女のハートな射ぬいた幸運児の雄は、想いかなって交尾をしますが、交尾がすむと,とたんに雌にとって食われてしまいます。恐るべきはメスの食欲であり、哀れるべきは雌の性欲です。クモの雌は雄より体が十倍も大きく、クモの巣の中央に鎮座しています。雄は綱の奥の方にぶら下がっていて、メスに切ないモーションをかけます。網をゆすったり、近づいてみたりウインクしてみたり様々の手練手管の限りをつくして雌の気を引いてみます。「頃はよし」と思うと恐る恐る雌に紀づいて、彼女の休にちょっとさわってみたりします。
 この雌の体にさわってみる動作は、彼女が空腹であるかどうかをテストするものらしいのです。雌は腹が空いていると、雄を捉えてパクリと食ってしまうからです。
 クモの雌も、また性欲よりも食欲の方が旺盛らしいのです。彼女が「おいで、おいで」をすると、雄は危険を犯して彼女を抱きにかかります。クモの雄は交尾が終ると、さっと身をひるがえして逃げ出します。カマキリやユウロギの雄のようにポヤポヤしていないのは利巧着です。クモの雌は、交尾中から、終ったら雄の奴を食ってやろうとたくらんでいますから、雄が逃げ出すと「やらじ!」と追いかけます。捕まったが最後、この小粒の伊達男は喰われてしまうのです。
 このように、交尾はクモの雄にとっては、文字通り、「危険な関係」です。
 人間の紅会にも女郎蜘蛛はいたるところに網をかけています。伊達男たるもの、御用心!御用心!
海底の泥のなかに棲んでいるボネリアという環虫は実に愉快な動物です。この動物はグニヤグニヤしたからだの妙な恰好の気味の悪い虫です。
 ボネリアの雌は体長lメートルどもある大きなからだをもっていますが、雄はわずかに五ミリメートルほどしかありません。しかし、これだけでは別に驚くにはあたりません。大変なのは雄の数奇な運命です。
′ ポネリアの雄は若いときに、雌に丸呑みにされ、雌の体内に幽閉されて一生を送るのです。しかも、監禁されている期間は雌の生殖器の中なのです。詳しくいうと子宮の入口なのです。
 亭主を−生、腹中に執っておく雌も雌なら、ノホホンと妙な場所に納まっている雄も雄です。「そんな雄なら、俺もなってみたい!」などというサムライがいるかも知れませんが。
 このように哀れにも細々と男性の地位を保っている動物はまだいい方で、動物の中には子を産むむためには雄を全く必要としないものもあります。
 ミツバチの女王は、交尾をしないでも自由に雄蜂を産むことができます。
  「ああ、妾は彼氏が欲しくなったわ」と思ったら、彼氏になる卵を自由に産めるのです。もっとも、この彼氏も一人前になって女王のお相手をつとめるよなると、それからはいけません。交尾がすむと働蜂どもに散々小突かれてゴミのように巣の外に掃きだされてしまうからです。
 ミジンコも、夏期には雌だけでさかんに子を産みます。雄などは全く相手にされません。聖母マリアは聖霊に感じてイエスを堕胎したといいます。これは不思議なはなしです。しかし、処女受胎という現象は生物界では別に珍らしいことではありません。
 カエルなどでも、推なしに子を産ませることができます。
 カエルの雌の腹中から卵をピンセットでひっぱりだして、色のついているところを針の先でちょっとつついておくと、卵がかえってオクマジャクシになることもあります。うまく育てると、この処女受胎のカエルも一人前に成長します。
 海岸の岩の問にすんでいるウニやヒトデの卵などは、容器に入れて、金槌でコツコツと容器のへりをたたくと、その振動で発生をはじめて育ってきます。こうなると「雄とは、金精なり」ということにもなります。まことに情けない次第筋です。
 この処女生殖は梅物界でもみられます。高等な組物は花を開いて、実を結びますが、花とは元来生殖器です。花粉は動物の精子にあたり、子房の中の卵細胞が卵であるわけです。ですから花粉が雌しべの頭につくと、長い花粉管という管がのびていって、子房のなかの胚珠というところにある卵細胞にとどいて受精が行われ、種子ができることになります。
 ところが・ドクダミやシロバナタンポポやヒメジョンなどの植物は、花粉がつかなくても処女生殖で種子をつくることができます。こうなると男性は全く無用の長物です。
 人類は幸いにして処女幕によって生れできたものは、キリスト以外には一人もいません。もっとも人為的処女生殖は科学的には決して不可能なことではないかも知れません。
 しかしやたらに処女幕などをやられては、男性にとってそれこそ一大事です。
 さて、まことに哀れむべきは他の男性です。世の女性の方々に申し上げておきましよう。恋愛は人生最大の歓喜です。特にそれは女性にとっては、人生そのものでさえあるのです。男性なくしても子は産めるかも知れませんが、決して恋愛は成立ちません。恋愛の相手が欲しかったら、もっともっと男性を大切にしていただきましよう。

さてフランスの小ばなしをつけ加えておきましよう。パリの都にマリウスという夫婦がすんでいました。マロニエの花咲くころめでたく愛の綽晶ができました。ある時、マリウスは妻君と別れを惜しんで商用に旅立ちちました。この留守中、愛の結晶いぶかしげにひとりごとをいうには、「変だな、今日は知らないおじさんが、レインコートを着てやってきたぞ!」


.

過去の記事一覧

標準グループ

私は言いたい
私は言いたい
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
検索 検索

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事