サブやんの気まぐれ調査研究

日本の里山は崩壊します。守るのは私たちです。行政主導の時代は終わり新たな取り組みが求められています。

林業学習資料

[ リスト ]

林業の概念(「林業概論」農学博士 島田銀増資著 昭和32年)
 林産物の生産

 林産物を豊富に、随時に,且つ合理的な価格で将来永続的に供給することが、林業の一つの目的である。森林は通常文化の中心地を遠く離れて,僻遠の地に存在しているけれども,国民の星活は常にこれと密接なつながりを持っている。住宅建設資材の重要な部分である用材を供給し,暖房ならびに炊事用の薪炭を生産するのは林業である。鉄道の運行を保証する枕木、高層建築の基礎工事用の打込杭。電信・電話・電燈の配線用の電柱などは,木材が最も多く使用される。家具は木理の美観と色調ならびに感触の優雅の点から木製が貴く評価される。不燃建築においても床板や内部造作は木造である。
 近時、木材化学工業の進歩は,林産物の用途を著しく拡大した。日々の新聞ならびに包装用の用紙や,レーヨン・ステープルファイバーなど衣料繊維の原料となる織姫工業用のパルプをはじめとして,クール・テレピン・染料・ゴム・コルク・松脂・香料・薬品などは,その大部または一部を林産物を原料とする化学工業製品である。ある意味で現代文化の表徴のような位置にある映画のフィルムは,木材を原料とする製品であるし,自動車はゴムのタイヤを装備して街路を疾駆しているというような類である。

 森林と国民文化(「林業概論」農学博士 島田銀蔵氏著 昭和32年)
水源涵養(「林業概論」農学博士 島田銀蔵氏著 昭和32年)

 農業潅漑用・水力発電用・都市上水道などの水源海養上に果す森林の使命は,高く評価されている。殊にわが国のように水田農業を主体とする農業国では,森林の水源滴養作用は早くから着目され、すでに旧藩時代から諸藩に田山・水林などと呼んで,伐採を制限し,永久保持を目的とした森林が存する。河川は上流から流出する土砂によって河床を高めることのないように,水源地苛の森林が保持されなければならない。
 洪水・津蝕・山腹崩壊などは、わが国のようにモンスーン圏内の豪雨り危険にさらされている土地柄では,森林の造成保持によって防止されることが必要である。これを要約すれば森林の水源海養の作用は,一般に土砂の流出を防止することと,流量を調節して平水位を保つという点に認められているが,なお河床を固定し,平水位を保つということは,漁業に及ぼす効果もまた看過できない。魚族の繁殖はこれに依存することが大きいからである。

気候緩和(「林業概論」農学博士 島田銀蔵氏著 昭和32年)

 森林は気候緩和の作用をもつている。森林は一面において夏季の高温をいくぷん冷涼にし,また他方では冬季の酷寒を和らげ,かくして気温の較差を縮める作用を有する。
 防風林は飛砂の防止と冷風・熱風の被害を除去するに役立つ。海岸飛砂地帯の風害を防止するための海岸砂防林の造成美談は,わが国の旧藩時代にすでに諸藩にその事蹟をみるところであり,また冷風・熱風の防風林造成はアメリカ合衆国ならびにソ連における大計画が近年有名である。フランスの西海岸ガスコーニュはフランス海岸松の造林によって健康地になり避暑地になった。
 積雪地帯では,一般に森林の存在は春季の融雪を調節し,融雪による高水位を防止するのでブ 洪水と浸蝕の危害を緩和する。樹葉の蒸散作用によって蒸発する水量は莫大量にのぼるが,この現象はその態果として,森林地を無立木地よりも涼しくする。いわゆる「森林が雨を呼ぶ」という現象は経験的には、はっきりしていないけれども,森林の存在は湿気を保持する傾向を有するから,極めて微少な程度ではあるが降水童に影響することが考えられ,土地柄により寡雨地帯ではこれを論ぜられることがある。

樹葉・下草資源の利用(「林業概論」農学博士 島田銀蔵氏著 昭和32年)

 林木の樹葉や林内の下革は,農業用の自給肥料あるいは家畜飼糧として重要な資源である。わが国の入会林野の共同収益はむしろこれらが主な収益対象であって,王朝時代の庄園制農業から現代の金肥施用にいたるまでの永い期間の農業は入会林野の採草の基盤に立っての生産力が維持されていたといわれる。畜産の盛んな地帯では、林内下草は家畜の飼糧として利用に供せられ,これがために東北地方では,牧野施業と呼ばれる特殊な森林施業法を採用されているくらいである。スイスおよびドイツのアルプス地帯やアメリカ合衆国の西部ぉよび南部の森林では,林業と牧野経営とが密接に結びついている。合衆国の国有林収入の過半は林産収入ではなくて牧野貸付による収入であるというくらいに重要性をもつている。

野生鳥獣の保護(「林業概論」農学博士 島田銀蔵氏著 昭和32年)

 森林経営と野生鳥獣の保護繁殖とは緊密な関係にある。森林は野鳥および毛皮獣の天然の棲息地である。近年の農業および林業における害虫による被害の激甚は,森林の荒廃と野鳥の濫獲による天敵の減少に原因していることが注目されている。
 われわれは森林の取扱に附随して野生鳥獣の保護繁殖にも留意しなければならない。欧米では,狩猟趣味が国民娯楽として重要な地位を占める国民性の結果として,野生鳥獣の保護が特に重視せられる。ヨーロッパでは狩猟が貴族富豪の趣味であり,アメリカでは大衆の娯楽であるの相違はあるにしても,猟区の保護は,森林技術者の不可欠の任務の一つとされている。forest(英),Forst(独)の語原は,元来,猟区という意味であって,猟区としての森林の保護が森林技術者の初期の任務であつたのである。

審美的ならびに精神的価値(「林業概論」農学博士 島田銀蔵氏著 昭和32年)

 森林は風景的要素として国土装景に欠くことのできない要素である。森林のない風景は想像するに殺風景であり,退屈である。ゆえに林業は景勝地の景観を絶持し,すすんでこれを増進するように経営されなければならない。例えば,計画的施業の下にこれを経営し,伐採するにあたっては,路傍ならびに渓流沿いの林木を存置して,その風景実を保持するような措置が望まれる。森林が精神的に国民情緒に及ぼす感化力は,時代のすすむにつれて高く評価される。大都市の都心の喧噪の中の生活は,国民の健全剛毅な精神を汚損することがしばしば見られるが,森林地方の大自然に囲繞された生活環境は,国民精神を鍛錬する。世界的不況の最中に大統領に就任したアメリカのルーズヴェルト大統領は(1933年)森林のもつ感化力を重視して,
C.C.C.Campを創設し,都市の失業青少年をこのCampに送って,森林事業に従事せしめたが,これは単なる失業救済ではなくて,青少年を森林地方に送り込むことによってこれらの青少年がその生活環境から良い影響を受け,精神的健康な国民
に立戻ることを期待したところであって,事実またその目的を果した。またゲルマン民族の心性はゲルマンの森から生まれたということもよく聞くところである。

休養約効用(「林業概論」農学博士 島田銀蔵氏著 昭和32年)

 上に述べたような森林のもつ本来の精神的な価値は,朝夕この森林に接する山村民には意識的に評価されないで,日常これに接することの出来ない都民の憧憬の対象となる。交通機関が不備で経済的余裕の乏しい条件の下では,この憧憬は満足させることができない。物質文明が進んで,交通機関が発達し,交通費が低安となり,他方,より短かい勤務時間で,より多額の報酬をえられるように生活程度があがると,保養の目的で森林地帯を訪れる都人士の数は殖えてくる。その著例はアメリカの国民生活に見られる。ここでは国有林,国立公園に遊山・保養の旅行を試みる国民の数は年々数千万人にのぼる。決して多額の旅費を必要とする旅行ばかりでなく,青少年のためにはキャソピング・ハイキング・登山などのための経済的な宿泊設備なども完備している。これらの場合には,森林は積極的な保健休養の効用をもつのであって,ところによっては,このような快適な休養施設をすることが,林業の主目的であることすらあるのである。


.

過去の記事一覧

標準グループ

私は言いたい
私は言いたい
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
検索 検索

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト≪さとふる≫
実質2000円で好きなお礼品を選べる
毎日人気ランキング更新中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事