サブやんの気まぐれ調査研究

日本の里山は崩壊します。守るのは私たちです。行政主導の時代は終わり新たな取り組みが求められています。

林業学習資料

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 林業の経営形態(『林業概論』 島田錦蔵氏著 昭和32年)
国有林(『林業概論』 島田錦蔵氏著 昭和32年)

 国有林の成立は,元兎無主の不動産は国有に帰すという、観念に基くものであつて,したがつて国有林は国家が原始取得した林野である。封建制国家では,国有林経営による収入は,国家ならびに君主の有力な財顔であり,その管理経営のために特別な職制を布き部局をおいていたものである。
 しかし近代国家では,国家財源としての国有林の保持は,その意義が次第に後退して,国民公共の福祉のために森林を維持するという意識が次第に強められている。森林の公共福祉に及ぼす間接効用は,金額を以て見積られない経済外の効用であって,これはときに森林所有者の犠牲において実現されねばならぬ性質のものであるので,その森林が公共所有にしてはじめて確保できるのである。なお森林経営は,長期計由の確立を要するのであるが,この点に関しても,国家あるいは地方公共団体は,観念上,永久無死のものであつて,林業のような長期生産事業の事業主体と、して好適する性格を持つのである。
 公共企業は資本利子の負担がないこと,ならびに税の負担も全くないか或は少なくとも軽減されている点において,経済的にも長期生産事業に耐える強靭性を持っている。
 上述のように,公共林業と民間林業とは,根本的に異る基礎に立っているので,経済林の経営を民間事業に委ね、保安林・奥地林・その他公共福祉に関係ある非経済林の経営を主として国家および地方公共団体に守らしむべきであるという見解がだんだん有力になりつつある。しかしながら,現実の国有林は,必ずしも上述のような非経済林のみではなく,また民間資本もまた直ちに国有林の売払をうけてこれを民有に移し,伐期齢の高い林業を経営するに耐えるほどの資本蓄積を有していないので,国家資本による経済林の経営も一方に存在意義を有しているのである。
 ただ林業の国家計由の根本方針としてほ,民間資本の蓄積の増加に伴って,経済林の経営は次第に民間に委譲し,他方,保安的非経済林の経営の方面においては国家および公共団体の活動を充実せしむべきであろう。
 わが国の国有林は,明治維新の際、旧幕府領および旧藩領の森林の奉還と社寺領森林の上地によって成立した。旧濱時代に,御林・御立山・御直山・奥山などと呼ばれていた森林である。その面積は内地府県に所在するもの450万町歩、北海道に所在するもの310万町歩,合計790万町歩であって,全林野面積の31%を占めている。
 これが管理機関として,呪治19年に林区署制度を布き,大林区署・小林区署をおいた。その当時はただ保護監視していたにとどまり,経営に着手されたのは明治32年に始められた国有林野特別経営事業以降である。同事業は不要存置国有林野を売払い,その収入を財源として国有林経営の充実をはかつた。今日の国有林経営の基礎は,この事業によって築かれたのである。秋田・青森・高知などで実施されている機械化林業は,大規模経営の長所を発揮したものであつて国有林の特色をなしている。
 太平洋戦争の終戦後に国有林に移管された御料林は,もと明治19年から23年にかけて国有林のなかから皇室御料に移管されて成立した皇室財産であつた。皇室の権威の象徴と皇室の財源のために設けられた制であって,ヨーロッパの封建君主の私有財産の制にならつたものである。内地府県に50万町歩と北海道に90万町歩とがあって,そのなかには木曽のヒノキ林をはじめ代表的美林を含んでいた。


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