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「数字で見る日本の100年」(日本国勢図会 長期統計版 財団法人 矢野恒太記念会編1991刊)
〔林業〕林業を支える森林は,経済資源として存在するだけでなく,さまざまな機能を果たしている。わが国のようにけわしい地形が多い所では,森林が土地の崩壊を防ぎ,水資源を蓄えるなど,国土保全の上で一重要な役割を担っている。また,健全な森林による美しい景観は,人々の心に潤いを与えている。わが国では,国土面積の3分の2を森林が占めており,古くから住宅や生活用具など豊富に木材が使用されて,日本人は木の感触に親しんできた。いわば木の文化が,日本人の生活に根づ
いているといえる。
森林が再生可能な資源とはいえ,無計画な乱伐を避けることはもち論,産業として林業を成立させるには,森林の適正な管理を行わねばならない。森林の再生産を自然に任せると,幾有年の年月を必要とする。計画的に造林と伐採(伐採には皆伐と間伐がある)を行い,森林育成に必要な空間を確保するために適度な間伐を行うことによって,植林後50や〜60年位で伐採が可能となる。
戦前は薪炭材を中心に伐採が行われていたが,エネルギー源が石油に切りかわり薪炭材の需要は著しく減った。戦後は,健宅需要の高まりで、用材の伐採が大半を占めるようになり,高度経済成長期にかけて,林業活動が最も活発に営まれた。しかし,1940年(昭和15年)から1970年の30年間に大量の木材が使用され,伐採面積は延べ1900万ヘクタールにものぼったが,造林面積は1600万ヘクタールであった。植林が追いつかないほどの大量伐採が行われた結果,森林資源は荒廃してしまった。今日では,間伐を必要とする若木が人工林資源の60%を占めている。若木の成長が追いつかないなどの理由によって外材への依存率が高く72年以降,性とんどの年で輸入依存率が50%を超えている。林業は高度経済成長期以降,山村の過疎化,林業労働力の減少と高齢化,高い外材への依存率,代替材の進出,木材需要の伸び悩み,木材価格の低迷などの諸条件によって,生産活動は停滞している。
矢野恒太記念会
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