|
時評 垣根を越える勇気持て(「日刊木材新聞」H21・10・3)
民主党政権が成立して半月余が経過した喧前政権の枠組みを根本から見直すことは政権父代の宿命である。これを承知のうえかはともかくとして数多くの人たちが選択した。新しい政権に日本の未来を託すという寛大なる判断に期待したい。
来年度の予算編成にしても、いったん白紙に戻し、優先順序を設定して時間的猶予が可能なものは予算組みを遅らせるという考えは誠に的を得たもので、日ころ経営者が採用している手法である。「予算は全て重要で優先順位をつけられない」とは前例主義を拘泥する官僚の端的な発言だが、国の経営を家計に置き換えればはっきり分かることで長らく身についた職場常識で分からなくなる例だろう。
役所ばかりではなく、一般会社でも数多くの「民僚」がいてなかなか時流を読み込んで行動できない人がいるという声が経営者間で数多く聞かれる。安全を優先するあまり発想に柔軟性が乏しく、8月までの新設住宅着工戸数は52万戸余で前年同期比29%減少した。8月は6万戸を下回り、昭和40年以降、同着工戸数の単月統計以降3番目に低い数値となった。おそらく9月の着工戸数でこの1年の住宅資材需要動向が判明するし、12月までの着工数は来年年3月期の業績にも連動するだろう。
しかし、どのように考えてみても、今年の住宅着工戸数は85万戸さえも危うい状態だ。住宅需要は20%余減少する。資材の供給量、供給者が数多いうえ、肝心の既建設住宅(分譲、貸家)も供給過多にあるわけで、まずは住宅の在庫調整に時間を要する。新築マンションはもとより近郊の中古マンションも依然として底値を打たないなかで、業界を巡る需給環境の改善は、ほど遼いという観測を持たざるを得ない。
これまでの住宅資材販売中心路線を見直す時に来た。少子高齢化が進み小手先の給付でも何ら需要環境を変えることがなく,危険視される大型インフレ策もとれない現状で、どうして住宅建設が増えるのだろうか。いつ釣れるとも分からない池に釣り糸を垂れている余裕はもはやない、この先を見据えて小刻みに舵を切りかえてでも衣変えする会社を求めたい。(虎)
|