サブやんの気まぐれ調査研究

日本の里山は崩壊します。守るのは私たちです。行政主導の時代は終わり新たな取り組みが求められています。

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森林と水資源

森林と水資源
(『水と森と土』「伝統捨てた社会の行方」富山和子氏著 中央新書 一部加筆)
かつてのあの「東京砂漠」の夏、小河内貯水池が底をついて、ひび割れた湖底の写真が連日のように新聞、テレビで報じられたことがあった。そのような状態にあってさえ、周囲の森林からは日に30万立法メートルの水が流れ出ていた。30万立方メートルといえば、当時の都の需要水量の10バーセソトにも満たぬわずかな水量ではあったが、それでも現在の束京の水ガメの一つである矢木沢ダムからの最大取水量に相当する。日本の水道史に残るあの歴史的な旱魃のさなか、ダムを空にしたのちまでも森林がそれだけの水を供冷し続けていたことは、「東京砂漠」の名とともにやはり語りつがれるべき物語ではなかったかと、私は思う。
森林がどのていど水を貯えるものかにっいては、森林により千差万別である。森林土壌の整備された森林では、一時間に150ミリもの降水を貯留できることはさきに記したが、一方森林があった場合とそうでない場合とでは、川へ流す水の総量は年間を通Lて見ればほとんど変わらないとする見解もある。しかし森林が水を貯え、徐々に安定したかたちで供給してくれることだけは疑いもない。アメリカの流域管理の権威MD・フーバーによれば、
「一定の条件下の森林は、年間を通じて流量を均一化し流域の水の貯溜能を増加し、土壌侵食を減少する。森林は水の生産量を減ずるものであるとは、調査した者すべてがこれを信じてはいない。また雲につつまれた森林では、水滴は葉の上に凝納して蒸散は全く逆流する。
樹木の葉から水滴が落下するのは海岸の霧の深い地帯や雲のかかった山々などでよく見られるところである。大気中の湿気の小さい水滴は葉の表面に集まり、結局大きな水滴となって地上に落下する。この作用は霧滴、雲滴、水平降水、神秘な凝固といわれている。日本の北海道の東南、沿岸地帯では、海からの霧を防ぐために森林に依存している。その調査によると、無立木地よりも森林による方が霧水を6倍から10倍とらえることがわかった」(「林内における水の作用と水の移動」、FAO.松尾兎洋訳『森林の公益的効用』所収)
水をとらえ、貯え、徐々に供給する----それこそは急勾配の日本の土地に、流量の不安定な日本の川に、どれほど必要な自然の機能だっただろう。その森林を不要として地表をコソクリートで覆い、ダムにのみ依存してきた今日の水の生産方式とは、降った雨を一滴も土に渡すまいという方式であった。かりに1000万立方メートルの雨が降れば、その1000万立方メートルがそっくり欲しい。森林があれば水を吸い込んでしまい、たとえば後になって徐々に出てくるにしても、すべての水がいま直ちに欲しいのだ。コソクリートで地表を覆い、川を堰き止めてしまえばそれが可能である----
のちに述べるように、治水と利水と抱き合わせにした多目的ダムの出現よって、この思想は不動のものとなる。あたかも堤防万能主義が、水を一滴たりとも都市の中に受け入れまいとしたその同じ論理によって、都市たりとも水が土壌に奪われるの惜しんだといえる。堤防ヘの信頼、そこに木の育つこと拒んできたように、ダムヘの信頼もまた、森林水源涵養機能など一蹴させた。森林があると渇水時には蒸散でかえって水を奪われ、人間は損をするといった考えかたも一部の関係者の間に根を張っていた。さらに、「森林水源滴養論」に対する「森林水源枯渇論」という学問的な論争も存在した。
 
森林と水資源
参考までに書き添えておくと、農林省林業試験場の有水氏は、表土が乾燥しつづけると植物もまた地下水を吸い上げる活動を自ら抑制し、吸い上げる水の量はほとんどゼロに近い状態にまで減少すること、一方そのていどに乾燥した土壌は、地下水面から水の供給を得る機能も持たたくたること、従って地下水が土壌へ、土壌から植物または地表へという土壌中の水分の運動は、ほとんど停止された状態になることを論証している。(「森林の水源湧養機能」、水利科学研究所『森林の公益的機能計量化調査報告書』所収) (『水と森と土』「伝統捨てた社会の行方」富山和子氏著 中央新書 一部加筆)

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中国資本が日本の水源地を買収 危機感強める林野庁、調査開始

中国の企業が西日本を中心に全国各地の水源地を大規模に買収する動きが、昨年から活発化していることが、林業関係者への取材で分かった。逼迫(ひっぱく)する本国の水需要を満たすために、日本の水源地を物色しているとみられる。

買収話が持ち掛けられた地元自治体などが慎重姿勢を示しているため、これまでに売買交渉が成立したり、実際に契約締結に至ったりしたケースはないというが、外国資本の森林買収による影響が未知数なことから、林野庁は都道府県に対して一斉調査を始めるなど危機感を強めている。

奈良県境に近い山あいにある三重県大台町。中国の企業関係者が町を訪れた。水源地となっている宮川ダム湖北を視察した上で、「いい木があるので立木と土地を買いたい」と湖北一帯の私有地約1000ヘクタールの買収を町に仲介してほしいと持ち掛けた。また約3年前には、別の中国人の男性から町に電話があり、同じ地域の水源地の買収話があったという。

2010/9/23(木) 午後 9:16 [ 高砂のPCB汚泥の盛立地浄化 ]

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